平成17年(ネ)第2257号
原 告 田 中 哲 朗
被 告 東 京 都
2005年5月25日
第1 原判決における事実認定
1,始めに
(1)そもそも本裁判は、被告警察が株主総会において、沖電気、企業に偏った姿勢を取っている為、企業が正当な発言を行っている株主を発言を封じるために物理的強制力で排除することを、間接的に擁護し、抵抗すれば、暴力行為をでっち上げられ、逮捕されるのではないかという恐怖心を株主が持つ事態になっていることが違法であるとする事案である。
(2)しかるに、原判決は意図的にこの原告の主張、立証から一切目をそらし、判断を放棄し、事件を矮小化しその結果、判断を誤ったものであるから、違法なものとして破棄されるべきである。
(3) 原判決の重大な誤りは、本件は被告警察、公安委員会の組織としての事案であるにも関わらず、警察官の個人的な不手際に因る問題の如く事件を矮小化して認定したことである。
(4) 後にも述べるが、例えば、新山警部補がなぜ「事実と異なる回答をした」のか、その理由の判断を回避している。
(5) 三田警察署長宛の抗議の書面が放置され続け、事実の訂正も謝罪もなかった事実についても、その理由の認定すらない。
(6)また、東京都公安員会が新山警部補が「意図的に事実と異なった回答をした」ことを指して、「適切な説明であった」とした、極めて重大な事実については、その事が公安委員会を提訴した理由であるのに、「裁判所の判断」においてその事実に触れてすらいない。
(7)本裁判に至っては、被告は株主総会の状況の主張において、あたかも沖電気の代理をしているかのような、それも虚偽の主張を交えて、原告に敵対する主張をし、原告はそれが虚偽であることを立証したのに、その事実についても認定していない。
(8) これら警察の企業に偏った姿勢は、後に触れるように、「特暴連」の実態に代表されるごとく、警察が企業から利益供与を受け、天下り先としている、関係において、株主総会においては、それが短時間に終了することに協力し、企業を批判する質問を行う株主を排除することに協力していることから発生しているのである。
(9)この事実はすでに広くマスコミによっても報道され社会に知られるところとなり、被告はかえって頑なな態度を取っているのである。
(10)これらの本件の本質から意図的に目をそらした原判決によって、被告の違法行為がまかり通れば、いつか正当な質問をし、違法な議事運営を非難しただけの株主が暴力行為をでっち上げられ、被告により逮捕されることが起きかねないのである。
(11)従ってこれらの認定を放棄した原判決は誤りであり、違法なものとして破棄されるべきである。
2,原判決の認定した事実。
(1)原判決は
@ 新山警部補の対応は曖昧なものであった。
A 全く調査をせずに回答を行ったと推認される。
B 意図的に事実と異なった回答をしたと推認される。と認定している。
(2)警察官である新山警部補が警察署長宛の抗議文書をもって指摘されていることに対し、この様な対応を取ったことは違法であることは間違いがない。
3,事実認定の誤り
(1)しかし、なぜ新山警部補がそのような行動を取ったのか、その理由に全く触れていないのである。言うまでもなく、警察官たる新山警部補が、理由もなくこのような対応を取るはずはなく、その認定を怠った原判決は極めて不当なものであり、その結果、判断を誤ったものであるから、違法なものとして破棄されるべきである。
(2) 新山警部補のこのような対応は、原告が立証してきたように警察が株主総会において組織として企業に偏った姿勢を取っており、新山警部補はそれが不公平なものであることを認識し、後ろめたさを感じていたからこのような態度をとった、という理由のみによって説明が付くのである。
(3)また原判決は、原告が指摘した警察の組織としての関わりについても触れていない。すなわち準備書面原告(5)第4 1において新山警部補個人ではなく、警察が組織として関わっている事実を以下のように立証した。
@ 新山係長が「事件現場に警察官はいなかった」と嘘で言い逃れをしようとした。
A 警察署長に提出したこの嘘を指摘した申入書が無視され続けた。
B 公安委員会に申立をした後も、三田警察所からは謝罪はおろか、事実関係の訂正すらなかった。
