裁判官忌避裁判 記録


最高裁判決

事件の表示 平成18年(ク)第97号

裁判長裁判官 甲斐中 辰夫

裁判官  横尾 和子
      泉   徳治
      島田 仁郎
      才口 千晴


第1 主文


1 本件抗告を棄却する。
2 抗告費用は抗告人の負担とする。

第2 理由

 民事事件について特別抗告が許されるのは、民訴法336条1項所定の場合に限られるところ、本件抗告の理由は、違憲をいうが、その実質は原決定の単なる法令違反を主張するものであって、同項に規定する事由に該当しない。

平成18年2月20日

  最高裁第1小法廷


平成17年(ラ)第1913号裁判官忌避申立却下決定に対する抗告事件

特別抗告の理由

  2005年 12月20日

最高裁判所
              御中

     193-0942東京都八王子市椚田町1214.1.707
                特別抗告人 田中哲朗

 抗告人の、裁判官加藤美枝子に対する忌避申立について、東京高等裁判所が平成17年12月15日付でなした却下決定は不服であるから、 原決定を破棄し,更に相当の裁判を求める。

                      
理由

1、 原決定は憲法32条に違反しているので特別抗告する。

2, 抗告人は、高裁に置ける決定の不備を指摘したのに、原棄却決定は、「その理由は原決定が説示するとおりである。」とするのみで、説明すべき事を説明していない。これは憲法32条に違反することは明確である。

3, 近年、裁判員制度が導入されようとしているときに、国民に対する説明責任を全く放棄したこのような決定は憲法に違反し、国民を愚弄するもと言わざるを得ない。

4,よって 原決定を破棄し,更に相当の裁判を求める次第である。

以上


平成17年(ラ)第1913号裁判官忌避申立却下決定に対する抗告事件

高裁決定

主文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理由

1 抗告人は原決定の取り消しを求め、その理由は別紙記載のとおりである。(「別紙」には抗告申立の文章がそのまま記載されているだけ)

2 当裁判所も、本件忌避申立は理由がないので棄却すべきものと判断するが、その理由は原判決が説示するとおりである。

よって、本件抗告は理由がないので棄却することとし、主文のとおり決定する。

平成17年12月15日

東京高等裁判所第10民事部

 裁判長裁判官 大内 俊身

 裁判官 江口 とし子

 裁判官 大野 和明


平成17年(モ)第1957号 裁判官忌避申立事件

即  時  抗  告  申  立  書

                   2005年11月28日

東 京 高 等 裁 判 所
 民    事    部 
              御 中

 申立人の、裁判官加藤美枝子に対する忌避申立について、東京地方裁判所八王子支部が平成17年11月21日付でなした却下決定は不服であるから、これに対して即時抗告を申立てる。

東京都八王子市椚田町1214.1.707
           電話  0426(64)5602

                 申立人 田 中 哲 朗
     
              
第1 原決定の表示

 本件申立を却下する。

第2 抗告の趣旨

1、 原決定を取消す。

2、申立人の裁判官加藤美枝子に対する忌避申立を理由あるものと認める。

 との決定を求める。

第3 抗告の理由

1,原決定では、その理由として民事訴訟法23条の「裁判官の除斥」と同様の人的・物的関係のことしか実質的に述べていない。同24条は「裁判官について裁判の公平を妨げる事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することが出来る。」としているので、申立人はその事情を主張したのに、現決定は「その他、同裁判官に裁判の公平を妨げるべき事情は認められない。」とするのみで、この点について全くその理由を述べていない。この決定は、「裁判官の忌避」について「裁判官の除斥」とは別個に定めた同24条の存在自体を無視した違法なものである。

2, 本件裁判の争点は、当該株主総会が適法に執り行われたかどうかという点であり、その観点から、総会議長の証人篠塚勝正が、被告社員である証人毛利部信幸や、株主総会警備員である証人澤井重徳と比較して圧倒的に重要であるのに、それを認めない訴訟指揮がされていることは申立書で述べたとおりである。さらに、被告社員である証人毛利部信幸と、株主総会警備員である証人澤井重徳とは、証言できる内容が大部分重複することが容易に予測できるから、仮に、会社側の証人を2人に制限するなら、証言内容が重複しないと予測される上記2人の証人のいずれかと、株主総会議長の証人篠塚勝正にすべきである。にもかかわらず、上記2人の証人を認め、議長の証人を認めないのは不適法と言わざるを得ない。これらは「公正を妨げる事情」であることは疑いがない。
   裁判所が、これらを「公正を妨げる事情」ではないと判断するのであれば、その理由を示すべきである。

3, 裁判所には当事者と裁判官の間に利害関係がある場合しか忌避(除斥)を認めない考え方があると推測されるが、公平であるべき裁判官が「除斥」と同様な立場において(人間が持つ欠点ゆえに)公平で無い判断を下す恐れがあると考えるのであれば、その裁判官の思想、信条、などの内面を理由としても、それは起こりうると考えるべきである。
  本件の如く、採用すべき証人を採用せず、採用する必要の乏しい証人を重複して採用し、さらにビデオテープという客観性の高い証拠を積極的に見ようとしないなど、著しく社会通念から逸脱した訴訟指揮が行われる場合、この裁判官は公平な裁判をしようとはしていないと考え、それを忌避することが認められなければ、24条は無意味なものになると言わざるを得ない。

