土地ブローカー逮捕、数百万円受領か 西武鉄道利益供与
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西武鉄道の専務らが社有地を安く売却する方法で総会屋らに利益供与したとされる事件で、警視庁は6日、不動産ブローカー臼木茂容疑者(58)=神奈川県平塚市徳延=を商法違反(利益受供与)容疑で、西武鉄道子会社「西武不動産販売」の計画部長久保山鈴次郎容疑者(57)=埼玉県入間市仏子=も同法違反(利益供与)容疑で逮捕した。警視庁は、臼木容疑者が事件を画策し、土地の転売で得た利益約8800万円のうち、少なくとも数百万円を受け取っていたとみている。
臼木容疑者は「正規の土地取引で手数料を受け取っただけ」と否認。久保山容疑者は「関与はした」としているが、認否を留保している。この事件の逮捕者はこれで計11人になった。
組織犯罪対策3課の調べでは、臼木容疑者は神奈川県内にある西武鉄道の社有地計約6300平方メートルを安価で購入し、転売してもうけることを計画。知人の横浜市の不動産会社に持ちかけた。
00年12月、総会屋の芳賀龍臥(りゅうが)容疑者(74)=商法違反容疑で逮捕状=らとも共謀し、芳賀容疑者らが株主として西武鉄道の株主総会に出席し進行を妨げることをちらつかせながら同社側と交渉。01年1月と5月、それぞれの土地を実勢価格よりも安い計約1億1200万円で買い取り、約2億円で転売して利益を得た疑い。
久保山容疑者は西武鉄道の社有地販売を委託されている西武不動産販売の計画部長として、総会屋側との売買契約にかかわった疑い。
臼木容疑者は芳賀容疑者と面識があったという。同課は、総会屋を使って西武側との交渉を有利に運ぼうと計画に引き入れたとみている。転売先ともあらかじめ交渉し、確実に利益が出るよう計画を進めていたとみられ、ほかにもかかわった不動産ブローカーがいるとみて捜査している。 (03/07 03:06)
1999年09月09日
総会屋事件――判決から学ぶことは多い
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総会屋へ巨額な利益を供与し4大証券と第一勧業銀行の元幹部らが商法違反に問われた一連の事件で8日、前第一勧銀会長、奥田正司被告に懲役9月(執行猶予5年)の有罪判決が言い渡された。
この総会屋事件では31人が起訴されている。残るのは山一証券(自主廃業)の元社長、三木淳夫被告だけとなった。三木元社長は粉飾決算にからむ証券取引法違反にも問われていて、この方に裁判のウエートがかかっており長期化しそうである。事実上、この日の判決で司法の場での総会屋事件は決着である。
日本の金融・証券のトップ企業5社が1人の総会屋に振り回された事件だった。ただ、5社の中でもっとも罪が重いのが第一勧銀といえる。判決の認定によれば、株主総会の円滑な進行に協力してもらう謝礼として、1994年7月から96年9月の間に52回にわたり計117億円余を総会屋にう回融資した。
第一勧銀の融資が4大証券から利益供与を引き出す原資となっており、この面でも罪は重かった。第一勧銀側では11人が起訴されているが、この融資時の頭取だったのが奥田前会長だった。
そうした立場にありながら、法廷では弁解を繰り返した。「身をもって責任を全うする」という遺書を残して自殺した元会長に責任を負わせ、総会屋融資は旧第一銀行系の案件であり、旧日本勧業銀行系の自分の関与は希薄だったという主張も展開した。頭取の地位にあったものの発言とも思えない。検察が論告で「無責任な弁解だ」と糾弾したのももっともである。
判決は「銀行の最高幹部の指示によって引き起こされた組織ぐるみの犯行」と認定したうえ、「株主総会の議事を短時間で平穏に終了させる目的で融資が行われた。総会屋との癒着を拡大し、株主総会の健全性を著しく害した」と非難した。
この指摘を、第一勧銀だけでなく企業トップは重々心しなければならない。ただ、総会屋事件は風化したようにみえる。97年5月に野村証券元幹部が逮捕されて以来、大きな社会問題になった。まだ2年余しか経過していないが、その後に大蔵省の汚職事件、防衛庁の背任事件、さらに大手銀行の粉飾決算事件も続き、この事件は忘れ去られたかのようだ。
だが、風化が許される事件ではない。事件の反省から、97年には利益供与の罰則も引き上げられ、利益供与の要求だけでも罰せられることになった。このため、総会屋勢力は減少しているという。しかし、捜査当局は警戒を強めている。82年の商法改正で企業の利益供与が禁じられ、総会屋活動は沈静化したものの、まもなく復活したという過去の経験があるからだ。早々の風化は轍(てつ)を踏むことになりかねない。