C 公安委員会はこの「意図的に事実と異なった回答をした」ことを妥当な説明とした。
D 本件提訴に及んでも被告は原告に悪意を持ち。企業に味方する、しかも虚偽の主張を続けている。
E 被告証人の証言は当然知っていることを知らないとするなど、嘘を交えた原告に敵対するもので、この被告の姿勢を裏付けるものであった。
(4)そもそも新山警部補の「意図的に事実と異なる回答をした」事実について、文書を持って申し入れをされたのに10ヶ月に亘って放置し、弁護士名によって抗議を受けるに至り「早がってん」であると主張したのは三田警察署長である。このこと一つをとっても、この件が新山警部補の個人的な不手際であろうはずがないことは明白である。
(5)原判決は
@ 警察官が制止措置を取らなかった理由は何かという点について情報を得ていること
A 新山警部補の行為自体,害悪を告知したり,名誉感情を害するような言葉を発するなど,原告の権利を殊更に侵害するような態様ではないこと,
B 情報開示が遅れることによって経済的損害が発生するような類の情報ではないこと
C 等に鑑みると,東京都公安委員会がなした苦情処理結果通知書によって既に損害はないと認めるのが相当である。
(6)と判断を示している。しかし、この判断は本裁判の趣旨からしても明らかに的はずれも甚だしく、誤りである。
(7)すなわち、そもそも、
@ 原告が三田警察署に「申し入書」において抗議した趣旨も
A 公安委員会への苦情申立の趣旨も
B 本訴訟の趣旨も
一貫しており、単に
@ 「警察官が制止措置を取らなかった理由は何か」に「言い訳」の「情報を得る」ためでも
A 「新山警部補の行為自体,」が「害悪を告知した」からでも
B 「経済的損害が発生」
したからでもない。(8) 「公平中立であるべき株主総会に臨席した警察官が会社に偏った対応を取った。これは私のみではなく株主総会に出席した一般株主に警察官の存在が畏怖の念を起こさせるものである。」からであることは、繰り返し原告が主張し立証した。
(9)原判決はこれらを一切無視したものであり、その結果、判断を誤ったものであるから、違法なものとして破棄されるべきである。
4、判断の放棄(事実認定)
(1)被告は原告が株主総会を混乱させており、退場命令を受けてもやむを得ないかのような態度であったかのような主張を行ってきた。
(2)しかし、原告の質問は株主として当然のものであり、その当然の質問を続けているだけの原告に答えない理由も述べずに退場命令を出し、しかも物理的強制力で排除することなど、法的にも、一般常識に置いても許されるはずがないことを主張立証してきた。
(3)しかるに、原判決はこれら立証されたことを無視し、その内容を検討することもせず、単に「本件総会の議長である篠塚社長から退場命令を受けたにもかかわらずこれに従わなかった」とあたかも原告の行動のほうが不当なものであったかのような認定をしているのである。
(4)明らかに嘘と分かる議長の答弁に納得がいかず、「採決を取って欲しい」という質問を続けていただけの原告に、理由の説明すらせず、物理的な強制力で退場させたことこそが違法であるという、極めて重大な原告の主張への判断を原判決は回避したものであり、その結果、判断を誤ったものであるから、違法なものとして破棄されるべきである。
(5)準備書面(5)において指摘した、以下の被告証人の証言はまさに、被告警察が、企業に偏った姿勢で株主総会に臨んでいることを現していると立証したのに、原判決はその判断を怠り、その結果、判断を誤ったものであるから、違法なものとして破棄されるべきである。
@ 株主総会において警察官がどういう場合に警察措置をとるかを定めたマニュアルや文書のようなものは存在しない。
A 総会に臨席する警察官は商法、株主の法的権利についての教育を受けていない。
B 警察は議長が退場命令を出した場合には,その経過いかんにかかわらず,それは有効であると判断する。
C 警察官が私服で臨席することは規則で決まっていることではない。
D 会社側はだれが警察官か分かっている。
E 株主に誰が警察官か名乗るように言われても名乗らない。
F 名乗らないことに理由はない。
G それを不公平とは思わない。(6)また、以下の証言は虚偽でしかあり得ないことも立証したのに、原判決はその判断を放棄し、その結果、判断を誤ったものであるから、違法なものとして破棄されるべきである。
