2003年11月18日 (英訳)
訴 状
東 京 地 方 裁 判 所
八 王 子 支 部 民 事 部
御 中
当事者の表示
別紙目録記載のとおり
損害賠償等請求事件
訴訟物の価額 金1,950,000円也
貼用印紙額 金15,600円也
<送達場所>
〒107−0052
東京都港区赤坂2丁目14番13号 シャトレ赤坂5階 港合同法律事務所 tel (3585)2331
fax (3585)2330
上記原告訴訟代理人
弁護士 大 口 昭 彦
〒150−0031
東京都渋谷区桜丘4丁目23号 渋谷桜丘ビル8階
渋谷共同法律事務所 tel(3463)4351
fax(3496)4345
弁護士 萩 尾 健 太
請 求 の 趣 旨
1 被告は原告に対して、別紙1記載の内容の謝罪文を交付せよ。
2 被告沖電気工業株式会社は原告田中哲朗に対して、金1,000,000円
およびこれに対する2002年6月27日以降支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 訴訟費用は、被告の負担とする。
との判決、ならびに第2項について仮執行の宣言を求める。
請 求 の 原 因
T 当事者
1 原告
(1) 原告は、被告沖電気工業株式会社(以降「被告会社」という)の社員であったが、1981年6月、不当な配転命令を拒否したことを理由に解雇された。
以降一貫して、この解雇の不当性を訴え、更には、現在も続いている被告会社の人権を侵害する労務政策を改めることを求めて闘争を継続している者である。(2) とりわけ1987年以降は、被告の定例株主総会に、株主として出席し、丁寧な論拠を準備して、会社の経営方針、とりわけ人事労働政策の誤謬を指摘し、その是正の実現達成することに努めてきている。
(3) また現代日本には、被告会社と類似した人権侵害が多くの企業に存在している現実が存するが、そのことの持つ社会的問題性を鋭く指摘する原告の、講演ないし歌唱活動は広く支持され、講演依頼は労働組合、平和・人権問題を活動の目的とした市民団体からのみならず、公立学校、市教育委員会に亘り、その範囲は国内全域に及んでいる。(4) また、原告が上記`に関連して、被告会社門前において連日続けている抗議行動には、国内全域から原告に共感する多くの人が支援と交流の為に訪れ、その中には自由民主党前政調会長亀井静香衆議院議員すら含まれる。
2 被告沖電気工業株式会社
(1)被告沖電気工業株式会社は、肩書地に主たる事務所を置く株式会社で、電子通信装 置の製造等を主たる目的とする者である。
U 原告の請求権
1 本件不法行為に至る経過(その1 原告と被告会社の関係)
(1) 原告と被告会社の関係
@ 原告は、被告の社員であったが、1981年6月原告が、被告会社の労務政策を、組合役員選挙に立候補して批判したことに対する報復として出されたところの、配転命令を拒否したという理由のみで、不当にも解雇された。
A 原告は直ちに民事訴訟を提起し、その不当性を争ったが、1992年最高裁に於て敗訴が確定した。(なお最高裁の支持した下級審の判決は、被告の原告に対する解雇が違法でないと認めたものではあるが、原告が主張する職場での人権侵害が存在しないとされたものではない。)
B しかし原告は現在に至るまで、一貫して、「民事訴訟のこの不当な結果によっては、何ら問題は解決していない」ことを、社前での抗議行動等を通して、被告会社および同社の社員に対して直接に表明し続けてきている他、1987年からは、同社の株主総会に株主として出席し、被告会社の職場に於る人権侵害の存在を指摘し、その改善を訴える努力を続けてきた。
2 本件不法行為に至る経過(その2 株主総会に於る原告の主張)
(1) 被告会社に於る、一部社員に対する違法不当な、仕事の剥奪・賃金差別などの人権 侵害の存在の指摘と、その改善方針の提議。
被告会社は、被告会社が押しつけてきている非人間的労働指揮について、会社に唯々として従うことを潔しとせず批判的であると思われる社員に対して、仕事を剥奪したり、賃金差別を行うなどの非合理的労働政策を継続してきた。
