原告準備書面(1)

まったく沖電気は人権侵害のデパートというか、書面を書いていると次々に材料が出てきます。

まだまだ材料はあります。

これで会社がどう反論できるのか楽しみです。

普通の人が見ればこれで負けるわけがないと思うとおもいますが、今の裁判所はなんでもありです。

「政治判断」をされる可能性は今のご時世では十分あると思います。

それでも闘う意義はあると思って闘います。

結語に書きましたように、将来、私が闘った意味が何かの形で誰かの役に立てばそれでいいと思います。

長いですが、読んで頂くと。楽しんでいただけるのではないかと思います。


平成15年(ワ)第2804号 損害賠償等請求事件
原 告  田 中 哲 朗
被 告  沖電気工業株式会社

原告準備書面(1)

2004年 3月19日

東京地方裁判所八王子支部 民事第3部1A係御中

原告訴訟代理人弁護士 大 口 昭 彦

      

一 答弁書による被告の主張

答弁書による被告の主張の中で反論を必要とするものをまとめると以下のようになる。

(一)原告への暴力排除について

1 被告は原告を「暴力的に」退場させたことはない。
 (被告答弁書:第2のUの3の(5)(6)(8)(10);第2のUの4の(2);等)

2 本事件総会において原告以外に退場させた株主はいない。
 (被告答弁書:第2のUの3の(9))


(二) 原告の株主総会での行動について

1 原告は、正当に解雇された者であるにもかかわらず、被告にプレッシャーを加えて原告が復職することを意図して、数名の株主らをそそのかしたうえ、その株主らと共に被告の定時株主総会に連続して毎回のように出席し、被告会社に人権監査室を新に設置して原告を人権監査室室長に採用せよ等事実上の復職を求める発言を毎回の総会において繰り返し発言させているだけに止まらず、総会の目的事項外の質問や意見表明を執拗に発言し、さらには総会議場内で激しいヤジや暴言を大声で連発する等しながら、時には総会議場内においてグループの株主らと離合集散を繰り返して、被告の定時総会の適正な進行を故意に妨書し、議場内の秩序及び運営を乱し続けている者である。
(被告答弁書:第2のTの1の(2);第3の3;等)

2 原告の主張する人権侵害は原告の思いこみである。あるいは「言い掛かり」である。
   (被告答弁書:第2のTの1の(3);第2のUの1のAB;等)

(三) 原告の抗議行動について。

1 原告は原告の解雇撤回等を目的として、現在に至るまで約22年間の長期間にわたり、毎月第三金曜白には決まって被告本社前に協力者数名と共に伸し掛けているだけでなく、殆ど毎朝被告の従業員らの出動時間を狙って被告八王子工場門前に押し掛け、何れも被告を誹誇中傷する発言等をスピーカーを使用して広く宣伝し、併せて誹譲中傷の記事を記載したビラ配り等を行っている。

2 原告が抗議行為と称する行為はむしろ被告を誹誇中傷する示威または情宣行為であり、その行為は業務妨害に該当する行為である。その示威行為等は既に22年間にも及んでおり、その被害は近時益々拡大しているので、被告としては損害額を算定し、損害賠償を請求することを検討しているところである。

(四)被告の株主総会運営について。

1 被告会社の株主総会議事運営は適法かつ合理的に行われている。


  (被告答弁書:第2のUの2の(2)全般)


2 被告は故意に株主にマイクを使わせなかったことはない。


(被告答弁書:第2のUの2の(2)のiv)


3 被告は株主総会の議決については議決に必要な株主の持ち株数を確認した上で可否の決定を行っている。

          
(被告答弁書:第2のUの2の(2)のvi)


4  一方的議事打ち切りをしたことはない。


(被告答弁書:第2のUの2の(2)のii)
5 人事問題は答弁を尽くした。
(被告答弁書:第2のUの2の(2)のi)
6 総会開催日の変更についての提案の上程は総会の目的事項からはずれる。
(被告答弁書:第2のUの3の(1))
7 総会の開催日を意図的に「集中日」にしているのでない。
(被告答弁書:第2のUの3の(3))

(五) 原告に対するビデオ閲覧拒否 株主名簿閲覧拒否、株主総会議事録コピー拒否   について。

1 ビデオ閲覧拒否をしていない。(被告答弁書:第2のUの2の(2)のvii) 

2 株主名簿閲覧拒否をしていない。(被告答弁書:第2のUの2の(2)のviii)

3 株主総会議事録のコピー拒否を(謄写を拒否)していない。


(被告答弁書:第2のUの2の(2)のixi)

(六)被告は不法行為を犯していない。

(七)求釈明

1  「原告と恵を同じくする株主(以下、「原告ら株主」という)」との部分は意味不明である。「志を同じくする」との意味、及び「原告ら株主」が原告の他にどの株主を指すのか具体的に特定するよう求める。

2 当該部分に「他社の総会に参加せざるを得ない者が被告会社の総会に参加することを困難にしてきた。」とあるが、具体的に何れの株主を指すのか。人物を特定して主張するよう求める。

3  原告は、被告がビデオの閲覧を拒否した旨主張するが、日時等全く不明なので、具体的に特定して主張するよう求める。

4 同Gについて
  原告は、被告が株主名簿の閲覧を拒否した旨主張するが、日時等全く不明なので、具体的に特定して主張するよう求める。

5 同「3 本件不法行為の事実」「(8)」について
  原告のこの点についての主張は、主張自体が疑わしいので、具体的な事実を摘示されたい。

6 同「被告の不法行為」の(1)について
  原告は、被告がいわゆる「総会屋」であるかのように公然と描き出し、社会的にそのように適することによって、原告ら株主の人格性・名誉を深く傷つけた、と主張するが、その主張する事実が如何なる事実であるか具体的に摘示されたい。


二 被告の主張に対する反論

(一)原告への暴力排除について。

1,被告は原告を「暴力的に」退場させたことはない。について。

 被告は議長が被告会社警備員に命じて原告を退場させたことを認めている。
しかしこれが暴力ではないと主張している。

甲一号証の写真に示すように、被告警備員は

@ 原告の意志に反して物理的力を加え続け、

A 原告の身体の自由を拘束し、(甲第1号証、録音の反訳 番号117)(同写真  2)

B 医師の診断書を示しながら怪我をしているから乱暴するなと訴える原告に、(甲
 第1号証、録音の反訳 番号117)(同写真5)