@ 社長の「株主総会集中日に総会を開くのは偶然である」という答弁を記憶していない。
A 株主総会において多くの会社が「与党株主」を準備する事実も、その噂すらも聞いたことがない。
5、 沖電気の談合行為の放置について
(1) 原告は沖電気の贈賄事件及びその供述調書により発覚した沖電気の談合行為について、準備書面(2)において指摘を行った。
(2)本来刑事犯罪の告発は国民の義務ではなく、警察は犯罪の事実を知れば進んで捜査を行わなければならない。しかるに、原告が犯罪の事実を知らしめたのに関わらず被告はそれを放置し続けた。
(3)原告は2004年9月24日、警視庁に対し、この件の告発状(甲37号証の1)を、及び証拠書類(甲37号証の2)を提出した。
(4)しかし、警視庁は長期間これを放置したあげく、時効を理由に起訴しない旨原告に伝えてきた。
(5)湯布院町における防災無線工事に関する談合行為は時効であるにせよ、贈賄の容疑者、関係者は談合を長年に亘り続けてきたと自白しているのであるから、調査し、現在も続いていると考えられるこの犯罪行為を止めさせる責任が被告警察にあることは論を待たない。
(6)そもそも、大分県警が自白により談合行為を知った時点は時効の成立以前であったのであるにもかかわらず、これを放置したのである。
(7)沖電気の談合は湯布院町監査委員会においてその事実が確認され、住民から損害賠償請求訴訟の申立が起こされている。
(8)かかる時点においても、なおこれを放置することは、大分県警は被告の管轄ではない、などという説明では国民が納得するはずもない。
(9)沖電気と警察の間に何らかの癒着が存在するとしか考えられないのであり、これは重大な違法行為、犯罪行為であることは論を待たない。
(10)原判決はこの指摘に対しても全く触れておらず、その結果、判断を誤ったものであるから、違法なものとして破棄されるべきである。
6,判断の放棄(被告の主張)
(1)原告は以下の原判決に示された被告の主張については虚偽、若しくは理由がないことを主張立証したのに、原判決はそれらを示すのみで、それらが事実であるか否かの判断を放棄している。
(2)以下その例を挙げる。
@ 原告と原告に同調する者が議長に対し,沖電気に差別問題があるなどと一方的に捲し立てたことから,定刻に開会されなかった。
A 原告は,口頭質問の順番が回ってきたが,目的事項に沿わない発言を繰り返し,
B おもむろに診断書を取り出して
C 原告の腕に手を添えたり,原告の背中に手を当てるなどして
D そのうち,警備員に促されるようにその場から歩み始めた。
E 新山警部補が原告と面会した際,曖昧な対応でごまかそうとしたとの点は否認する。
F 新山警部補が自らの回答に固執した事実はない。G 「申し入れ書」の内容が一方的に原告の言い分を述べたものであり。
(3)これら全て、虚偽、乃至事実と異なる主張であることは立証した。被告がこのような虚偽の主張をすること自体、被告警察が、沖電気、企業に偏り、原告に敵対していることを示しているのである。
(4)原判決は、公務員たる被告が裁判の場において、このような不当な主張をしたことを放置しており、これは原判決、および訴訟指揮が被告に偏ったものであることを裏付けているのである。
(5)言い換えるならば、被告の虚偽の主張を放置した原判決は、裁判において当事者が正直であることを全く求めていない。これは裁判制度の原点に背くものと言わざるを得ない。
(6)それぞれ、これらの被告の主張が虚偽であることについては準備書面で証拠を示して立証した。
(7)しかし原判決は、重要なこれらの事実関係を判断することを放棄したのである。その結果、判断を誤ったものであるから、違法なものとして破棄されるべきである。
(8)これらの被告の虚偽の主張は、被告が組織として、沖電気、企業に偏った姿勢を持ち、原告に敵対していること、すなわち、新山警部補の個人的な不手際の事案ではないことを裏付けているのである。
第2 原判決の法解釈の誤り
1、原判決は警察法78条2による公安委員会の職務の判断を誤っている。
(1)原判決は「都道府県公安委員会は個々の都道府県警察の具体的な警察権の発動には及ばず,運営の基本方針を定めこれにより事前事後の監督を行うものにすぎないという」と被告の主張にそった解釈をしている。
