平成15年(ワ)第2804号
損害賠償等請求事件
原 告 田 中 哲 朗
被 告 沖電気工業株式会社
準 備 書 面(原告2)
2004年 6月10日
東 京 地 方 裁 判 所 八 王 子 支 部
民 事 第 三 部 1 A 係
御 中
原告は、被告主張(「準備書面(1)」記載)に対して、以下のとおり
反論する。
原告訴訟代理人
弁護士 大 口 昭 彦
記
T 被告の、「準備書面(1)」に於ける主張の大半は、原告が証拠を示して立証した事実対して、証拠や根拠を全く示すことも出来ず、単に否定し続けているだけのものであって、反論の必要も無い部分が殆どであるが、念のために、一定の反論をなす。
U 被告主張(「準備書面(1)」)に対する反論
1 「第1,1」について
反論の必要を認めない。
2 「2」について
(1)
@ アについて
@ 被告は
原告に対して,原告が主張するような「自由を拘束」したり「苦痛,及び傷害を与え」等の行為を行った事実は存在しない。
警備員が原告を退場させた際には,原告を会議場外に押し出す方法により退場させたものに過ぎない。
と主張し
「『警備員らに,行動規範に則って退場させるよう指示が為されて』いるから原告に対して,暴力行為に及ぶことなどあり得ない。」
などとの、全く説得力の無い主張を、その「規範」の存在や「指示」なるものの存在を示す証拠さえ示すことなく、なしている。
しかし仮に、「規範」や「指示」があったとしても、だからといって「暴力行為がなかった」ということの、何の証拠にもならないことは言うまでもない。
A 当日の実態が、被告が主張するところの「押し出す方法」などとというものでは、到底あり得ないことは、甲1号証で明らかである。
例えば、甲1号証の3の写真からは、警備員が原告を「掴んでい る」ことが明確である。A ウについて
@ 被告は
「甲第1号証2において、原告が痛みを訴えている部分は皆無である」
と主張している。A しかし、甲第1号証2を検証すると、原告は「手を離せ。」と、少なくとも8回に亘って叫んでいる。(番号121以下) 痛みを懸命に訴えているのである。「痛い」という言葉を発しなければ、痛みを感じていないなどとは言えないことは当然である。
B また甲1号証の2の、番号124と番号125の間で、原告は「おおおちょっと、怪我したぞ」と言っている。原告の主張を明確に裏付けている。(反訳もれ)
C 上記Aの事実は、警備員が原告を押しているのではなく、終始 「掴んでいる」ことを示している。なぜなら、押しているだけのものに対して「手を離せ。」という者はいないからである。
D 更にまた、周囲にいた株主が「ねじりあげるの見てたぞ。」と叫んでもいる。(番号126 128)
これは、「それは暴力だぞ」と、被告の暴力を第三者が現認し、指摘、抗議しているのである。(番号128,130)B もし、甲第1号証の写真に於ける原告を社長に置き換え、警備員を一般株主に置き換えた状況が起きたならば、どうであったろうか。間違いなく、その場にいた警察官らは、暴力行為の現行犯でこの株主を逮捕したであろう。それほどの暴力を、被告は原告に行使したのである。
C また被告は、原告のホームページに左腕を痛めたとの記載がないから、あるいは、八王子工場門前での情宣活動に於いて主張してなかったということを根拠にして、一年が経過して初めて主張し始めたと、あたかも1年後に思いついた虚構であるかのような主張している。しかし、このような主張には全く理由がない。
なぜなら原告は、2002年8月16日警視庁三田警察署に於いて、暴力団対策課新山係長に対し、「沖電気側の暴力により、腕の怪我が悪化した」との訴えを明確に行っているからである。(甲第27号証の1 番号68・01〜68・07)D また、原告が「本暴力行為がなかったとしても本総会後も一定期間は通院したであろうことは事実であるが、・・・。」と、敢えて原告に不利になるかもしれない客観的事実をも正直に述べたことを逆手に取り、「自らその因果関係を否定した」などと主張するが、これも全く理由になっていない。