C 苦痛、及び傷害を与えている。(写真2,3)(甲 第1号証、録音の反訳 番号117)

 これらは「暴力」を構成するに十分な要因である。

 原告は同年11月まで甲3号証に示す整形外科医に通院を余儀なくされた。原告はすでに同医院に通院していたのであるから、本暴力行為がなかったとしても本総会後も一定期間は通院したであろうことは事実であるが、同医院の医師より治療の過程で決して患部に強い力を加えてはならない旨指導を受けていた。
   だからこそ、前年の株主総会で暴行を受けた原告は危険を予測し、医師の診断書を準備し、暴行をふるわないように求めたのである。
  原告は被告警備員により腕をねじり上げられた際、痛みにより一時左腕が動かせなくなった。(甲第1号証 録音の反訳 番号123〜128)

  本暴力行為が治療の期間を長引かせたと考えるのは当然である。
 

   憲法 第31条 法定手続きの保障
何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない。

   同 33条 逮捕に対する保障
何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且 つ理由となっている犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。
 (逮捕=人の身体に直接に力を加えてその行動の自由を奪うこと。広辞苑)

被告は 

商法237条の4B
議長は其の命に従わざる者其の他の総会の秩序を乱す者を退場せしむことを得。

を理由に株主の暴力排除を肯定しようとする。

この条文が株主としての発言をしているだけの株主を暴力を行使して排除する権限までも、「権限を有する司法官憲」でもない一企業の長である議長に認めたものとするならば、この条文は上記憲法に反することになる。

もし、このようなことが認められるならば、不正経理や、会社の不祥事など会社に都合の悪いことを、指摘、追求する株主を議長命により排除して良いことになり、株主総会のシステムが形骸化してしまうのである。

すなわち、商法237条は、議長に、正当な発言をしているだけの株主を暴力で排除する権限まで与えているのではないと解さなければならない。

あるいは、被告は原告が

   刑法第130条 住居侵入等
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

を犯していると主張するかも知れないが、被告から株主総会の招集通知を受け法的権利を行使するために総会の会場にいる株主がたとえ議長から退去命令を受けたからと言って「正当な理由がないのに、侵入した者」にはあたらないことは明白である。

この様に、被告は原告に対し、法律おいては、犯罪者が現に犯罪を犯しているときのみに処せられる処遇を、多くの株主すなわち公衆の面前で与えた。

またさらに良識を持った株主は、被告の不当性に怒りを持つものもあるであろうが、状況を理解していないものや、悪意を持つ社員株主よって「原告は株主総会で企業から金品をおどしとろうとする総会屋のごとく振る舞い、暴言をはいたからたたき出された」と宣伝される可能性は高い。

被告も主張するようにその場には警察官がいてそれを黙認していた事実もこの宣伝の材料として使われうる。

2、 本事件総会において原告以外に退場させた株主はいない。について。

 本件株主総会において被告により暴力排除を受け、上着を破られた上田恵弘さんが本件提訴の二日前、2003年11月18日に本八王子地方裁判所に被告を提訴している。被告がこのような主張をする理由が理解できない。

(二) 原告の株主総会での行動について。

1 被告は原告が、

@ 正当に解雇された者である
A 原告が復職することを意図して、復職を求める発言を毎回の総会において繰り返し発言している。
B 数名の株主らをそそのかしたうえ、原告の復職を求める発言を毎回の総会において繰り返し発言させている。
C 総会の目的事項外の質問や意見表明を執拗に発言している。
D 総会議場内で激しいヤジや暴言を大声で連発している。
E グループの株主らと離合集散を繰り返している。
F 定時総会の適正な進行を故意に妨害し、議場内の秩序及び運営を乱し続けている

との主張を再三にわたって行っており。本答弁書の主旨の大半はこの部分であると思われるほどである。

@ については、本裁判で争うものではない。

A 以降の被告の主張が現実と全くかけ離れたものであることを以下に示す。

 その前に、たとえこれらが事実であったとしても、本件のごとく、正当な発言をしている株主を暴力排除することが正当化されるものでは無いことを指摘しておく。

 被告はあたかも原告が株主総会を混乱させることにより企業から金品を脅し取ろうとする「総会屋」のごとく描き出し、そのような者に対しては暴力の行使も正当化される、との論理でしか自己の行為を正当化出来ないことを告白しているといわざるを得ない。
 
 甲1、甲8、甲9号証はそれぞれ2002年。1999年、1998年の被告株主総会会場における原告の発言の反訳である。

 @ このどれにおいても原告は復職を求める発言を行っていない。

 A このどれにおいても原告は暴言を行っていない。

   被告が暴言と主張することは、被告の答弁が答弁の体をなしていない時、または理不尽な議事運営に原告が抗議したことを指していると推測される。

   以下これらの書証を検証する

 (1) 甲9号証 1998年の総会

 被告が特に触れている1998年の総会において原告の発言は質問の体をなしていなかったと主張する。

 実際に原告の行った質問と議長の回答を甲9号証により列記するならば

1  一昨年までは社員株主が 「異議なし!」 などと叫ぶ威圧的な議事運営がなされてきた。昨年からそれがなくなったことは評価できる。
 しかし社員株主による「議事打ち切り動議」による議事終了は株主の権利を奪うものであり、好ましくないのでしないで欲しい。

澤村社長 回答なし。

2 今議長はマイクを使ってしゃべっている。私はマイクがないので声を張り上げている。株主の中には高齢者や病弱の人もいるかもしれないのだからマイクを用意して欲しいとこれまで要求してきた。なぜ用意できないのか。昨年も発言の最後に念を押した。今回は無いのか。

澤村社長 マイクの使用は認めていない。

3 今 日本の企業の中でリストラにともないいじめが起きていることがマスコミで報道されている。これらの人権侵害は社会全体にとっても悪い影響がある。また企業にとっても悪い影響がある。 企業の中のいじめの問題に社長は関心を持っているか。企業の中のいじめの存在を認識しているか。