(2)しかし、警察法78条2による苦情の申し出制度は、個々の警察官の職務について、苦情を受け付けているのであり(運営の基本方針)の苦情を受け付けているのではないことは疑う余地もないのである。
(3) 本件は、警察官個人の不手際の問題ではないが、たとえ、そうであったとしても、公安委員会は苦情の申し出を受けた、個々の警察官の職務に責任を持たなければなければならないのである。
(4) 現に被告公安委員会は、原告の苦情申し出の趣旨に全く答えていない、極めて不完全なものではあるが、調査結果を通知したのである。その内容が「意図的に事実と異なった回答をした」ことをさして「適切だった」としたことが違法なのである。従って原判決は判断を誤ったものであるから、違法なものとして破棄されるべきである。
第3 訴訟指揮の不当性
1,一審において裁判官は以下の不当な訴訟指揮を行った。
(1)被告証人に対し「警視庁管内特殊暴力防止対策連合会」について証言を求めようとした際、それを遮った。
(2)「警視庁管内特殊暴力防止対策連合会」についてのマスコミの記事に関し、書面で主張を行うことを拒んだ。
2,しかるに、原告が主張した「警視庁管内特殊暴力防止対策連合会」について原判決では一切触れていない。
3,このことは裁判官は本件を意図的に警察官個人の不手際による事案としてしか処理しない考えを持ち、被告の組織的な違法行為であることを裏付けるこれらの証言や証拠を採用を拒んだとしか考えられないのである。
第4,甲第36号証について。
1,本証拠は、一審において書面による証拠の説明を行おうとしたが認められなかったので、改めて行う。
(1)これらの記事は原告が準備書面5で主張した、「特殊暴力防止対策連合会」の実状、警察OBの企業への天下り、すなわり警察と企業の癒着を裏付ける資料である。
(2)これらの記事はことごとく被告警察が企業から利益供与を受け、企業に偏った不公平な姿勢で株主総会に対応していると批判をしているのであり、これほど多くのマスコミから批判されていることを被告が認識していないはずはなく、本件に関しても、被告の頑なな対応は、その後ろめたさが背景にあることは疑いがないのである。
(3)社会的にも周知の事実が背景にあることから意図的に目をそらし、本件が警察官個人の問題として矮小化した判断をした原判決はあやまりなのである。
(4)なお、甲第36号証の10,11は企業が株主総会に社員株主を動員することは周知の事実であり、被告証人が「その噂すら聞いたことがない」と証言したことは虚偽であることを裏付けるものである。
2,以下、各証拠の中で原告の主張を裏付けている部分を抜き書きする。
(1)甲第36号証の1 (週間朝日2000年4月28日号)
@ 特殊暴力防止対策連合会は(以下特暴連と記す)総会屋などによる企業の暴力を排除するために出来た団体である。
A 会員企業は2100社以上にのぼる。
B 年会費上場企業は1998年に6万円から9万円に値上げになった。
C この値上げには「総会屋が減って特暴連の意義も薄れているのに値上げの必要はない。天下りの為の値上げだ」という批判があった。(2)甲第36号証の2(実業界1995年5月号)
@ 1995年3月、特暴連が主催する「特殊暴力排除決起集会」が行われた。
A 特暴連は会員企業に「研修会のご案内」 という文書を送付し、その文書には「模擬株主総会ー社長の議事運営について」というプログラムへの参加が呼びかけられていた。
B この記事を書いた記者は特暴連が、役所とも民間団体とも判別できない組織であり、それが多くの企業多くの人間を巻き込んでいることに「得たいのしれない大きな力」が作用していると感じている。
(3)甲第36号証の3(実業界2000年8月号)@ 企業は(株主総会に)警察に来てもらうような危ない事態ではないのに臨場要請書を出している。
A 臨場した警察官には食事やビール券の配布で「気を使う」
B 来られると迷惑だが臨場要請を拒否すると後々、企業内部をつつかれるおそれがあり面倒である。
C 総会屋の中で発言などを活発に行っているのは2人弱だが警察は400人が活動していると発表している。
D これは警察が予算を取るためであり、事件捜査より利権確保に走る警察の体質がかいま見えるようである。