なぜなら、原告は、被告側の暴力によって原緒的に負傷したと言っているのではなく、すでに罹患していた疾患に暴力が加えられたために、症状が増悪せしめられたということを問題にしているのであるからである。E「オ」について
被告のごとき主張がまかり通るならば、議長は会社にとって都合の悪い質問を行い、不当な議事運営を糾弾する株主に対して退去命令を出し、従わない株主を警察に逮捕させることが正当化されてしまうのである。このような事が許されるならば株主総会が全く形骸化してしまうのであり、許されることではない。
尚、原告は、本件に関し、被告の暴力を看過し、その事実について「その場に警官はいなかった」などと嘘で言い逃れをした警察を提訴し係争中であることを付言する。F「カ」について
被告は、原告の「憲法論その他の主張は」法的根拠を欠くと、主 張する。
しかし、その根拠は全く示されていない。
3「A」について
(1) 被告は答弁書に於いて、
「原告は『この際』という時点を特定して、つまり原告が退場した株主総会において、原告以外の株主も退場命令を受けたと主張するが、その事実は存在せず、原告のみを退場させたに止まることを指摘しておく。」
と主張した。
被告のこの記述は、読む者をして、『この際』が「つまり原告が 退場した株主総会」と解せしめ、「本件株主総会で退場させられた のは」原告のみ」と誤解させるものである。(2) このように、被告は、答弁書に於いて、原告のいう『この際』を恣意的に「つまり原告が退場した株主総会」と読み替えておきながら、更に「準備書面(1)」では、『この際』を「原告が退場させられた時点」と強引に解釈して、原告の主張に対して反論する手法をとっているのである。
(9) この論法は、本件株主総会に於いては他にも退場せしめられた者がいたという事実を、不当に隠蔽するものである。
真実は、この株主総会に於いては、て原告と訴外上田恵弘の2名が退場命令を受け、暴力的に排除させられてたのである。
被告主張の論法は、原告に反論するために、本件の議論を意図的に混乱させようとしたものであって、極めて不当である。(4) およそ裁判に臨む者は、裁判所に正確な判断を仰ぐために、正しい情報を提供し、積極的に事実を明らかにすべきである。
しかるに被告のこの主張は、被告が裁判所に対し積極的に事実を明らかにするつもりが全く無いことの現れである。
4「(2)@」について
(1) 「ア」について
@ 被告は
「原告は,被告株主総会において,正当な発言をし,復職を求めておらず,暴言を発していないなどと主張している」
などと、すでに証拠によって証明されている事実に対して、異議を述べるかのごとき書出しをなした上で、更に「ところで,原告が主張する事実そのものからして,原告は株主総会において,会議の目的外事項を発言し,その回答を求め,自己の目的である復職を実現しようと行動していることを明らかにしているものと言わざるを得ない。」
などと続け、「復職を求めておらず、暴言を発していない」ことが事実であるかどうかを、自らは検証し証明することなく、そのままこれとは全く別な次元へと論理を滑らせていき、原告を非難する主張を始めている。
A そして、「目的外事項」の発言をし回答を求めているから復職を求めている、あるいは、原告のホームページや、原告が小学生に配っている風船に「解雇撤回」と書かれていることを理由にして、株主総会で「職場復帰」を要求していると主張しているのである。
全く、欺瞞的論法である。
なぜなら、本件に於いて被告が問題にしていることは、「株主総会に於いて原告は『解雇撤回』『「復職』を要求した、これは目的外発言である 云々」とうことであった。
だとするならば被告がなすべきは、まず、「総会に於いて原告が『解雇撤回』『復職』を要求した。」という事実の証明でなければならないはずである。しかるに被告は「原告が主張するところからして」などと一般的に述べたのみで、総会自体に即しては、この証明をなんらなさないままに他の事実を述べることによって、これを「復職要求である」「目的外発言である」などとなしているのである。B 被告は、原告が被告の非を認めさせる手段として、「解雇撤回」をその運動のスローガンとして掲げていることを、「原告が職場復帰を目的に株主総会に出席している」との主張に、意図的にすり替え、問題を混乱させる主張を繰返しているのである。