4大証券や第一勧銀の多くの被告に言い渡された判決を振り返ると、貴重な指摘があった。日興証券事件で判決は「漫然と悪弊を引き継ぎ、反省のない態度は度し難い」。野村証券事件では「株主総会の平穏な運営を最優先に総会屋を懐柔しようという姿勢に終始し、つけ込まれた」と述べていた。
数々の箴言(しんげん)を肝に銘じ、総会屋との決別を確固としたものにしてほしい。そうしてこそ一連の総会屋事件の裁判は意味あるものとなる。
(毎日新聞 1999/09/08 23:57:00)
<特報・消えた検事調書>
1. 日興証券元常務の「供述日誌」
本誌は、新井将敬・前自民党代議士が自殺した去る2月19日の直後、同氏のもとにあった200数十枚に及ぶ膨大な資料を入手した。新井氏と総会屋への利益供与事件で逮捕された日興証券元常務の濱平裕行氏が、東京地検特捜部の取り調べの内容を克明に書いたメモが資料の大半だ。
濱平氏は日興証券を舞台とした総会屋と新井将敬氏に対する2つの利益供与事件で株取引による不正な利益付けかえ工作の責任者と見られ、昨年10月21日、東京地検特捜部に逮捕された。総会屋事件では、取締役兼株式部長だった95年当時、同社独自の株売買のうち、利益があがった取引を大物総会屋、小池隆一・被告の関係会社からの注文だったように見せかける手口で総額約5400万円を提供した。
新井氏への利益供与事件ではより重要な役割を果たしていた。濱平氏は新井氏の借名口座による株運用の窓口だったとみられており、やはり逮捕された平石弓夫・元副社長の指示で95年10月から96年6月までに約2900万円もの利益付けかえ工作を行なった新井氏亡き今では借名口座による≪新井政界ファンド≫の裏側を最も深く知る人物といっていい。
資料は2種類ある。一つは濱平氏が検事とのやりとりを書き綴った自筆の≪供述日誌≫というべきもので、特捜部の任意の事情聴取が始まった昨年8月27日から、逮捕(10月21日)をはさんで起訴後の11月20日まで、59日分の全記録である。特に重要な部分は裁判に備えて公正証書の手続きを踏んでいる。もう一つは、濱平夫人が日興証券や濱平氏の弁護士と交渉したり協議を重ねた内容を細かくメモしたノートだ。
資料を詳細に分析していくと、見逃し難い重大な事実がいくつかある。その第一は、濱平氏が取り調べ当初より3項目の容疑事実を一貫して否認し、(1)小池被告を総会屋とは知らなかった、(2)小池被告の口座に損失が出ていたのも知らない、(3)株の付けかえは値上がりする前の段階で行なっており、下がる可能性もあった→利益供与にはあたらない――と潔白を主張していたことだ。
しかし、濱平氏の主張とは逆に、日興証券首脳部は早い段階から事件が社内の他の問題に拡大するのを防ぐために容疑事実を認め、特捜部の捜査に協力する姿勢をとっていた。そうしたことから、濱平氏は会社側と特捜部の双方から強く捜査への協力を迫られ、自分自身の潔白主張が“捜査妨害になる”と厳しい追及を受けていた。
犯罪捜査の裏側で、容疑者の犯罪事実がいかに形成されていくかをみるうえで興味深い。
日航が総会屋に不正利益供与---航空業界最大手、日本航空(東京都品川区)の幹部(総務担当取締役)が、株主総会の進行に協力してもらうため、鉢植木のリース名目で多額の現金を総会屋に供与していたとして、警視庁捜査4課は8月17日、指定暴力団住吉会河内組幹部で総会屋グループ「森本企業調査会」幹部と、植木リース会社「泰平」(東京都目黒区)社長の2容疑者を商法違反(利益供与)容疑で逮捕した。
〜総会屋への利益供与事件について5労組見解〜
経営は真に反省し、全ての不正・違法の一掃を
1998年9月7日
去る8月17日、いわゆる総会屋(逮捕済み〉ヘの利益供与事件が報道され、総務担当取締らが敢り調ぺを受け、本日、当取締役は罰金50万円の略式命令を受けた。日航内5労組は、社長に対して既に8月10日及び20日の2度にわたり、その経緯の説明を文書て要求したが、末だ何の説明もない。社内報等て伝えられる情報は、新聞に報道された内容の域を出ず、全社員の疑間に答えるものではない。
マスコミには「“空”約束だった絶縁宣言」「取引装い巧妙に」「裏切りに警視庁当惑」等と報道されているが、兼子社長以下の対応は真の反省に基づいたものではなく「企業犯罪との認識が欠如し、責任逃れ」に終始し、これがまた新たな疑惑を招いている。
警察当局の取り締まり対象である反社会的集団相手に「通常の商取引」等あるハズがない。
兼子社長以下、日航経営の常識は一般社会のそれと大きく異なるのではないか?