澤村社長 私がこの総会で答える問題ではない。

4 沖電気の首切り合理化以降、争議の支援者に、仕事の取り上げ、賃金差別が続いている。これらを改めるべきだと私はこれまで指摘してきた。これについて調査したか。

澤村社長 沖電気の中にはいじめや差別がございませんから調査していません。

5 いじめの実例として1991年本庄工場の真喜志さんが仮処分の訴えを起こし、裁判所は差別を認める決定を出している。それを改めるように言っている。
 昨年から指摘している差別の具体例として、特許出願の資格である弁理士の資格を持つ者が20年間もまったく仕事が与えられていない。弁理士の資格を持つ者は沖電気全体でも一人か二人しかいない。特許が沖電気に取って非常に重要な仕事であることは疑う余地がない。この問題について昨年も指摘したが調査したか。

澤村社長 していない。

6 この45歳(弁理士)の賃金は基準内合計が25万ほど手取り18万。貯金もしてない。弁理士にこのような扱いをして、どうやって沖電気に優秀な人材を集めるのか。
 これは彼がインターネットで公開している自分に対する差別の実例の写真だ。(写真を示す)彼の机の上に段ボールが積み重ねてある。  

澤村 質問をまとめてもらえますか。

7  机の上に大きな段ボールが2個置かれ仕事に使える状況ではない。これらの荷物は私のものではないと書かれている。さらに一週間後には段ボールが3つ追加されていた。こういう状況が15年も続いていると書いてある。これは事実か。

澤村 個々の問題はわからない。

このように、原告はきわめて具体的に被告職場での差別の実態を指摘し、その回答を求めているのであるのに、 被告は。

1 私がこの総会で答える問題ではない。
2 沖電気の中にはいじめや差別がないから調査していない。
3 個々の問題はわからない。

 としか答えていない。被告は答弁書の中でこれをもって、「何れの質問に対しても被告は丁寧な回答を行ったものである。」と主張しているのである。

 原告は17回にわたって被告株主総会に出席し、職場の人権侵害の実態を指摘し答弁を求めてきたが、被告の回答は以下の3つに要約できる。

1, 被告職場には人権侵害が存在しない。(あるいは、あるはずがない)

2, 個々の問題には答えない。

3、 総会の議題ではないから答えない。(あるいは目的事項ではないから答えない)

 もちろん、1,については何の根拠も示したことはない。被告はこれをもって「被告は、その質問が人事または労務政策に亘るものについて答弁を尽くしてきているのであり」と主張するのである。

 また、被告はこの総会において、田中優紀株主の代理として出席していた松野株主が、「原告の歌」を会場を混乱させるために「暴挙に及」び流したかのように主張する。
 被告は株主が討議資料として印刷物を準備し、それを被告を含む総会出席者に配布することを申し入れても拒絶を繰り返してきた。(必要に応じ証拠を提出する)

 松野株主は、この総会において被告会社の人権侵害の実態を緩和する為、人権監査室を設置すべきとの提案を行い、その室長に原告を推薦した。原告の人権感覚を示す資料として、また、株主に対し、被告会社のもつ人権問題に正しい認識を持つことを促すためにこの歌を株主に聴かせたのである。

 大音響で流したと主張するが適切な音量であったことは言うまでもない。またその時間も2分ほどでしかなかった。

 また、この発言を行った松野株主は いじめを苦にする人の悩みを電話相談ににより救済しようとする市民活動である「三多摩 学校・職場のいじめホットライン」を中心的に立ち上げ、献身的に活動されており、さらに、在日韓国朝鮮人に対する差別、人権侵害を改善したいとの思いから作られた友好団体「チマチョゴリ友の会」の創立者でありこちらも献身的に活動しておられる、人権問題に深い洞察を持った人物であることを付言する。(必要に応じ証拠を提出する)

 なお この歌「人らしく生きよう」は、原告が作詞作曲したものであり、労働者の人権を扱ったドキュメンタリー映画「人らしく生きよう」の主題歌として使われたもので、この映画は(この映画のタイトルは原告の歌から付けられた)全国200カ所で上映されただけではなく、アメリカ合衆国、韓国、フランス、トルコ、など、国際的にも上映が行われ、高い評価を得ている。(必要に応じ証拠を提出する)

(2) 次に甲8号証により1999年の総会での状況を検証する。

 甲8号証により証明されることは以下の通りである。

@ 原告は本総会における発言で冷静、丁重、かつ論理的に企業のあるべき姿勢を説いている。被告が主張するような暴言を一度たりとも行っていない。6, 8

A 原告は丁重を期するため原稿を用意している。 6,

B 原告は原告の解雇に関することは全く述べていない。

C 原告は被告職場の人権侵害の存在を指摘している。またこれまでの総会でも指摘してきたと述べている。4, 15,

D 原告は被告株主総会で動員株主が「議事進行!」と叫ぶ、社員株主による議事打ち切り動議、など議事進行の不当性の存在を指摘している。4,13,

D  この発言中に原告の発言を中断させようとした株主(社員株主と思われるが、その証拠はないので主張はしない)を、冷静にたしなめている。10,11,13,

E しかし、差別の状況、総会の不当な議事運営は以前に比べ不十分ながら改善の点が見られるとし、4,

F 篠塚新社長にそれらの改善を期待すると述べている。4, 15,

それに対し篠塚社長は

G 原告が指摘した、差別の存在や不当な議事運営が事実でないと思うなら、それを否定するであろうにもかかわらず、否定することなく

H 「是非貴重な御意見として承らせて頂きたいと思います。」「ご意見として参考にさせて頂きます。」と肯定的な答弁を行っており。16,18

I  「すべてお答え出来るかと言うことはあろうかと思いますが、」と少なくとも一部は原告の指摘する問題に対し改善の努力をするかのような発言を行い。18

J 「 一部過分におほめを頂きましてありがたいと思っております。」と礼まで述べているのである。18,

 よって本反訳による被告答弁書の主張に対する反論として

@ 原告はこの総会でも原告の解雇を撤回を求める発言をまったく行っていない。暴言を吐くことも議事を混乱させることもしていない。

A 原告は一般株主の前で、被告会社の職場に差別が存在していると指摘し、その改善を求め、社長の考えを述べることを求めているのであるから、差別の存在が事実で無いとすれば、原告の発言は被告会社にとってゆゆしき問題であり、当然それ否定すべきであるにも拘わらず、社長は否定するどころか、「貴重な意見として」「参考にする」と述べ、「すべてお答え出来るかと言うことはあろうかと思いますが、」と少なくとも一部は原告の指摘する問題に対し改善の努力をするかのような発言を行ったのである。
 このことは被告が、原告の指摘する差別の実態が被告職場に存在することを認識しているからに他ならない。