(2) 実のところを言うならば、原告は、本件訴訟冒頭での意見陳述でも述べたとおり、現在も差別、人権侵害が続き、賃金も安い被告会社の従業員になりたいとは, 微塵も思っていない。
(3) 原告は、被告の職場で続く差別人権侵害を改めさせることを目的に株主総会に出席している。
差別、人権侵害を改めることは、企業の社会的責任であると同時にひいては被告会社の利益にもつながると信ずるからである。
原告はこの事を繰返し、総会において発言してきた。しかし、被告は、原告の真意が信じられないか、あるいは分かっていても改める意志・能力がないと考えざるを得ない。(甲8号証 番号4〜)(4) 以下、若干の補則をなす。
@ 原告のホームページには、どこにも、原告の職場復帰を実現することへの支援を要請する文言はない。
A 原告は、被告会社の門前の毎朝の行動に於いて、冒頭に必ず、以下のアピールを行う。このどこにも「職場復帰」の支援を呼びかける文言は無い。
「 周辺の地域の皆さん、御通行中の皆さんに訴えています。私はここにあります沖電気工業株式会社を今から22年ほど前、会社による差別やいじめの労務政策を批判して、労働組合の役員選挙に立候補するなどしながら、会社に改めさせるための行動を続けておりましたが為に、会社から見せしめとしての配転命令を出され、この命令に従わなかったという理由だけで、解雇され、以来22年に亘って闘いを続けております、田中と申します。
周辺の皆様には、早朝から大きな音で御迷惑をおかけしております。しかし、私の行っております行動は、私の個人的な争い事というだけではなく、現在の多くの日本の企業で見られます様々な人権侵害、とりわけ思想信条を理由として会社から差別が行われ、働く者同士のいじめが仕組まれていく、このような状況を改めさせようとすることが、私の運動の目的であるという点をご理解の上に、ご協力をお願いする次第です。」B 原告の講演活動においても、原告の職場復帰を実現することの支援を訴えた事はない。
(必要に応じ原告の講演を記録したCDを証拠として提出する)C そして何よりも決定的な事実として、原告は、自ら出席した17年に及ぶ被告株主総会に於いて、「職場復帰」を求める発言をしたことがないのである。(被告は全ての総会をビデオで記録しているのであるから、これが事実で無いと主張するのであれば、証拠を示して立証すべきである。)
D また被告は、松野株主が原告の解雇撤回を求める発言を行った事を、何の根拠も無く、これを原告が言わせたと主張している。そしてそれを、被告主張の根拠のごとくに主張している。
松野株主は人権問題に深い洞察を持ち、強い信念を持つ人物であ る。(甲第28号証)
被告総会に於いても、ご自分の信念に基づいて発言されており、正しいと思われた場合には、原告の考えとは違った発言もされるのである。
実は、原告は、松野被告が「人権監査室」設置の提案をされると知ったとき、優れた考えであると思ったが、敢えて、「その提案の中で被告に対して原告の『解雇撤回』を要求すると、かえって逆効果であるから、して欲しくない。」と述べたほどである。
(松野株主の証人申請をする)(5)株主総会の目的事項について
@ 年に一度の株主との対話の場である株主総会に於いて、社会通念上、企業の運営、株主総会のあり方等、総会で討議されることが自然であると思われることについて、株主から質問、提案がなされることは当然至極のことである。一体何を以て、原告の発言が目的外事項であるとするのか、被告の主張は不可解というしかない。
A 株主総会の開催日の問題についても、被告はこれを目的事項外というが、これこそ、株主総会に参加できるかどうかという株主に直接関係する問題であり、目的外事項であろう筈がない。