E 1999年都内だけで3600人以上の警察官が株主総会に動員された。
F これは世界のVIPが集まった沖縄サミットの警官動員数より多い。
G まっとうな捜査にではなく、警察の利権確保の為に国民の税金が使われていることは腹立たしい。(4)甲第36号証の4(THEMIS 2000年6月号)
@ 特暴連は公には社団法人であるが実質は警視庁の部署の一つである。
A 加盟企業は2200社程度だが警視庁に勧められやむを得ず入ったところが大半である。
(5)甲第36号証の5(夕刊フジ 2000年6月7日)@ 平成7年版警視庁のOB名簿によると、警視庁OBが多彩な企業に大量に天下っている。
A このOB達の配属先は概ね総務部である。
B 企業側がOBに求めることは、暴力団や総会屋に対応してもらうことである。
C 商法改正で総会屋は激減し、現在その「実働部隊」は30人たらずである。
D しかし警視庁は10000人態勢で株主総会集中日の警備にあたる。(6)甲第36号証の6(東京新聞 2004年3月2日)
@ 警視庁の発表では2002年末の総会屋数は全国で420人である。
A しかし評論家の猪野健治氏によるとその数は「全国で50人いるかどうか」である。
B それにも関わらず「総会屋事件」の摘発は後を絶たず、総会屋の脅威は声高に語られる。
C 作家の宮崎学氏によると利益供与事件がなくなると困るのは、大手企業に特殊暴力防止対策と称して天下りを送り続けている警察である。
D 総会屋脅威論を振りまくのは警察の利益の為である。
E 企業を揺する者を取り締まるなら恐喝罪の方が刑事罰がはるかに重い。それにも関わらず商法違反を使う理由は、企業側も罰せられるため、企業側に圧力をかけ、再就職先という権益を維持しようとしているのである。
F 警察の総会屋対策の強調により一般株主に対する発言封じが懸念されている。
G 現に総会屋名簿に消費者運動家など株主総会で発言する株主の名前が記載されるということが起きている。(7)甲第36号証の7(THEMIS 2000年6月号)
@ 1999年設立された「日本リスクコントロール社」という企業の会長、社長、は警察OBが勤めている。
A 事業内容は企業の暴力団、総会屋対策などのコンサルティングである。
B 本来なら警察が果たすべき「防犯」の仕事を「商売」として営業することに注目が集まっている。
C この企業を警察が企業に紹介し、活用するよう推薦することで商売が成り立つと考えられている。
D この企業は暴力団や総会屋に狙われる企業にマネージメントやコンサルティングを提供し、直接的な警備活動も行う。
E これまで暴力団や総会屋の犯罪を防ぐために警察の外郭団体などいくつもの組織が作られた。
F それらは警察官僚の天下り先になっている。
G 特殊暴力防止対策連合会(特暴連)は警視庁に事務局を置く、企業の総会屋対策を支援する組織である。
H この組織は大手企業会員に高額の会費を徴収している。
I 警察が暴力団や総会屋に対応することを「日本リスクコントロール社」のような民間に任せるのなら(特暴連のような)外郭団体は解散させるべきという声がある。
(8)甲第36号証の8(NIKKEI BUSINESS 2000年11月 13日号)
@ 民間企業に移った警察OBの例
最終官職 現職 氏名
警視庁警視総監 コナミ社外監査役 今泉正隆警視庁福生警察署署長 リキッドオーディオジャパン 岩崎光任
群馬県警本部長 松下電器産業取締役 上野治男内閣情報調査室長 NEC常務 大森義夫
四国管区警察局長 ダイエー常務 小山田潔北海道警本部長 サッポロビール監査役 黒瀬義孝
警察庁刑事局長 クボタ社外監査役 小林朴関東管区警察局長 神戸製鋼所常勤監査役 関根廣文
警視庁副総監 西日本旅客鉄道常勤監査役 滝藤浩二警察庁情報通信局長 松下通信工業常務 丹下正彦
警察庁生活安全局長 東海旅客鉄道常勤監査役 中田恒夫(9)甲第36号証の9(中央ジャーナル 2000年4月25日)
@ 「日本リスクコントロール」社はそのメンバー、業務内容から警察の天下り先で、補完関係にあると言っていい。
A 警察当局が各企業の総務を集め総会屋を締め出すよう指導した際「日本リスクコントロール」社を紹介した。
B これでは警察が同社のPRをしているようなものである。