これの改善は企業としてのモラル、社会的責任であることは当然であるが、他方、従業員の就労意欲を高めるなど、会社にとっても有益なことであることを、毎回具体例を挙げて指摘しようとしてきた。(2) 被告会社の株主総会の、正常・合理的な運営についての提議。
被告会社の株主総会の運営実態は、以下の如きであり、法の予定する株式会社の最高意思決定機関とは到底言い難いものであったので、原告及び原告と志を同じくする株主(以下、「原告ら株主」という)は、被告会社の株主総会に於て、以下のとおりの、法律上および社会常識上当然の改善策を提議しようとしてきた。
@ 出席株主の発言の機会の十分な保障
@ 職場での人権侵害の有無は、企業の社会的責任・職員のモラールの維持向上に関係していることが明らかであって、被告会社の運営にかかわる重要事である。従って、株主総会としても大いに関心を示し、その事実の存否ないし改善のための方策を十分に議論すべきである。
にもかかわらず、原告ら株主から具体的事例を示しつつ、その改善の提起がなされようとしているにもかかわらず、全て、
「総会の目的事項外である。」
として答弁が拒否されてきた。A 原告ら株主は、17年間に亘り連続して被告会社の株主総会に出席し、
上記`について提議しようとしてきたが、毎回、十分な発言が許されないままに、被告会社が動員したと思われる、社員他の翼賛的株主によって「議事打切り動議」が出され、株主による質問に対して取締役から然るべき回答・説明がなされていないにもかかわらず、かつ、まだまだ発言を求めている株主が多数存在するにもかかわらず、一方的に議事が打切られるのが常であった。B 会社が大量に動員したと思われる上記株主が、取締役による議案書を読み上げるだけの形式主義的提案に対して、大声をそろえて「了解!」などと一般株主を威嚇するがごとき対応をとり、他方、これらについて内容的質問等を行おうとする一般株主の発言を、野次るなどの妨害・威嚇行為を行って真面目な議論を不可能にした。
C 会社側だけがマイクを使って発言し、株主には使わせなかった。
(但し、B、Cついては原告ら株主側の強い申入れの結果、若干改められる に至った。)A 総会の正常な運用、株主の権利の保障
D 株主の中には、他の会社の株を保有している者も少なくない。被告会社は例年敢えて株主総会集中日に総会を行うことで、集中日に総会を行う会社のどれか一つにしか株主が出席出来ない状況を作り出し、他社の総会に参加せざるを得ない者が被告会社の総会に参加することを困難にしてきた。
E 原告を含め、複数の個数の株式を所有する株主が出席しているにもかかわらず、議決に際して、持株数を確認せずに単純多数決で採決を行うという安易な方法が執られてきた。
F 被告会社だけがビデオ撮影を行い、株主には録音、撮影を許さなかった。にもかかわらず被告会社が撮影したビデオの閲覧を拒否した。
G 株主名簿の閲覧拒否
H 総会の議事録をコピーさせない。
3 本件不法行為の事実
(1) 原告は、2002年6月27日に行われた、被告会社本店別館(港区芝浦4丁目10番3号)に於て行われた総会に於て、上記趣旨から、株主総会集中日に総会を行わないことを提案し、その採決を求めようとした。
(2) 篠塚被告会社社長は総会の冒頭、「本総会には警察官を招請している。」との宣言を行った。しかしこれは、いわゆる「盗人猛々しい」に類するとさえいうべき理不尽な行為であった。
なぜなら、かって被告会社の株主総会に於て暴力行為が行われた事実が存するが、それは全て、被告会社が株主に対して行ったもののみであったのであり、株主による暴力行為は一度も起きていないからである。しかるに被告会社によってなされたこの警察官の招請は、自らの違法・暴力行為を、逆に、正当なものとみせようとするものであり、会社経営陣を批判しようとする一般株主に対する威嚇以外の何ものでもなかった。(3) 篠塚議長は原告の提案に対し「集中日に当たるのは偶然であって意図的ではない。」などと、誰が聞いても明らかに嘘と分かる答弁を行い(20年間にも亘って、総会の期日が、総会集中日という特定の期日と偶然に一致する確率は、天文学的数字でしか示し得ないことは言うまでもない。) 原告が求めた採決を取ることをも拒絶した。株主総会という企業の最高意志決定機関において、社長という立場においてこのような、誰が聞いても嘘と分かる答弁を行ったのである。