B 原告はこれら差別問題の指摘をこれまでの被告株主総会でも指摘してきたことを述べている。

   被告が主張するように、それまでの原告の総会での主張、被告職場での差別の存在の指摘が事実無根であり、原告の発言が総会を混乱させるためだけのものであったならば、被告はその指摘をするであろうにも拘わらず、それをしないばかりか 「貴重な意見として」「参考にする」とのべたのである。被告の主張が虚偽であることが伺い知れるのである。

C また、被告は原告の行動が「業務妨害」であり損害を被っているから、損害賠償訴訟を起こす旨の主張を行っている。

  原告の被告会社に対する抗議行動はこの総会の時点と現在とは形態が変わっていない。現在損害を被っていると主張するならば、この時点ですでに、損害を被っていたはずである。
   損害賠償請求を起こすほどの損害を被っているのであれば、社長は業務妨害に対する苦情を述べるはずであるのに、それをしないばかりか礼まで述べたことは、被告に損害を被っているとの認識が無いことに他ならない。
 
   この年原告は社長が交代したことを期に、頑なな被告の態度を改めさせるため、それまでの総会とは異なり、被告の問題点を指摘し、議長の感想を求めるにとどめ、明確な回答を求めず、猶予を与える発言の形態を取った。他年度と異なる点はその場での明確な回答を求めなかっただけで、指摘している内容は同じであるのに、議長は上記のごとくそれまでとは全く異なる対応を取っている。
   そして、その場では、原告の指摘にあたかも、改善の努力をするかのごとき答弁を行いながら、実際には改善はまったく無く。原告は翌年の総会で追求せざるを得なくなった。
  それに対し被告は暴力を持って原告を排除するにいたったのである。

   このことは、如何に被告の対応がその場逃れで、その年の総会を早く終わらせられればそれで良いという、欺瞞的なものであるかを示している。

(3) 甲1号証 2002年の総会を検証する。

 この反訳によって証明出来ることは以下の通りである。

@ 原告は具体的な例を挙げて被告会社における職場の人権侵害を指摘する発言を 行った。番号2 より28まで。

A 原告は株主総会に置いて株主に敵対する議事運営が行われていることの指摘を行った。番号32から40

B 原告は株主総会の集中日に総会を開くべきではないという発言を行った。番号52

C 上記原告の発言中に会社は原告のマイクの電源を切った。番号60 から62

D 原告は裁決を取る際、単純多数決ではなく、持ち株数を確認することを求めた。番号72

E 原告は総会の招集通知を現在より早い時期に出すこと、議事録の閲覧の際コピーを認めることを求める発言を行った。番号76

F 社長篠塚は計算書類、監査などの手続により株主総会の期日がきまるのであり、意図的に株主総会集中日を選んでいるのではないという明らかに嘘の答弁を行った。 番号79

G 社長篠塚は招集通知を早期に出すつもりのないこと、議事録のコピーを認めるつもりのないことの答弁を行った。番号81,83,85

H 社長篠塚が裁決を取らなかったので原告は裁決を求め、取らないのであればその理由を述べるよう求めた。 番号86以降

I 社長篠塚は裁決を取る必要はないと述べるのみで、その理由の説明はしなかった。 番号87以降

J 納得がいかないとする原告に対し社長篠塚は退場を命じた。番号111

K 社長の命令により警備員が原告に対し暴力排除を始めたので、原告は整形外科医の診断書を示し、暴力を振るわないことを求めた。番号117

L 原告は警察官が臨席しているのであればこの暴力を止めるよう求める発声を行った。番号123

M 警備員は暴力を続け、原告の腕をねじり上げた。それを目撃した株主の一人は警備員に抗議した。警備員は原告を会場から解除した。番号126,128,130

この反訳による反論として

@ 原告はこの総会でも原告の解雇を撤回を求める発言をまったく行っていない。

A 原告が暴力で排除されたこの総会でさえ、「原告の暴言」がどの部分か不明である。

  以上被告が何の証拠も示さず主張する原告の株主総会での行動は以上の書証により虚偽であることが証明されたのである。

 
 2 被告は、原告の主張する人権侵害は原告の思いこみである。あるいは「言い掛かり」であると主張する。

@  原告は浦和地方裁判所で決定が出された1991年の本庄工場での真喜志さんの事件を具体例として示しているのに(甲2号証)被告は答弁書のなかで全くこのことに触れていない。地裁の決定は差別の存在を認めており、被告は言い逃れが出来ないのである。

A  原告の地位保全裁判では4人の証人がそれぞれが被告から受けた差別の体験を証言した。また同様の多くの陳述書が出された。宣誓を行い嘘を述べれば罰せられるという状況であるだけでなく、その会社を退職したとは言え、他企業に就職した者は、沖電気のような大企業から、現在働いている企業に何らかの働きかけがあり、何らかの不利益を被るかも知れないという恐怖に打ち勝って証言を行わなければならない。その証言は極めて信用性が高いと言わざるを得ないのである。
(必要に応じ、証言調書を証拠として提出)

B また、原告は各年の株主総会の度に被告職場において差別を受けている本人から話を聞きその内容を、差別の具体例として指摘してきた。
   被告はそれをことごとく「個別の問題には答えない」として答弁を拒否してきたことはすでに述べた。

 (1)以下原告が指摘してきた差別の実例を示す。(すでに甲1,8,9号証で述べたものは省く)

@ 指名解雇争議の支援者及び和解による職場復帰者に対しての賃金差別
仕事差別
昇進差別
親睦会、クラブ活動からの排除
 ほぼ毎年指摘

A  本庄工場において捺印作業をさせられている者が自動機械があるのに手作業をさせられている。さらに捺印後に「これは不良品だ」と言いがかりを付けてし直しさせている。
 1987年に指摘

B  職場復帰した秦康博さんが、リフレッシュ休暇を与えられなかったとして、被告を東京地方裁判所に提訴した問題。(必要に応じ証拠を提出)
 1993年に指摘

C   弁理士の資格試験に合格した者が、その資格をより完全なものにする手続きとして必要な研修を出張扱いで受けさせてもらえるよう要求したが拒否された。
1996年に指摘