現に、被告会社においても1993年の総会においては、議長が総会の「議題ではない」とした問題についても採決を行っている。B また、1999年の総会においては、原告が差別の存在や、総会の不当な議事運営について質したところ、議長はそれを議事として取り上げ、肯定的な答弁を行っている(甲第8号証の2、発言15〜18)。
C なお、被告は「ウU」において、1999年の株主総会について原告が主張したところの、
議長が原告の発言を否定せず、礼まで述べた
という重大な事実について、全く反論していない。
この事実は被告の主張全体を否定する意味を持つものである。D このような諸事実からすると、被告にとって「目的外事項であるかどうか」ということは、議長のその場の恣意的な判断にすぎないことは明らかである。
(6) 株主総会の開催日の問題
@ これについても、同様である。
単に、被告の恣意的な判断によるものすぎない。そのような恣意的な判断を根拠として、その採決を求めている株主に理由を説明することもなく、ましてや暴力でその株主を排除することなど、とうてい認められないことは論を待たない。
(この問題については、本書面に於いて後に再論する。)
5「同A」について
(1) 被告の提出した乙第2号証(「和解調書」)は、原告の主張を支持 補強しているものである。
乙第2号証は、被告が犯した以下の差別、人権侵害の存在を明確に認めている。すなわち、この事件では被告は、ある社員に対して
継ぎのような不当な処遇をなしていた。@ 被告は、債権者を社内QCサークルから排除していた。
A 被告は、債権者を納涼祭、運動会、新年会、親睦会等から排除していた。
B 被告は、債権者を他の従業員から隔離した状況で、債権者の経歴や能力を無視して、基盤図面に記載された電子部品の色塗りによる単純識別作業を強いていた。
C 被告は、債権者に対し「ぐず」「のろま」などと名誉を侵害する侮辱的言動を行っていた。
(2) 「円満に和解が成立し解決済み」などと主張するが、被告が50万円の和解金を払って和解せざるを得なかった事実こそが、被告職場の人権侵害の存在を裏付けるものである。
(3) これらは、原告が指摘して続けてきたところの、被告職場に於ける数々の、差別人権侵害と質を同じくするものである、原告による他の同様な差別、人権侵害の指摘が事実であることを明確に裏付けているものである。
6 「B」について
(1) 被告は、原告が株主総会に於いて指摘したところの、被告職場で の差別人権侵害の具体例を、「言いがかり」などと主張している。
そして「C」に於いて、原告以外の者からの株主総会に於ける被告職場での差別の指摘を、「本訴訟と関連がない。」と主張している。
更には「因みに、被告は職場に於ける差別について苦情の申し出を受けたことがない」などと、臆面もなく主張している。(2) 例えば、上記の仮処分裁判は、裁判所を通じてなされたところの差別についての苦情の申出以外の何物でもないであろう。
(3) 更には、
@ 1981年ごろ、指名解雇争議団の代表中山森夫氏の妻で被告会社従業員であった中山洋子さんと、争議を支援していた浅利さんが、被告より仕事差別を受けたとして労働委員会に 提訴した。
A 1993年頃、指名解雇されたが、闘争の結果職場復帰したところの秦康博さんが、リフレッシュ休暇を与えられなかったとして、被告を東京地方裁判所に提訴した。
(4) これらは労働委員会、裁判所という公の機関を通じて被告に対して行われたところの、差別についての苦情の申出であり、被告は、これらの重大な事実を当事者として当然認識していながら、しかし「言いがかり」「苦情の申し出を受けたことがない」などと、明らかな虚偽を裁判所に対して述べているのである。
7「(3)」について
(1) 被告は、その@に於いて「原告が、被告株主総会の場を自己の情宣活動の一環として使っている」と何の根拠も示さず主張している。
またAにおいて「このような原告の誤った行為より『共感する人』が現れ、図書が出版されることで被告の信用や名誉が傷つけられる」と主張し、「損害賠償請求を起こす」とまで主張している。
しかし「誤った行為」に共感する人が現れ、図書が出版される訳 はない。
8「(4)@」について。