C 同社の代表取締役会長、保良光彦氏は中国管区警察局長を最後に退官した警察OBである。
D 同社の代表取締役社長、寺尾文孝氏も警察OBである。
E 警察当局は企業に対し総会屋締め出しを指導する過程で、情報誌、紙ばかりか全国紙、一般雑誌まで購入打ち切りを指導した。
F 警察当局は企業に対し、株主総会での警察への臨場要請を指導してきた。
G 本誌(中央ジャーナル)はこれら一連の動きをとらえ「警察ファッショ」として批判してきた。
H 「日本リスクコントロール」社のケースは警察が総会屋に取って代わろうとしていることを示している。
(10)甲第36号証の10(NIKKEI BUSINESS 1998年6月1日)
@ 大阪地裁は住友商事の総会議決取り消し訴訟の中で以下の判断を示した。
A 会社が従業員株主の協力を得て一方的に議事を進行させ、これにより株主の質問の機会がまったく奪われてしまうような場合には、決議方法が著しく不公正であるという場合もあり得る。
B 社員株主が会場の前列に着席して「賛成」「異議なし」「了解」と声を上げて議事を進行したことは「いささか疑問のあるところ」である。
C この記事の著者中島茂弁護士はこの判決の「教訓」を以下のように示した。
D 会社は株主に質問を促した後はきちんと質問を受け付けなければならない。
E 質問をしている株主に社員株主が「いいかげんにしろ」などと妨害するのは禁物である。
F 議長は一括方式を採用したとしても各議案の採決段階でさらに質問が出たら受け付ける必要がある。
(11)甲第36号証の11(毎日新聞 1998年7月7朝刊)
@ 株主総会に大量の社員株主が動員されていることは株主総会を形がい化させる一因である。A ある統計によると54.1%の企業が30人以上の社員株主を動員しており、動員しない会社はまれである。
B 社員株主は社長が十分な説明を尽くさない答弁をしても一斉に「賛成」「了解」という声を上げる。
C 一般の株主はこれに圧倒され声も出なくなる。
D これではまともな質問と回答が初めから期待できない。
3,また沖電気の談合事件について被告が知りながら放置していることも準備書面(2)において指摘した。このことは被告と沖電気の癒着を裏付けるものであることは誰の目にも明白である。しかるに原判決はこのことにも一切触れていない。
今年、湯布院町監査委員会は、沖電気が談合を行っていることを認めた。
4,このように被告と企業が癒着していることが明らかであるにも関わらず、原判決は事実認定を怠り、その結果、判断を誤ったものであるから、違法なものとして破棄されるべきである。
第5 新たに提出した証拠について
1, 告訴状
(1)被告は沖電気の談合という犯罪を行っていることを知りながら放置している。
(2)告訴に対しても消極的な対応しかなかった。(3)このことは、被告が沖電気に対し、違法な偏った姿勢を持っていることを裏付けるものである。
2,2002年、2004年の株主総会のビデオテープについて。
(1)2002年の総会のテープについてはすでに甲号証として提出してあるが、今回、別の角度から撮影した同総会のビデオテープと、2004年の総会のビデオテープの提供があったので提出する。
(2)本テープについては後に詳細に主張を行うが、
@ 原告の発言が被告の主張とはことなり、いかに株主として正当なものであったか。
A 沖電気の議事運営が如何に株主の法的権利を踏みにじる理不尽なものであったか。
B 原告や他の株主に対して行った沖電気の物理的拘束力による強制退場が、いかにその理由において不当なものであり、その方法において暴力的なものであったか。
が立証される(3) とりわけ2004年における強制排除については被告が本件において主張しているような「背中に手をあて、腕に手を添えて誘導する」などといったなまやさしいものではなく、原告の両手両足を持って引きずり出すという過激なものであった。
(4) これまでの経過から被告警察はこの総会においても当然沖電気の要請により臨席していたと考えるのが自然である。
(5) 被告警察は総会に於ける警備員が株主を「背中に手をあて、腕に手を添えて誘導する」ではなく、両手両足を持って引きずり出す方法であっても看過するということであり、結果として、どのような暴力的な方法であっても看過すると言うことを裏付けているのである。
以上