等、枚挙にいとまがないのである。

C 被告株主総会に原告が出席する以前から出席している被告会社社員米田徳治さん(現在に至るまでほぼ毎年出席)は、原告とは違った観点から被告職場の人権侵害の実態を指摘し続けている。(被告会社労働組合を含む被告会社ぐるみの公職選挙に対する違法な介入の指摘、等)(必要に応じ録音反訳を提出)

  なお米田徳治さんは被告八王子工場において指名解雇争議の支援を中心的に行った人であり、本年定年退職の予定である。原告は彼と同じ職場に属したことがある。 彼は優秀な人材であるにもかかわらず賃金は他の同年代の人に比べて極端に安く、昇進面においても、40年以上にわたって被告会社において勤務したにもかかわらず、係長にすら昇進させられていない。

  原告だけが被告の人権侵害を指摘しているのではない。またこれも差別の実例の一つである。

 
(三)原告の抗議行動について

 1 において被告は原告が

@ 原告は原告の解雇撤回等を目的として、

A 現在に至るまで約22年間の長期間にわたり、

B 毎月第三金曜白には決まって被告本社前に

C 協力者数名と共に伸し掛けているだけでなく、

D 殆ど毎朝被告の従業員らの出動時間を狙って被告八王子工場門前に押し掛け、

E 何れも被告を誹謗中傷する発言等をスピーカーを使用して広く宣伝し、

F 併せて誹謗中傷の記事を記載したビラ配り等を行っている。

 と主張する。
 これは被告の考えにより、「原告はこの様なけしからん者であるから、株主総会において暴力で排除されるような扱いを受けても当然である、」と主張 したいものと伺われる。
しかし仮に上記の内容が事実であったとしても、そのことを理由に、正当な発言をしているだけの株主を暴力でして良いことにはならないことは当然である。
 したがって、本裁判の主旨とは外れるのではあるが、被告が原告に対する心証を悪くしようとしているねらいをくじくために反論を行う。

    原告は被告会社八王子工場門前において毎朝

 仏教徒として、世界の平和、被告会社の中での人権侵害が緩和されること、また原告が解雇された後に死亡した歴代の被告会社の社長、三宅正男、神宮司順、橋本南美男、また沖電気の事故、自殺などで死亡した従業員の冥福を祈っている。

 沖電気で起きた事件を元に作った詞や、人権に関わる社会問題を指摘した詞を歌にして歌っている。

 また 拡声器を通じて被告職場の従業員に差別やいじめのない職場を取り戻そう、悪いことは悪いと言う勇気を取り戻そうと訴えている。

 また現在社会で起きている人権に関する問題の指摘、解説、批判を行っている。

  被告は上記E F において「誹謗中傷」と主張するが、実際に起きていることを指摘することを誹謗中傷とは言わない。

 原告の解雇を撤回することを求める発言を、(被告会社の非を認めさせる方法として解雇を撤回するよう要求しているので全くとは言わないが、少なくとも日常的には)していない。

 被告がA Dに主張するように原告は22年間毎日(土日祭日を除き、被告の営業日には、原告が手術のため入院していた時と、講演活動などのため旅行をしていた時をのぞきすべての日数)この行動を続けている。

 もちろん、原告も人間であるから病気、体調を崩すこともあるが、それらの日も厳冬期の降雪や、強雨、台風といった荒天の時も含め現在に至る22年9ヶ月間一日も欠かしていない。

 上記のことは被告は不知とするであろうが毎回被告警備員が目視しているので十分承知しているはずである。

 このような行動を被告は C D のように「押しかけて」と悪意を持って表現するが、社会正義に対する原告の真摯な姿勢を示すものであり、社会的にも高い評価がある。これまでに原告の行動を扱った書籍や新聞記事の抜粋を証拠として提出する。
(甲11号証)(甲13号証)

2 原告が抗議行為と称する行為はむしろ被告を誹誇中傷する示威または情宣行為であり、その行為は業務妨害に該当する行為である。その示威行為等は既に22年間にも及んでおり、その被害は近時益々拡大しているので、被告としては損害額を算定し、損害賠償を請求することを検討しているところである。について。

上記したように原告の抗議行動は極めて平和的なものである。
 原告は、被告が主張するように毎月第3金曜日には被告本店前により抗議情宣行動を行っているが、これも、原告が演説と歌唱によって、被告従業員、及び通告人に対し、被告会社の人権侵害の事態を含む社会問題の提起を行っているもので「押しかけて」という表現はあたらない。

 また、八王子工場門前で毎月29日に行っている「座り込み行動」は1982年1月29日より連続して行っている。当初10年以上は一滴の水も食事も口にせず、極寒の冬も、灼熱の夏も10時間以上に渡り、その場においてすわっている「断食闘争」をおこなった。自らが長時間苦痛に耐えることにより、原告の真摯な思いを被告に伝え反省を促し、社会に訴える「ハンガーストライキ」に相当するものであった。

 現在は時間を約半分に短縮して行っている。またその場での時間を利用し、「悩み事相談」を行い、また隣接する小学校の生徒を対象とし「差別やいじめをやめさせる勇気を持とう」と印刷された風船を配布しながら、人権に関する子供らの教育にもあたっている。
 これら原告の行動は社会的に評価が高まり、座り込みには、自らが悩みを持つ人だけではなく、原告の行動に共感する人が訪れ、交流を行っている。

 その中には自由民主党前政調会長亀井静香氏の姿もあったことは、訴状でものべた。
     (甲12号証)
また、原告はその活動が評価され、公立学校などからも講演活動に招かれている。

また、この行動は新聞、書籍、テレビなどで好意的に報道されている。
(甲11号証)
 これらを示す新聞記事、写真等の一部を証拠として示す。
甲13,14,15,16,17,18号証)

この他に原告を好意的に取り上げた書籍の一部を以下に示す。

2001年10月 ダイヤモンド社 鎌田慧著 
 忘れてはいけないことがあるpTーV

2000年5月号講談社「現代」斎藤貴男著 
 「労働組合」よ。既得権捨て市場主義と闘えp191

1998年10月 海風書房 大原猛著 
「下町の神父」p256−257

1995年6月 日本エディタースクール出版部 山口泉著 
 「テレビと闘う」p47−50

1994年 9月24日号 ダイヤモンド社 週間ダイヤモンド 野田正彰著 
「ミドルの履歴書」p80ー83 

1994年 4月 講談社 佐高信著 
 「人生のうた」p47−49

 このように原告の行動は極めて平和的なものであり、誰かに「被害」を及ぼすようなものではない。

 被告は原告の「誹謗中傷」によって被害を被っていると主張するが、「誹謗中傷」の内容も「被害」の内容も明らかにしていない。

 原告が拡声器で述べていることは、基本的に、株主総会、また地位保全の裁判の中で述べたことである。

 ビラに関しては原告は当初より配布していない。被告従業員の多くは現在においても、門前で配布されるビラを受け取ると被告会社から差別されるという恐怖心を持っており、配布しても受け取らないからである。