不正や違法に対する判断基準がおかしいのではないか?
今や社員の経営に対する不信と怒りは極に達している。経営は「企業行勤点検委員会」を設置し、反社会的行為並びに法に反する事柄の根絶を計るとしているが、伝えられる構成メンバーでは、その成果は疑問であり、我々従来から一貫して経営の不正や違法を指摘してきた労組の代表を構成メンパーに加えるよう要求する。
いわゆる総会屋に「通常の商取引」を装って大金を支払つてまで隠したかった経営の問題とは何であり、総会屋につけ入られる弱点とは何なのか、歴代の役員らはどのように関与したのか、これらの真相究明とその排除は真の日航再建に不可欠である。
今回の事件で、日本航空の社会的信用を失墜させた経営責任は極めて大きい。関与した或いは責任ある立場に居た役負は「不正支出分」を会社に弁済すぺきである。
我々5労組は日航内にある「全ての不正・違法」を一掃し、社会的信頼を回復させ、以って日航の真の再建を目指して全カで敢り組む事を確認する。
日航内5労組
(機長組合、先任組合、乗貝組合、客乗組合、日航労組)
*5労組は、この見解を9月8日付けでマスコミに発表するとともに、経営にも届けています。
1997年3月13日付
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企業の論理欠如を嘆く
再び、名門大企業の不祥事が発覚した。今回発覚したのは、その会社の名前を知らない人はいない、と言ってもいいほどなじみの深い総合食品メーカー最大手の「味の素」だけに衝撃も大きかった。容疑は総務部長らが株主総会対策などの名目で総会屋に現金600万円を渡していたというものだ。
昨年は高島屋、今年に入ってからは野村証券の総会屋などの利益供与が明るみになっており、名門企業の失墜ぶりは目を覆うばかりである。
今回の事件で同社は、元警視庁警察官で総務部課長の個人名義の銀行口座に年間約1億円を振り込み、そこから総会屋への金をねん出するという巧妙なカムフラージュがなされていたという。1982年の商法改正で総会屋対策が強化されたにもかかわらず、なぜ、このような事件が多発するのか。その根底には企業の体面ばかりでなく、目的のためには手段を選ばずといった経営体質がある。
しかし、これは極めて日本的な体質であり、高度経済成長時代のツケともいえよう。日本の企業は、なり振りかまわず突進し、世界へと進出した。しかし、海外に進出すれば、日本的体質は通用しない、少しでもルールを踏みはずせば即、摘発される。事実、同社も昨年は米国で飼料添加物リジンの価格操作をしていた米独禁法違反事件で会社の有罪が確定している。
今や、「企業倫理の確立」なくして、企業の発展はあり得ないと言っていいだろう。
当然のことながら、株主総会とは、株主の意見を最大限に吸い上げる場である。しかし、企業の中には、いまだに短時間に「シャンシャン総会」で終わらせるかにきゅうきゅうとしているところが多いという。経営者が「株主軽視」を続けている限り、同種の事件が再発するのは目に見えており、いかに「株主重視」に頭を転換できるかにかかっている。
なぜ、企業が総会屋に利益供与を図る必要があるのか。資金は自らの企業利益のために使えばいいのに。その背景には何か後ろめたいものがあるのではないか。というのが素朴な疑問である。霧のかかった部分が解明されない限り、問題の解決にはならない。
創業時はいいが、企業が大きくなればなるほど、企業内の官僚化が進むといわれている。
しかし、何か事件が起きれば「トカゲの尻尾切り」で、経営陣は自らの非は隠し、安泰を求めるために奔走するというのが実態ではなかったのではないだろうか。そのような繰り返しは通用しない。先に記したように世界のルールは厳しい。特に日本の企業に対する監視の目となるとなおさらだ。
いま、企業に問われているのは、企業内の官僚化を打破し、世界に通用する商慣行を早急に確立すべきではないだろうか。総会屋対策にしがみついているような時代ではない。かつて「君子財を愛し、これを取るに道あり」と商道徳を説いた財界人がいた。かみしめてほしい。
(2)キリンビール事件 (参考:日経1997-11-11)
