沖電気暴力株主総会裁判 一審不当判決

英訳

 私は裁判官の訴訟指揮が非常に不公平だったので不当判決を予測し、2005年 8月4日付け陳述書で以下のように指摘した。

ところが、この判決は、まさにこの陳述書で予測、警告したとおりの不当判決だった。この陳述書を出した後、加藤美技子裁判官は露骨に不機嫌な顔をしていた。とうていまともな判決を書くとは思えなかったので、裁判官忌避裁判を起こした。

 そのあげくがこのありさまである。まったく、はずかしくないのだろうか。

  私は単に控訴するだけではなく、弾劾裁判等、マスコミへのアピール等、合法的な方法でこの裁判官の責任を追及する。

 裁判官がとんでもない判決をかいても、書きっぱなしで、その責任が問われない今の制度はおかしい。

(11)これらの経験から、本件についても、もし上記の裁判官が沖電気に偏った判決を書こうとすれば、どのような判決になるかが予想出来てしまいます。

(12)すなわち、原告が証拠を示して立証した、本件の本質に関わる重大な事実をすべて無視し、判断すら示さず、被告の主張のみを採用し、「議長には議事運営権により株主に退場を命じることが出来るのであるから、命令に従わなかった原告を排除したことは違法とは言えない。」となるだろうと思います。

(13)事件の根幹に関わる主張に裁判官が判断を回避するなどと言うことが繰り返されれば、裁判所の権威は失墜していくと思います。

(14)以下の項目には必ず判断を示して頂きたいと思います。

@ 被告の株主総会が株主総会集中日にあたる事が意図的なものではないという議長の答弁が本当か嘘か。判断してない

A 原告がその答弁に納得せず裁決を求め続けた事に、理由の説明すらせずに排除することが妥当かどうか。裁決をしないのであれば、少なくとも排除する前にその理由を述べるべきではなかったのか。判断してない

B 被告警備員が原告を「押し出す方法で」排除したとの主張は事実か。まったく事実と異なることは写真等で明らかなのに事実としている

B 「原告が自らの解雇撤回を求める為に総会に出席し、総会を意図的に混乱させている。」とする被告の主張は事実かどうか。判断してない

C 1999年の被告株主総会の際の議長は、原告の発言に感謝の意すら表明しており、これは被告主張を根底から覆す意味を持っていると原告は主張したが、これをどう判断するか。判断してない

D 原告が指摘して来た被告職場での人権侵害の具体例は根拠のないものであるかどうか。判断してない

E 被告は談合を行ったかどうか。判断してない


平成18年6月30日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官佐藤晃一

平成15年(ワ)第2804号 損害賠償等請求事件

口頭弁論終結日 平成18年5月16日

          判           決

   東京都八王子市椚田町1214番地1−707
       原        告      田   中   哲   朗

       同訴訟代理人弁護士   大   口   昭   彦

        同              萩  尾   健  太

   

   東京都港区虎ノ門一丁目7番12号沖電気工業株式会社

       被        告

       同代表者代表取締役    篠  塚  勝  正

       同訴訟代理人弁護士    内  藤  貞   夫

       同訴訟復代理人弁護士  長  家  広   明

        同              渡  部  朋  広

            主           文

1 原告の請求をいずれも棄却する。

2 訴訟費用は原告の負担とする。

           事 実 及 び 理 由

第1 請求

1 被告は,原告に対し,別紙記載の内容の謝罪文を交付せよ。
2 被告は,原告に対し,100万円及びこれに対する平成14年6月27日から支払 済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事実関係


  本件は,被告が平成14年6月27日に開催した株主総会に株主として出席した原 告が,議長の退場命令により議場を強制的に退場させられたところ,同退場命令は,
 当時の商法237条ノ4第3項(以下に挙げる商法の条文は,いずれも平成14年6
−1−
月当時のものである。)が定める議長の権限を濫用したものであるから違法である等

主張して,不法行為に基づく慰謝料100万円及び遅延損害金を請求し,かつ,強制
的な退場により原告の名誉が毀損されたとして別紙記載の内容の謝罪文の交付を求め

た事案である。
 争いない事実及び証拠(下記に掲記)により容易に認められる事実

〈1)被告は,電子通信装置・システムの開発,製造,販売及び輸出入等を目的とする会社である。

〈2)原告は,被告のもと従業員(昭和44年4月雇用)であるが,昭和56年6月,被告の配置転換命令を拒否したことを理由として解雇された(乙3)。

(3)原告は,上記解雇の無効を主張して,本件被告を被告とする東京地方裁判所八王子支部昭和56年(ワ)第1528号労働契約存在確認等請求事件を提起し,労働契
 約上の権利の確認及び賃金の支払を求めたが,平成2年3月22日,原告の請求をいずれも棄却する判決が言い渡された(乙3)。
 

原告は,上記判決について控訴(東京高等裁判所平成2年(ネ)第1445号)を提起したが,平成5年4月15日,控訴棄却の判決が言い渡された(乙4)。原告は,上記判決について上告(最高裁判所平成5年(オ)第1708号)を提起したが,平成6年3月22日,上告棄却の判決が言い渡された(乙5)。