 被告は、すでに示したように、株主総会において何ら原告の主張(被告の言う「誹謗中傷」)になんら具体的な反論を行っていないのだから、失当である。
 またマスコミの報道により被害を被ったと主張するのであれば、その抗議はマスコミに対してなされるべきである。
 

(四)被告の株主総会運営について。

 1 被告は、株主総会議事運営は適法かつ合理的に行われていると主張する。

 原告が被告株主総会に初めて出席した1987年以降1996年まで、被告総会の株主席は縦横10列ずつの100席であったが、(時に110席ほど)一般株主が入場したときにはすでに、前列2列ないしは3列が(20〜30席)被告が準備したと思われる株主(真に株主であるかどうかは一般株主にはわからない)に密集して占められ、残りの席も高い割合で被告が準備したと思われる「株主」に占められていた。

 これら株主は議長が発言を行うたびに、一般株主を威嚇するがごときに「了解!」「議事進行!」などと大声で叫び、さらに一般株主が被告を批判する質問を行うとヤジで妨害することを行っていた。

 その例として1990年の総会においては原告の面識のない一般株主が被告の経理の不備について質問を行ったところ、これら株主がこの質問を「重複質問だ!」などとヤジで妨害した事実がある。(必要に応じ録音、反訳を提出することが出来る)

 また、質問をする株主が少数で、議事が短時間で終了したごく少数回をのぞき、まだ多くの株主が質問を求めているにもかかわらずそれら社員株主が「議事打ち切り動議」をだし、それを受けた形で総会を終了させることが常であった。(必要に応じ録音、反訳を提出することが出来る)

 これら株主を被告が準備したことを証明する方法はないが、一般株主よりも先に入場しており、上記のごとく配置され、行動を取る者を被告が準備した社員株主と考えるのは当然である。
 また、被告の他にも同様の対応を株主総会において取る企業が存在することは周知の事実である。

 以下判例を示す。

   最高裁平成8年11.12判時1598−152
 株式会社は、同じ株主総会に出席する株主に対しては合理的な理由のない限り、同一の扱いをすべきであって、従業員株主らを他の株主よりも先に入場させて株主席の前方に着席させる措置は適切なものではないが、具体的に株主の権利行使が妨げられていない場合は、株主の法的利益が侵害されたということはできない。

 この判例は「具体的に株主の権利行使が妨げられていない場合」と断っているので、これら社員株主が一般株主の発言を威嚇、妨害するヤジを行う被告会社の場合は違法と言わざるを得ない。

 2 「被告は故意に株主にマイクを使わせなかったことはない」について。

 前項で述べたごとく、被告株主総会会場は1998年まで株主席が100席ないし110席、役員席が約30席であり、合計140席ほどであった。原告は声が小さいほうではないが、原告でさえ発言の際、議長から声が小さくて聞こえないと言われたことが複数回あり、声を張り上げなければならず、その都度マイクを要求してきた。(必要に応じ録音、反訳を提出することが出来る)
 株主が高齢者や病弱である可能性もあるからマイクが必要であると1987以来、毎回のごとく要求したが被告は聞き入れなかった。やむを得ず、1997年には次回総会において株主用マイクを用意しなければ原告が株主用マイクを持参すると警告を行った上で1998年の総会に持参し、使用のやむなきにいたったのである。(甲9号証)
これに懲りたのか、被告は翌年より会場が広くなったという理由を付け、株主用マイクを用意したのである。

被告は、「開催する会場が大きくなり、出席株主数も増加することが予想されたため、マイクを使用することになった」と主張するが、それ以前の株主総会においても必ず議長はマイクを使用していたのであり、株主総会での発言をしにくくさせる意図をもって株主にマイクを使わせなかったことは明白である。

3 「被告は株主総会の議決については議決に必要な株主の持ち株数を確認した上で可否の決定を行っている」について。

被告は採決を行う場合出席株主の挙手を求め、その多数を理由に採決を行っている。 その際各株主の持ち株数を確認したことは一度もない。
 原告自身、10個の議決権を持って出席したことがある。当然他にも、複数の個数の議決権を持って出席している株主がいるのだから、挙手を持って採決を行うのであればその個数を確認し、株主に示すことが要求される。
 もし、被告が委任を受けている株数が出席株主の個数の総数より多いという理由で「必要な株主の持ち株数を確認した上」と主張するのであれば、出席株主にそのことを示すべきであって、被告はこれを示したことは一度もない。(必要に応じ録音、反訳を提出することが出来る)

4  一方的議事打ち切りをしたことはない。

5 人事問題は答弁を尽くした。

6「総会開催日の変更についての提案の上程は総会の目的事項からはずれる」について。
 年に一度の株主との対話の場である株主総会において、社会通念上、企業の運営、株主総会のあり方等、総会で討議されることが自然であると思われることについて株主から質問、提案がなされることは当然であって、何をもって原告の発言が目的外事項であるとするのか被告の主張は不可解というしかない。
 株主総会の開催日の問題についても、被告はこれを目的事項外というが、これこそ、株主総会に参加できるかどうかという株主に直接関係する問題であり、目的外事項であろう筈がない。
 現に、被告会社においても1993年の総会において、議長が総会の「議題ではない」とした問題についても採決を行っている。
 仮に、被告が主張するように「提案の上程は総会の目的事項からはずれる」というのであれば、その採決を求めている株主に理由を説明することもなく、ましてや暴力でその株主を排除することなど、とうてい認められないことは論を待たない。

7 「総会の開催日を意図的に「集中日」にしているのでない」について。

被告は経理作業に必要な日数により総会の期日がきまるのであって、いわゆる「株主総会集中日」を意図的に選んでいるのではない旨主張する。

   近年、商法の改正にともない「株主総会集中日」に総会を開くことが社会的批判を受け始め、その日に総会を開く企業が減少し始めていることは周知の事実である。(必要とも思えないが必要であれば証拠を提出する)