(1) 被告は、原告が前列に着席した株主総会が存在することを理由に,
原告の主張を否定している。
しかし、すでに原告が主張したように、被告は1997年以降、社員株主に前列2列ないし3列を密集して占めさせるという方法を変更した。それ以降に原告が前列に着席出来たのである。(2) 1990年の総会の例は、被告がその存在を否定する社員株主の組織的動員の実態の例として、示したのである。
この総会に於いて、被告の経理の不備を指摘した株主は1人しか存在しないので、ビデオで記録をしている被告は、この株主を容易に特定できるはずである。
8「(4)A」については反論の必要を認めない。
9「(4)B」について
被告は、「原告は議決権行使書面及びインターネットによる議決権行使についての理解を全く欠いている」と主張するが、被告が出席株主の挙手を求め、各自の持ち株数を確認することなく、その多数を理由に裁決を行っていることの不当性についての反論には、何らなるものではない。
10「(4)D」について
被告は、「具体的な主張が全くないから被告の主張に反論できなかった。」などと主張しているが、原告は、すでに「二(二)(1)」以降等に於いて、十分に主張しているから、ここでは省略したのである。
11「(5)@イ」について
(1) 被告は、「原告の友人Hなる人物がいかなる人物」か「知る限りでない」と主張する。
しかし原告の指摘した、マイコン設計課の「小林次郎」の存在は認めている。原告の主張が事実無根で無いことを一部は認めているのである(2) 当時、被告会社全体で弁理士の資格を持つ者は、他に1,2名しかいなかった。小林次郎の部下に弁理士の資格を持った者は、当然1人しかいなかったのであるから、被告はHを特定しているのである。
12 被告書面13頁「B」について
(1) 被告は、議事録のコピーを拒否している事実について「株主に認められているのは」「謄写であって謄本の交付ではないから」とコピーすなわち「謄本の交付」であると主張している。
さらに被告は「毎年の議事録は大部のものでないから筆写が容易な分量である」とこれも臆面もなく主張している。(2) しかし例えば、被告の2002年総会の議事録の字数は少なくとも3000字を超えている。被告は3000字もの筆写を、一般的な人がどれほどの時間で筆写できると主張するのか。
被告主張は、社会常識を逸脱したものと言わざるを得ない。この主張にも、被告の不誠実な姿勢が、明らかに現れている。(3) 株主にデジタルカメラで撮影することを認めながら、コピーを許さない、さらには筆写を「容易」だと主張するなど、このように株主を敵対視し、不便を強いる被告の行動は、全く合理的な理由のない無意味な嫌がらせという他は無い。
13 被告書面14頁「A」について
これについては、「T・1」で述べた。
14 被告書面15頁「A」について
(1) 原告が、「同日に開かれる株主総会に株主がどれか一つの総会にしか参加できないのは自明の理だ」と主張した事に対して、被告は、
「具体的な権利利益の侵害が特定出来なければ、原告の主張について認否の必要さえない」
などと主張する。(2) そこで、以下に敢えて例を示す。
@ 原告は、原告の知人の務める某社の株主総会にも出席したいと考えていたが、被告と同日であったためそれが出来なかった。
A また、被告に対する別訴の原告である上田恵弘株主は東洋紡績株式会社、いすず自動車株式会社、株式会社中村屋の株を保有しており、その立場から同社の2003年の株主総会に出席したいと考えていたが、被告と同日であったために出席できなかった。
B あるいは、佐々木有美株主は原告の呼びかけに応じ2002年10月被告株式を取得し、2003年の株主総会に出席するつもりであったが、同日行われたフジテレビの株主総会に出席するため出席できなかった。(3) しかし、この様な具体例を示すまでもなく、他社の株を保有している株主が、同じ日に開かれる総会に出席出来ない事実は明白であり、このようなことは、誰れかが証明する必要のあることではない。にもかかわらず、被告は上記のごとき主張をしているのである。