(4) この回答は、被告の、株主全体に対する著しく不誠実な姿勢を端的に示す答弁であるばかりでなく、嘘を公の場で平然と言ってのける、社会正義に対する感覚の欠如した姿勢をも端的に示しており、看過すべきでないと考えた原告は、さらに、
「採決を取らない理由を述べるよう」要求したが、それも拒否されたので、「議事運営が不当である」と指摘した。(5) しかるに議長である篠塚被告会社社長は、会社警備員に対して、実力行使し原告を暴力的に排除することを命じた。
(6) 当時、原告は肩部を負傷して、整形外科に通院中であった。
ところで、原告は前年にも同様の暴力排除があったため危険だと考え、医師の診断書を用意してきていたので、これを示し暴力を止めるように要求した。(7) にもかかわらず、上記警備員は暴力を加え続け、原告を会場から排除した。
その際この警備員が、原告の腕を捻り上げたため、肩・腕に激痛が走り、腕がしばらく動かせない程の状況になった。(8) この暴行のため、原告は肩部の傷害を更に悪化させ、その治療のために同年11月まで整形外科への通院を余儀なくされた。
(9) (なお、この際原告以外の株主も不法に実力行使され会場から排除されたが、そ
のうちの一人は、この暴行のため、来ていた背広が破れてしまった。
・・・・・別訴提起中)(10) また、原告は暴力排除を受けた際、警察官が臨席しているのなら、会社の暴力を
止めさせることを求める発声を行ったが、不当にも警察官は会社による不法行為を看
過した。
・・・・・別訴提起中)
4 被告の不法行為
以上事実経過によれば、被告には以下のとおりの不法行為責任が存する。
(1) 被告会社は、その株主総会に於て、現執行部の業務執行行為に対して疑問・異議を呈しようとする原告ら株主に対して、警備員をして暴力を加えせしめ、原告を会場から物理的に排除した。結果、原告の身体に障害を与えた。
また被告会社は、その警察導入・総会議事運営に於る原告ら株主の無視・暴力的排除によって、原告ら株主が、恰かも、被告会社の正当な業務執行に対して、株主としてのしかるべき利害を有しないで、しかもその上、会社の業務と無関係な事柄について株主総会に於て発言等することによって、実質的には経営陣を恐喝しているところの、いわゆる「総会屋」であるかのように公然と描き出し、社会的にそのように遇する事によって、原告ら株主の人格性・名誉を深く傷つけた。
(2) これによる原告の損害を、敢えて慰藉料を以て金銭的に評価するとするならば、
金1,000,000万円を下らないことが明らかである。
よって被告会社は原告に対する、民法709条・710条、ないし同715条による、同金額の損害賠償責任を免れない。
(3) ところで、本件に於て警察官動員の要請・臨場、および警備員による暴力的排除が
原告始め原告ら株主の名誉を甚だしく傷つけたことは上記のとおりである。
従って、本件については金銭賠償のみならず、一定の原状回復が図られるべきであり、相当である。
故に被告会社は、民法709・723条に基づき、別紙記載のとおりの謝罪文を原告に対して交付し、謝罪をなす義務が有する。
V 結語
よって原告は、
1 被告沖電気工業株式会社に対して
@ 民法709・723条に基づき、別紙記載のとおりの謝罪文の交付を
A 民法709・710条に基づき、金1,000,000円及びこれに対する
2002年6月27日以降支払済みに至るまで年5分の割合による金員の支払を
求めて、本訴請求に及ぶものである。
証 明 方 法
甲第1号証 「報告書」(田中哲朗) 2002年沖電気株主総会の状況
(含 録音の反訳・写真)
甲第2号証 「決定」(浦和地方裁判所) 沖電気工業(株)に於る人権侵害