  被告は「株主総会集中日」の存在すらをも不知もしくは否定とするのか釈明を求めたい。

   原告が出席した総会だけでも17回を数えるが、そのすべてが「株主総会集中日」であった。経理作業によりある一定の期間にすなわち6月下旬ないし6月末にその日がなるとしても(その作業がもっと早く、5月ないし4月に終了しても何の不思議もない)その日が「株主総会集中日」という特定の期日に、かつまた開催の時刻まで同じくして17回も連続して偶然あたる確率など天文学的数字でしか示せないことは訴状ですでにのべた。

  被告がこのような主張を裁判の場において行うことは、原告のみならず裁判所をも愚弄していると言わざるを得ない。

(五) 原告に対するビデオ閲覧拒否 株主名簿閲覧拒否、株主総会議事録コピー拒否   について。

1 ビデオ閲覧拒否について。 

 被告は株主のプライバシー保護を理由に本裁判へのビデオ退出を渋り、また原告の内容証明郵便による閲覧、若しくは反訳の提示要求は、理由を示さず拒否している。 甲4号証 甲5号証

 また、ビデオに関しても被告はその撮影を株主席の後方から撮影しており、通常株主の顔はあまり写っていないはずである。
また、株主の顔が写っていたとしても、被告は株主名簿さえ開示していないのであるから(例え開示していたとしても)一般の人にはそれが誰であるか、個人を特定することなど極めて困難である。

 また、原告は内容証明郵便により、ビデオもしくは「その反訳」を求めたのである。反訳の提示が株主のプライバシーとは無関係であることは明白である。

 被告が、真に株主のプライバシー保護を考えているのではないことを示すために、被告株主総会を記録したビデオに関する以下の事実に触れざるを得ない。

 すなわち1996年9月被告会社 八王子工場 において、原告の友人Hの上司であるマイコン設計部小林二郎課長は 原告の友人Hを呼び出し以下のように述べた

@ 被告会社の総務課に呼ばれた。
A 1996年 の被告株主総会のビデオを見せられた。
B そのビデオで田中がHの問題について会社を厳しく追及していた。

( 原告は1996年の総会において 弁理士の資格試験に合格した原告の友人Hがその資格をより完全なものにするために必要な手続きを出張扱いで受けさせて欲しいと要求したが、被告に拒否された問題を示した。)

 小林二郎は被告の委託を受け、原告の友人Hに圧力をかけることで、原告が総会においてHの問題をとりあげ、被告を追求することを軽減しようとしたと推測される。

 原告はこの事実を1997年総会において当時の澤村社長に正した。社長のうろたえた様子からは、社長はその事実を把握していなかったことも推測される。しかし、このように具体的に指摘されている事実を確認もせずに否定できるものではないにも関わらず。「そんなことはあり得ない」と回答するのみであった。

 原告はHの職場、上司の名称等を示し、Hが特定される形でこの問題を示したのであるから、これが事実で無ければ、(事実であったとしても)被告会社の従業員であるHは被告から不利益を受けることが当然予測されるのである。Hの告発はきわめて信憑性が高いことは言うまでもない。

 原告はこの問題を1998年以降の株主総会においても繰り返し正したが被告からは全く説明がなかった。(以上必要に応じ録音反訳を提出)

 
 この事実は、被告会社の人権侵害の実態を示す一つの例であると同時にビデオをこのような目的に使用している被告にプライバシーの保護云々という資格はない。

2 株主名簿閲覧拒否について。 甲号証により明らかである。

3 株主総会議事録コピー拒否について。

   被告は「謄写」を拒否したことがないと主張し、原告にデジタルカメラで議事録を撮影させたと主張する。
   原告はコピーすることを求めているのである。被告会社には当然コピー機が存在するであろうにも関わらず、なぜ株主が株主総会の議事録を「謄写」する際に「書き写す」ことや不鮮明きわまりないデジタルカメラでの撮影を強要されなければならないのか。
   被告の原告に対する差別的な取り扱い、ないし株主に対する敵対的な姿勢が現れていると言わざるをえない。 

(六)被告は不法行為を犯していない。について。

1 被告は原告を不法に排除することにより原告の持つ株主として、


@ 質問をし、
A 回答説明を受け、
B 議決に参加し
C 株主総会の会場に会の終了まで株主として在席する

権利を不法に侵害した。

2 被告は本反論二の1,に示すように、明らかに暴力を行使し、不法に原告に

@ 肉体的苦痛
A 傷害
B 精神的苦痛を与えた。、

 3、 同時にこれは原告の名誉を著しく毀損した。すなわち

@  被告は原告に対し、法律おいては、犯罪者が現に犯罪を犯しているときのみに処せられる処遇を与えた。すなわち、本人の意志に反し物理的力を与え続け、身体の自由を拘束し、肉体に苦痛ないし傷害を与えてまで原告を株主総会の会場から引きづり出した。

   被告は原告に対し当事者以外だれも見ていなかったとしてさえ屈辱的なこの処遇を、多数の株主及び被告会社役員、すなわち公衆の面前で与えた。

   このような扱いを受けるものが株主総会会場において合法的に存在するとすれば、違法に株主総会を混乱させることで企業から金品を脅し取ろうとする総会屋のような存在であろうと一般には考えられる。

   原告はそのように扱われることでその場において社会的信用を著しく失墜していることは疑いがない。

A  また、原告にとって屈辱的な社会的信用失墜の状況は、その場だけで終わるものではない。状況の目撃者である一般株主及び被告関係者は(会社役員、及び被告社員株主)はこれを口外する可能性がある。
   特に、被告関係者は日常的に株主総会の状況を口外していると考えられる。

 @ 原告の運営するインターネットの掲示板及び、原告へのメールで、株主総会に社員株主として出席したものからの情報に基づく原告の行動に関する書き込みが複数回あった。(中には原告に好意的なものもあり、原告はそのことを株主総会で示したことがある)

 A 原告は総会の翌日、ないし数日後に被告会社八王子工場の門前において被告会社警備員から「田中さん、今年はがんばったそうじゃないか」などと声をかけられ、彼らの言葉からすでに警備員等が株主総会の状況を聞いていることを知ったことが複数回ある。このことから被告会社内では株主総会の状況に関する関心は高く、短時間で情報が被告会社内に広く伝播され、八王子工場の警備員まで到達しているという状況が推測される。被告会社従業員、及びその関係者の多くの割合が原告が社会的信用を失墜した状況を認識していると考えるのが妥当である。