4, よって、抗告人は、前記第2の抗告の趣旨記載の通りの裁判を求め、本即時抗告をする次第である。

  
以上


八王子地裁判決

主文

本件申立を却下する。

理由

2 裁判官の忌避の申立が認められるために必要な「裁判の公正を妨げるべき事情」とは、裁判官と具体的事件との間に客観的に公平な裁判を期待し得ないような人的、物的に特殊な関係がある場合をいい、単に裁判官の訴訟指揮の行使が忌避申立人にとって不利であることだけでは忌避の理由にならないと解されるところ、申立人が主張する上記忌避理由は、基本事件の担当裁判官の訴訟指揮の行使を非難するものに過ぎないから、忌避の申立が認められるために必要な事情について主張するものということはできない。

 そして、その他、同裁判官に裁判の公平を妨げるべき事情は認められない。

3、よって、本件申立は理由がないからこれを却下することとし、主文のとおり決定する。

平成17年11月21 日

裁判長裁判官   渡邉 左千夫


平成15年(ワ)第2804号 損 害 賠 償 等 請 求 事 件  原 告  田  中 哲  朗    被 告  沖電気工業株式会社

裁 判 官 忌 避 申 立 書

2005年11月16日

東京地方裁判所八王子支部 民 事 第 3 部 1A 係 御中

原 告  田  中  哲  朗

申  立  の  趣  旨

裁判官 加藤美枝子に対する忌避は理由のあるものと認める

  との裁判を求める。

申  立  の  理  由

1 本申立に係る裁判官 加藤美枝子は、本事件が係属するところの、 東京地方裁判所八王子支部の民事第3部を構成する裁判官である。

2 申立の理由

(1)裁判の公正を妨げるべき事情(その1)

 本事件における最大の争点が、当該株主総会が適法に執り行われたかどうかという点であることは、原告及び被告の主張を見れば明らかである。したがって、証人採用もかかる観点から行われるのが、本事件の審理を尽くすためには当然である。

 当該株主総会への関与という観点から見れば、株主総会議長の証人篠塚勝正が、被告社員である証人毛利部信幸や、株主総会警備員である証人澤井重徳と比較して圧倒的に重要であることは明らかである。株主総会においては議長が全ての議事を執り行う責任と権限があるからである。

 当該株主総会における暴力排除の外形的事実はビデオ等の他の証拠を見れば明らかであり、このような外形的事実を証言するに止まることが容易に推測される被告社員である証人毛利部信幸や、株主総会警備員である証人澤井重徳の証人としての重要度は、株主総会議長の証人篠塚勝正に比べて相対的に極めて低いものである。

 一方、社会的な地位や多忙さという観点からすれば、証人として支障が少ないのは、被告社員である証人毛利部信幸や、株主総会警備員である証人澤井重徳であり、株主総会議長の証人篠塚勝正でないことも確かである。

 原告は、迅速に審理を行うために証人の人数に一定の制限が加えられることを否定するものではない。しかし、人数に制限が加えられるのであれば、その証人採用は、審理を尽くすために重要な順番で採用されるべきであって、それが公正かつ迅速に民事訴訟を行うという民事訴訟法第2条の趣旨に合致するものである。仮に、社会的な地位や多忙さという観点から採用するのであれば、民事訴訟法第2条の趣旨に著しく反するものである。

 しかるに、本裁判官は、本事件の被告側証人として、原告が申請した株主総会議長の証人篠塚勝正の証人申請を却下し、被告が申請した被告社員である証人毛利部信幸、株主総会警備員である証人澤井重徳を採用した。

 このような、本裁判官の訴訟指揮は、民事訴訟を公正かつ迅速に行うことを定めた民事訴訟法2条に違反するものであり、ひいては、憲法32条にも触れる違法の訴訟行為である。

(2)裁判の公正を妨げるべき事情(その2)

 本裁判官は、原告が申請した証人、上田恵弘、松野哲二の採用を却下した。最終的には上田恵弘を採用したものの、証言の内容を「本件総会からの排除の関係」に限定した。

 継続して、被告株主総会に出席し、自らも不当に退場させられた経験を持つこれら証人を採用し証言させることに消極的であることは、被告会社が本件はもとより、違法な株主総会の議事運営を、長年に亘って行っているという、本件の本質を見ようとしていないことを示すものである。

(3)裁判の公正を妨げるべき事情(その3)

 また、本裁判官は、客観的に事実を示す原告が提出した証拠である、ビデオテープを積極的に見ようとしていない。暴力排除の外形的事実をより正確に確認するためには、被告に有利な証言をするであろう事が容易に予測される被告証人だけではなく、ビデオテープによってそれらを検証すべきであることは論を待たない。

2 このような本裁判官の訴訟指揮からは、

@ 本件株主総会において、議長(社長)が「意図的に株主総会集中日に株主総会を開いているのではない」などという虚偽の答弁を行ったこと。

A 被告はその職場における人権侵害を始め、贈賄、談合なのど違法行為を続け、原告を始めとする株主がこれらを総会において指摘すると、答弁を拒否し、或いは虚偽の答弁を行い、追求されると暴力により株主を排除してきたこと。

B 本裁判官はこれら看過してはならない極めて重要な事実から目をそらし、単に、「原告は議長から退場命令が出されたのに退場しなかった」「議長の議事運営権によりこの行為は適法である」と判断をしようしていると強く推測される、極めて違法な訴訟指揮をしているものであると考えざるを得ない。

3 以上のとおりであるので、本裁判官への忌避が認められるべきである。

以 上