〈4)原告は,被告においては従業員の人権が侵害されている等主張して,昭和60年ころから被告の八王子事業所前で抗議行動等を行い,また,昭和62年以降,被告
 の株主総会に株主として出席している。

(5)被告は,平成14年6月6日付けの「第78回定時株主総会招集ご通知」と題する書面をもって,議決権を有する株主に対し,第78回定時株主総会(以下「本件総会」という。)の招集通知を発送した。被告は,同通知において,本件総会が平成14年6月27日午前10時から被告の本社5号別館1階会議室において開催されることを連絡するとともに,本件総会の目的事項として,下記ア,イの各事項(以下「目的事項」という。)を提示した(乙1)。

−2−
ア 報告事項

 第78期(平成13年4月1日から平成14年3月31日まで)営業報告書,

 貸借対照表及び損益計算書報告の件

イ 決議事項
 ∽ 第1号議案 第78期(平成13年4月1日から平成14年3月31日まで)
        損失処理案承認の件
〈イ)第2号議案

(ヴ 第3号議案

(可 第4号議案

梶@第5号議案

め)第6号議案
定款一部変更の件

取締役6名選任の件

監査役1名選任の件

退任取締役に対し退職慰労金贈呈の件ストック・オプションとして無償で新株予約権を発行する件

〈6)被告は,平成14年6月27日午前10時過ぎころから,被告の本社5号別館1階会議室(以下「本件議場」という。)において,本件総会を開催した。本件総会の議長をつとめたのは,被告の代表取締役である篠塚勝正であった。

(7)原告は,株主として本件総会に出席した。

(8)議長は,上記同日午前11時58分ころ,原告に不規則発言があり,同発言をやめないことを理由として,原告に対し,商法237条ノ4第3項に基づいて,本件議場から退去するよう退場命令(以下「本件退場命令」という。)を発した。

(9)原告は,その後も,本件議場を自ら退去しようとしなかった。

(10)そこで,被告から警備の依頼を受けた株式会社ライジングサンセキュリティーサービスから派遣された警備員ら(以下「警備員ら」という。)が,実力で原告を本

 件議場から退場させた。

 争点

(1)本件退場命令は違法であるか。

 ア 原告の主張
  本件退場命令は,商法237条ノ4第3項の定める議長の権限を濫用したもの
−3−
  である。原告の質問も採決の要求も目的事項に含まれるものである。

 イ 被告の反論

   本件退場命令は,商法237条ノ4第3項に基づいて発せられたものであり,

  何ら権限濫用はない。原告の質問も採決の要求も目的事項の範囲外であり,商法

  232条ノ2の定める株主提案権の行使もなかった。議長は,原告の質問に対し

  一応回答した上で,採決の必要はないとして,原告に対し着席を求めた。しかし,原告はあくまで採決を求めたので,議長は再三,不規則発言をやめないと退場さ
 せる旨警告し,それでも原告が議長の指揮に従わなかったことから,本件退場命令を発したものであって,同命令は適法である。

(2)議長が,警備員らをして,原告を強制的に本件議場から退場させたことは違法で

 あるか。

 ア 原告の主張
  商法237条ノ4第3項は,議長が株主に対して直接に実力を行使して,物理的に排除する権限を与えるものではない。したがって,仮に本件退場命令に違法がなかったとしても,警備員らが原告に直接有形力を行使して排除したことは,権限の逸脱であり,違法である。

 イ 被告の反論
  議長は,株主総会の秩序を維持するために必要がある場合,すなわち,株主総会が混乱し,議場が喧嗅を極めて,事実上,総会に諮ることができない場合等に
 は,議事の進行を妨害する株主の発言を禁止することなどはもとより,議長の指揮に従わない者その他総会の秩序を乱す者を退場せしめることもできる(商法2  37条ノ4第3項)。そのためには,自力救済が認められる範囲内において実力を行使し,また,必要がある場合には警察力を借りることも許される。このことは,商法237条ノ4第3項が「退場を命ずることを得」ではなく「退場せしむ ることを得」と定めていることから明らかである。

(3)警備員らは,原告を強制的に退場させた際,原告に対し傷害を負わせたか。
−4−
   ア 原告の主張

    原告は,強制的に本件議場から退場させられた際,被告の警備員らにより左腕をねじ上げられ,既に左肩関節周囲炎(甲3)に篠患していた左肩の状態が悪化    し,その治療のため平成14年11月まで整形外科への通院を余儀なくされた。

   イ 被告の反論
    被告の警備員らは,原告の腕をねじ上げてなどおらず,原告の体を抱えて後ろから押すようにする等して,本件議場から退場させたのである。
    また,原告は,本件議場から退場させられた後,診療を受けることなく四国に赴いて2,3日滞在した上,自宅に戻っても直ちに診療を受けたわけではない。
   しかも,その後ようやく診療を受けた際も,特別な治療を受けたのではなく,本件総会前と同様の治療を受けたにすぎない。これらは原告が自認するところであ   り,このことからすれば,原告が本件議場から退場させられた際に傷害を負った事実などないことは明らかである。
 