B  先に述べたように被告は株主総会を撮影したビデオを、総会とは全く関係ないものに、関係のない目的で見せることを行っている。このことにより

@ 本総会のビデオには、原告が、法律おいては、犯罪者が現に犯罪を犯しているときのみに処せられる処遇を受けている状況が撮影されている。 その状況を正確に理解していないものに見せれば、あたかも「原告は株主総会で企業から金品をおどしとろうとする総会屋のごとく振る舞い暴言をはいたからたたき出された」と見える可能性が高く、被告がそれをしないとは、以下に示すこれまでの経過から考えられない。

A 被告は指名解雇争議当時、争議の支援者の映像を新入社員教育で新入社員に見せ、これらの人間と交流を持たないようにという「教育」を行ったという噂があった。

B 原告がこの噂を信じるのは以下の原告自身の体験があるからである。

  すなわち原告が被告会社に入社した1969年4月、被告八王子工場における大学及び、工業高等専門学校卒の新入社員教育において、外部から招いた講師により、「日本共産党、及びその青年組織民主青年同盟」についての講演があった。これらは危険な思想の政治組織だから近づくなという内容のものだった。原告はこれらの組織に属してはいないがこれが憲法19条「思想及び良心の自由」を犯すものであることは疑いない。

C 原告はこの事実について1994年の株主総会において正したが、社長の答弁は「今はやってないはずです」と、かっては行ったことを認めるものであった。(必要に応じ録音反訳を提出)

D 原告は被告も認めるように毎朝被告八王子工場門前で被告従業員に呼びかける行動を取っている。当然新入社員は原告を目にしてその存在に疑問を持つと考えられる。
  新入社員が原告から感化されることを防ぐために、被告が新入社員教育などでこのビデオを不正に使用する(あるいはすでに使用した)可能性は極めて高いのである。

  そのことにより、新入社員や、その他このビデオを見せられたものすべてに対し原告は社会的信用を著しく失墜することになる。

付言するならば、報道機関による報道が名誉毀損になりうることは疑いのないところである。そしてその再、その新聞なり、雑誌の発行部数は問題にならない。 上記 @ A B により原告が社会的信用を失墜する対象の人数は極めて多数であると同時に不特定多数である。
 被告の不法行為により原告が名誉を毀損されたことは疑いがない。

(七)求釈明について。

1  「原告と恵を同じくする株主(以下、「原告ら株主」という)」との部分は意味不明である。「志を同じくする」との意味、及び「原告ら株主」が原告の他にどの株主を指すのか具体的に特定するよう求める。について。

  原告はインターネット、講演活動などを介して広く社会に「企業の中での人権侵害、いじめの実態に関心を持とう」と呼びかけており、その中で株主総会に株主として出席発言することでそれら人権侵害を改めさせる方法を提案している。

 訴状の「志を同じくする」「原告ら株主」はこの呼びかけに応じた者という意味である。もちろん各人には個々の人格が存在するのであるから、持論や主張が同じであるという意味ではない。 株主名を特定する必要はない。

2 当該部分に「他社の総会に参加せざるを得ない者が被告会社の総会に参加することを困難にしてきた。」とあるが、具体的に何れの株主を指すのか。人物を特定して主張するよう求める。について。

 「株主総会集中日」の同時刻に行われる株主総会に複数の企業の株を保有する同一人物がどれか一つの株主総会にしか出席できないと言う自明の理を述べているのであるから人物を特定する理由はない。

3  原告は、被告がビデオの閲覧を拒否した旨主張するが、日時等全く不明なので、具体的に特定して主張するよう求める。について。

甲4,5号証により明らかである。

4 同Gについて
  原告は、被告が株主名簿の閲覧を拒否した旨主張するが、日時等全く不明なので、具体的に特定して主張するよう求める」について。

   甲7号証により明らかである。 

5 同「3 本件不法行為の事実」「(8)」について
  原告のこの点についての主張は、主張自体が疑わしいので、具体的な事実を摘示されたい。について。

本書面二の(二)ですでに述べた。

 6 同「被告の不法行為」の(1)について
  原告は、被告がいわゆる「総会屋」であるかのように公然と描き出し、社会的にそのように適することによって、原告ら株主の人格性・名誉を深く傷つけた、と主張するが、その主張する事実が如何なる事実であるか具体的に摘示されたい。

   本書面二の(二)ですでに述べた。


三、求釈明

1, 被告は被告株主総会の期日が、少なくとも最近の17年間連続していわゆる「株主総会集中日」と一致していることを否認するのか。あるいは「株主総会集中日」の存在を不知もしくは否認するのか。

2, 被告は被告株主総会に被告従業員、若しくは被告関係者を被告の働きかけで株主として参加させているか。
 参加させているとすれば、その人数は過去17年間、それぞれおおむね何人ほどか。
 また、これらの株主に総会の議事を終了する動議を出させているか。

3, 被告のいう株主総会の目的事項とは何か。特に株主総会の開催日についてが目的事項ではない理由は何か。


 結語

 去る2月27日、自衛隊派兵反対を訴えるビラを自衛隊官舎に投入した人が逮捕された。本裁判所が逮捕令状を認めたことは残念である。不法侵入が逮捕の理由であるが、それならば、日常的にこの官舎にビラを投入している一般の業者、あるいは市の広報を投入している公務員も逮捕されなければ不公平であると国民が考えるのは当然である。

 これでは、国民は裁判所に公平な裁判を期待できない。

  裁判所が権力に阿ることは、長い目で見れば、その国家、その社会をだめにしてしまうことは歴史の中で証明されている。万一裁判所に公平さ、正義を求めることことができないのであれば、心ある人はそれを歴史の中に求めるしかない。本裁判の書面、書証、判決等はすべてインターネットを通じて社会に公表し、後世にわたりそれが評価されることになる。

もちろん、そのような権力に阿る裁判官ばかりではなく、人間としての尊厳、裁判官としての尊厳を自らの中に誇り高く保ち、判決を書き続けている裁判官の存在も少なくないことを原告は承知している。

 本裁判において正義が全うされることを期待する。

  以上