平成15年(ワ)第2804号
損害賠償等請求事件

 原 告  田 中 哲 朗
 被 告  沖電気工業株式会社

意見書

  2005年 5月12日

東京地方裁判所八王子支部  民事第3部1A係       御中

      原告        田中哲朗

 これまで私が準備書面で主張してきたことを精査して頂ければ済むことではありますが、弁論の更新に際し一部意見を述べさせて頂きます。

第1 原告の立場

 私は被告会社の労務政策を批判する行動を続けていたため、見せしめとしての配転命令を受け、その命令に従わなかった事だけを理由に解雇され、以来23年間、毎日被告会社の門前において人権侵害を改めるよう求めるアピール行動を行っています。

 私は、被告の非を認めさせるために被告に解雇を撤回することを要求しています。被告はそれをあたかも私が経済的利益を得るために被告会社に再就職したくて言いがかりを付けているかのような主張をしています。しかし被告会社のような賃金の安い会社に再就職し経済的利益を得ようと23年間も門前に立ち続けることなどあり得ません。

 この事実関係は明確に認識して頂きたいと思います。

 また私は被告の株主総会に出席し、今も続く被告職場での人権侵害を具体的に指摘し、改めるよう求める質問を続けています。

 被告は私が自分の解雇を撤回させるために出席していると主張していますが、私は18年に及ぶ総会の出席の中でただの一度も、解雇撤回を求める発言を行った事はありません。

 この事実関係は明確に認識して頂きたいと思います。

 最近、私の支援者の中で私の解雇撤回をするべきだという発言を行った者がおりますが、私が依頼したものでも、私の意に添うものでもありません。
 この支援者には証人として証言して頂こうと考えております。 

 そして何よりも、私が主張、立証している被告職場に於ける人権侵害の存在が事実であるかどうかを判断して頂きたいと思います。

 なぜならば裁判所が人権侵害の存在を認めることにより、被告はその改善を促されることになりますが、裁判所がこれを無視すれば人権侵害をより加速させることになるからです。

第2 被告の株主総会

 今回、2002年と2004年の被告株主総会を記録したビデオテープを証拠として提出しました。

 被告は連続してビデオ撮影を行っており、被告の所持するビデオの方がより正確に総会の事実が分かります。これまで原告はビデオ提出を求めましたが被告がこれに応じないために私の支援者が撮影したビデオを提出します。 
 このビデオは被告の妨害のため連続して撮影が出来ておらず、正確な事実関係の理解の為には被告の持つビデオの方が適していると考えます。しかし、このビデオも事実関係を理解する為の証拠能力は十分あると考えます。また、私はこれまでビデオを編集する機材、知識を有していませんでしたが、この度それらを得たため、提出するに至りました。

 このビデオにより証明できることは後ほど改めて書面により主張します。

 このビデオで分かるとおり、被告の株主総会の運営は株主の権利を著しく制限したものであります。被告は私や私の支援者が暴言を吐き理不尽な行為を繰り返して株主総会を混乱させているかのような主張をしていますが、支援者の発言は株主として適切なものであり、かつ理路整然としており、被告の議事運営こそが、株主の発言を遮り、答弁を理由も述べず拒否し、追求されると暴力を行使して株主を排除するものであることが分かって頂けると思います。

 私は去る4月19日朝、被告会社門前においてオートバイで右折のため停車中、乗用車に追突され、地面にたたきつけられ、鎖骨を複雑骨折しました。現在左腕から肩、胸をギブスで固定されています。

 2002年の総会の際、私は肩を負傷していたので医師の診断書を持参して、それを示して暴力を振るわないよう求めましたが無視され、暴力を振るわれ負傷が悪化しました。

 今年も被告株主総会が6月末に開かれると思います。2004年は本件裁判が係争中であるにもかかわらず被告は暴力を行使しました。今年、2002年の時以上に深刻な負傷をしている私に対しても、被告は情け容赦ない、このビデオのような暴力を振るう可能性が高く、非常に危険であると懸念しています。

第3 裁判に望む姿勢。

 私はこれまで極力証拠と根拠を示して事実の立証に努めてきました。それに対し被告の主張は根拠のないものです。裁判所にはどちらが正当な主張か見極めて頂きたいと思います。

 また被告は裁判所から本件の和解提案を受け入れながら、和解案が裁判所から示される、まさにその日に、私に対する仮処分訴えを起こしました。 このような行為は、裁判所の意志を踏みにじるものです。

 私が23年間、毎月29日に行って来た座り込みの際、被告敷地に立ち入るなという訴えは、23年間も放置しておきながら、まさに和解にあわせて訴えを起こすという、裁判制度をもてあそぶものと言わざるを得ません。

 この仮処分の決定は、この被告の不当なもくろみを一定程度認め、私の運動が人権侵害を改めさせることを目的とした運動であることを認めながらも、敷地が被告のものであるという理由のみで立入を禁止する内容でありました。

 私はこの決定に対し異議の申立をしています。

 私のような無力な市民には、企業や、国家権力の理不尽と闘うには、広く社会に事実を知らしめ、世論の高まりを期待するしか方法がありません。そこで私はインターネットを通じ、被告会社の人権侵害の事実、本裁判の全ての資料、今回提出したビデオも公開しています。

 近年、裁判官の中には、自らの保身の為、権力に阿る判決を書く裁判官が多いという指摘があり、残念ながら私もそう実感しております。

 本件裁判官はその様な裁判官ではなく、信念を持って正義を遂行する裁判官であると信じ、国民の審判に耐えうる訴訟指揮、判決をお願い致す次第です。

 以上