(4)被告は,原告を本件議場から強制的に退場させることによって,原告の名誉を毀損したか。

  (原告の主張)
   被告は,原告を本件議場から強制的に退場させることによって,原告をいわゆる「総会屋」であるかのように公然と描き出し,これによって原告の名誉を毀損した。
  よって,原告は,民法709条,723条に基づいて,被告に対し,別紙記載の内容の謝罪文の交付を求める。

第3 当裁判所の判断

 1 争点(1),(2)について
 〈1)前記第2の1の事実,証拠(甲1の1ないし3,甲35,甲37,甲38,甲41,乙10,乙11の1の1,2,乙11の2の1,2,乙12ないし15,証人上田恵弘,証人毛利部信幸,証人澤井重徳,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実を認めることができる。
−5−
  原告は,本件総会に株主として出席し,質問に立って,被告の職場の中で人権侵害がある等述べた上で,株主総会の運営について,

@株主総会はいわゆる「集中日」以外の日に開催すべきである旨,

A株主総会の招集通知を総会開催日の2,3か月前に出すべきである旨,

B総会の議事録をコピーすることを許してほしい旨,

Cこれら3点について議決権数を明らかにして採決をとってほしい旨述べた。

  しかし,議長は,上記@ないしBについて一応回答はしたものの,採決の必要はないとして,原告に対し,次の質問者にマイクを渡し,着席するよう求めた。しか
 し,原告があくまで採決を求め続けたため,議長は,原告に対し,それ以上不規則発言をすると退場させる旨複数回にわたって警告した。しかし,原告がそれでも採
 決を求めたため,議長は,午前11時58分ころ,原告に対する退場命令を発し,原告がこれに従って退場しなかったため,警備員らが原告を退場させるまで,審議を中断する旨宣言した。

 被告の従業員である毛利部信幸の監督下にある警備員らは,原告の後ろから原告の胴体を抱きかかえるようにして,診断書(甲3)を手に持って掲げる原告を,本 件議場の出入口にまっすぐ通じる通路まで連れ出した。そこで,警備員らが,退場を拒む原告の後ろから両脇に手を入れる等し,体を抱えるようにして,出入口近く
 まで押して行き
,そこで体の向きを変えて本件議場内にとどまろうとする原告の腰部を警備員らが押して,退場させた。
 

原告が強制的に退場させられた後である午前11時59分,議長は,本件総会の審議を再開した。

(2)ところで,原告は,本件退場命令が,商法237条ノ4第3項に基づく議長の権限を濫用するものである旨主張し,これに沿う供述をし,前記(1)の甲号証を始めと
 する書証を提出する。
 しかし,前記(1)のとおり,原告は,@ないしBについて採決を求め続け,議長の指揮に従わなかった結果,本件総会の議事の進行を妨害し,その秩序を乱したとし
 て,本件退場命令を発せられたと認められるところ,
@ないしBが目的事項(乙1)

ー6−
 の範囲外であることは明らかであり,
また,原告が@ないしBについて商法232条ノ2の要件を満たす手続を踏んだと認めるに足りる証拠はないから,結局,原告

 に@ないしBについての採決を求める権利があったとは認められない。したがって,原告が,議長の制止,警告にもかかわらず,上記採決を求め続けた以上,議事の進行を妨害したといわざるを得ない。

  上記事情に照らせば,前記証拠から,本件退場命令について,商法237条ノ4 第3項に基づく議長の権限の濫用があったと認めることはできず,他にこれを認め

 るに足りる証拠はない。

(3)ところで,原告は,仮に本件退場命令に違法がなくても,同命令は有形力をもって執行できるものではないから,被告が原告を強制的に退場させたことは違法であ
 る旨主張する。しかし,商法237条ノ4第3項は,実力による実現を全く許さないものではなく,自力救済が認められる範囲内では実力を行使することは容認されるものであり,前記(1)の程度の実力の行使は上記範囲内にあると認められる。

(4)以上のとおりであるから,争点(1),(2)の事実はいずれも認められない。
 

争点(3)について
 原告は,本件総会当時,左肩関節周囲炎に罷患していたところ,本件議場から強制排除された際,被告の警備員らが原告の左腕をねじり上げたため,左肩関節周囲炎が悪化した旨主張し,これに沿う供述をし,甲1の1ないし3,甲3,甲35を始めとする書証を提出する。

 しかし,原告が,本件議場から強制的に退場させられた後,四国へ行って2,3日滞在し,自宅に戻ってから医師の診療を受けた旨,同診療の内容は本件総会以前のものと同様である旨供述していることに照らせば,上記各証拠から争点(3)の事実を認めることはできず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。

 争点(4)について
 前記1のとおり,本件退場命令に違法はない。また,議長が原告を強制的に退場させたからといって,そのことのみから原告を「総会屋」のように描き出したとはいえ
ー7−
ないから(他にこれを認めるに足りる証拠はない。),原告の名誉が毀損されたとは認められない。

 以上のとおりであるから,原告の請求はいずれも認められない。

   東京地方裁判所八王子支部民事第3部

        裁 判 官    加  藤  美 技 子
−8−