甲第3号証 「診断書」(医師 布田由之) 原告の負傷に関する整形外科診断
甲第4号証 「要求書」(田中哲朗 他) 沖電気工業(株)に対する株主総会記録ビ デオの閲覧要求
甲第5号証 「回答書」(沖電気工業(株)) 上記に対する拒否回答
甲第6号証 「要求書」(田中哲朗 他) 沖電気工業(株)に対する株主名簿録閲覧 請求
甲第7号証 「回答書」(沖電気工業(株)) 上記要求に対する拒否回答
添 付 書 類
1 甲号証の写し 各 1 通
2 会社登記簿謄本 1 通
3 訴訟委任状 1 通
当 事 者 目 録
〒193−0942
東京都八王子市椚田町1214番地1ー707
原 告 田 中 哲 朗
<送達場所>
〒107−0052
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fax (3585)2330
上記原告訴訟代理人
弁護士 大 口 昭 彦
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弁護士 萩 尾 健 太
〒105−0001
東京都港区虎ノ門1丁目7番12号
被 告 沖 電 気 工 業 株 式 会 社
代表者代表取締役 篠 塚 勝 正
別紙
年 月 日
田 中 哲 朗 様
沖電気工業株式会社
代表取締役 篠 塚 勝 正
謝 罪 文
弊社は、かねて元社員である株主の田中哲朗氏から、一定の社員に対する差別的処遇等労務政策上の問題点を指摘され、その改善を、また株主総会の運営上の問題につきましても同様に、問題点を指摘され、その改善を求められてきておりましたにもかかわらず、これらの御提言を真摯に受止め、誠意を以て努力することを懈怠してきましたことを、心よりお詫び致します。
とりわけ2002年6月挙行の株主総会におきましては、会社のために上記諸点を熱心に提言して下さろうとしている、田中様を始めとする株主の皆様方に十分な御発言の機会を保障しなかったばかりか、皆様方を、弊社の管理下にある総会警備員をして暴力的に実力排除せしめるに至ったこと、それにより皆様に多大の心身上の、ないし物的被害を生起してしまったことにつきまして、衷心より謝罪致しますと共に、今後二度とこのような事態を発生させないことはもとより、この間改善の必要性を御指摘になられてきました諸点につきまして、会社全体をもちまして真摯に取り組んで参りますことを誓約致します。
訴 訟 委 任 状
2003年11月18日
住 所
委任者
私は、次の弁護士を訴訟代理人と定め、下記の事件に関する各事項を委任する。
〒107−0052 東京都港区赤坂2丁目14番13号 シャトレ赤坂5階 港合同法律事務所 tel (3585)2331
fax (3585)2330
弁護士 大 口 昭 彦
〒150−0031 東京都渋谷区桜丘4丁目23号 渋谷桜丘ビル8階
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弁護士 萩 尾 健 太
T 事 件
1 当 事 者 原告 田 中 哲 朗
被告 沖電気工業株式会社
2 裁 判 所 東京地方裁判所 八王子支部
3 事件の表示 謝罪文交付等請求事件
U 委任事項
上記訴訟事件の追行に関する一切の行為、和解、控訴
訴 訟 委 任 状
2003年11月18日
住 所
委任者
私は、次の弁護士を訴訟代理人と定め、下記の事件に関する各事項を委任する。
〒107−0052 東京都港区赤坂2丁目14番13号 シャトレ赤坂5階 港合同法律事務所 tel (3585)2331
fax (3585)2330
弁護士 大 口 昭 彦
〒150−0031 東京都渋谷区桜丘4丁目23号 渋谷桜丘ビル8階
渋谷共同法律事務所 tel(3463)4351
fax(3496)4345
弁護士 萩 尾 健 太
T 事 件
1 当 事 者 原告 田 中 哲 朗
被告 東 京 都
2 裁 判 所 東京地方裁判所 八王子支部
3 事件の表示 損害賠償請求事件
U 委任事項
上記訴訟事件の追行に関する一切の行為、和解、控訴