この主張も、被告の本裁判に臨む不誠実な姿勢を顕しているものである。
15 被告書面16頁記載の、原告求釈明関連主張について
(1) すでに述べたように、被告は毎年株主総会を、いわゆる集中日に開催しておきながら、また、今年、2004年の総会も6月29日の集中日に決定しながら、「意図的ではない」などと主張し続けている。
(2) 社員株主の動員についても、出席した者には誰の目にも明らかであるにも関わらず、「ばれない嘘はつき通す」という、原告の不誠実な姿勢がこういうところにも現れている。
(3) ちなみに上場企業の株主総会を扱った専門のホームページには、総会に要した時間と参加した株主の人数が公表されている。これによると、2003年総会の被告会社の「一般参加者」は19名となっている。しかし、実際には約170の株主席がほぼ埋め尽くされていた。この大半は社員株主であるとホームページに発表しているのである。
このホームページによれば、当日は上場企業1,832社で株主総会が開かれ、被告の総会に要した時間は3時間10分である。
被告会社の総会に費やした時間を正確に把握していることから見ても、このホームページのデーターは信用に値すると考えられる。
(4) 被告は、株主総会の開催日が目的事項でない理由について答えていない。
原告は 株主総会をある特定の日にすることを提案しているのではなく、集中日という特定の日にすべきでないという、いわば、株主一般にとって共通の利益になる提案を行っているのである。一般の株主に「株主総会集中日に総会を開くべきでない」という提案に反対する理由があるとは、到底考えられないことは言うまでもない。
V 原告の主張
以上に明らかになった如く
1 被告警備員の原告に対する、暴力行為の存在は明らかである。
2 原告は、被告株主総会に於いて「職場復帰」の要求など一切行っていない。
また被告は、その「答弁書」では「原告が暴言を吐く」ものだと繰返し主張していたが、「準備書面(1)」ではその主張がない。原告の示した証拠に全く暴言の部分がないので主張を止めざるを得なかったのである。
3 被告議長は、裁決を取らない理由すら説明せずに、原告を暴力で排除した。仮に百歩譲って、株主総会集中日について採決を取る義務が被告になかったとしても、暴力を用いて株主を排除するのであれば、その前に裁決を取らない理由を告げるべきである。原告の求めに応じず、理由の説明すらせずに暴力を行使した被告の違法性は明らかである。
W 結語
1 近年、株主総会を集中日に開催する企業が減少してきていることは周知の事実であり、被告の旧態然たる方策は時代から取り残されようとしている。
2 また、企業が社会的責任を果たしている度合いやその姿勢を市民が判断した上で、個人株主として投資することにより、企業に社会的責任を果たすことを促すことも始まっている。
3 しかし被告は、個人株主を企業に敵対する対象と見ており、株主は企業のオーナーであるという観点が欠落していると言わざるを得ない。
4 これは被告に社会正義に対する概念が欠落していることの表れと言える。本裁判に於いて明らかな虚偽を臆面もなく主張し続けることがそれを裏付けている。
5 それゆえに、原告の指摘するところの「被告職場の人権侵害を改めることは、結局は被告の利益につながる」という提案を、真摯に受容れることが出来ないのである。
6 上記よりして被告は、速やかにその発想の大転換を行うべきである。
そして、このような裁判を提起され、しかも虚偽まで主張して、この裁判で争うなどということに経営エネルギーを浪費すべきではない。
株主からの提言に真摯に向かい合い、改革すべきは改革し、社風を明るく生き生きとしたものとすること、これこそが被告会社の急務である。
被告は、本裁判に於いても原告に対して悪意の非難を行い続けてきているが、原告は元社員として、社会的責任を果たした被告会社の社業の隆盛、そこに於いて、原告のかつての同僚達の地位の向上と福利増進が実現されることを、他の誰よりも希っているものである。
被告が徒らな敵対的態度を絶止し、原告の提言を真摯に受止めることを強く望む次第である。
以上