1993年7月に発覚した総会屋への利益供与事件。元総務部長ら4人が逮捕された。警視庁の調べによると、キリンは93年の株主総会対策で4660万円を総会屋45人に渡していた。85年からの累計は4億円を越すという。事件の責任をとって本山英世会長(当時)ら役員4人が辞任した。事件後、総務部の要員を取り換え、更に警察OBも入れた。また総務部への配属は3年で替えている。総会屋事件で逮捕された社員は解雇しなかった。「仕事として総会屋窓口の渉外担当となり、会社によかれとやったのであり、個人的な着服ではない。元職場から気の毒だから是非戻してほしいという声もあったほどだ。もし解雇すると言ったら、他の社員が反対しただろう」(佐藤安弘社長)。この事件そのものに関するコメントは控えるが、重要なことはこの事件後、企業がどのように対処していったかである。昨年三菱自動車工業を初めとした「海の家」事件をみると、少なくともキリンビール事件は生かされなかったわけであり、キリンビール自身の体質がかわったかというと、確かに総会屋対策はやっているようであるが企業体質の改革となるとやはり疑問である。
ところで、一口に総会屋といっても、いろいろなタイプがあります。一匹狼も居れば、多数の輩下を抱え会社組織を構えている者も居ます。新聞、雑誌等の出版を看板にしている者、右翼を標榜する者など様ざまです。
こうした総会屋をその活動形態から分類してみますと、次のようになります。
●万歳屋
株主総会に出席して、企業側の発言に対してなんでも「異議なし、賛成」と叫んで会議の進行に協力し、なにがしかの金を貰って歩く連中です。総会の受付等で会社やその会社の幹事総会屋から祝儀を貰えば、そのまま帰る者も多いといわれています。
●分割屋
入手した株を多人数に細分割譲渡し名義の書替を要求する連中です。こうした行為を「株付」といいます。この分割要求は企業にとって最も事務量の多い期末を狙って行うのが多く、企業にとってはこの手口を使われると事務の複雑化に加え、不要な維持費を要することになるので、勢い分割要求をされた株を時価以上で買い取ったり、何がしかの金で解決を図ることになりがちです。
それが彼らの狙い目で、総会屋としては初歩的な手口であるといわれています。
●事件屋
企業の弱点やスキャンダルを探し出して、それをたねに株主総会や出版物等で公表するとして企業側を追求し、その解決金として、企業から不法利益を得ることを目的として活動している連中です。
●総会荒し屋
自分の名前を売り出すために、総会の場で企業側を攻撃し、やり込め、企業側に「手ごわい存在だ」と認識を持たせようとする連中です。
総会屋を稼業として行くために、総会荒しの手口を売出しの手段としているわけです。
●進行屋
企業側の株主となって株主総会に出席し、反対派の発言を封じ、企業側の有利となるよう株主総会をリードし、その報酬として金員を得る連中です。
総会屋としての経験と実力を備え、総会屋としては相当上位にランクされている連中です。株主総会の進行屋としての報酬のほか、慰問料、賛助金名下に月々金品を得ている場合もあるといわれています。
●出版屋
「○○経済研究所」「○○通信社」などの看板を掲げ、新聞、雑誌等を発行して、その購読料、賛助金、広告料等名下に金員を得ている連中です。
総会屋の多くは、こうした新聞、雑誌等を出版しているようです。
●仲裁屋
別名「まとめ屋」といわれ、総会が紛糾した場合に仲に入って妥協案を出し、総会を無事に進行させ、謝礼名目の金品を得る連中です。
攻撃屋と馴れ合いで動く場合もあるといわれています。
●攻撃屋
企業内部の一部の派閥や、株の買占屋等の手先となって総会に乗り込み、企業側を執拗に攻撃追求することによって、依頼者から謝礼を貰う連中です。
●防衛屋
総会で企業側に攻撃をかけてくる連中に対して、企業側からの依頼を受け、総会を守る立場をとる連中で、相当の人数を揃えて総会に出席することもあります。
以上のように、総会屋にもいろいろなタイプがありますが、彼らは常に1つのタイプを堅持しているわけではありません。相手に応じ、時に応じて、総会荒し屋が進行屋になったり、逆に進行屋が総会荒し屋に変身することは日常茶飯事であるといわれています。
総会屋の世界はまさに彼らで言うところの実力の世界ですから、大物総会屋といわれるまでには、生半可な経済評論家以上の理論を持ち、経験を積んでいるといわれています。
1997年に味の素、四大証券、第一勧業銀行、松坂屋、三菱電機、三菱自動車、東芝、日立製作所と日本を代表する各社が軒並み総会屋への利益供与罪で摘発されたのを機に、罰則が3年以下の懲役に引き上げられ、利益要求罪も新設された。しかし、その改正後も日本航空、神戸製鋼所、クボタ、住倉工業などで利益供与が発覚し、神戸製鋼所の元会長たちに対しては代表訴訟まで提起され、会長らは和解によって3億1000万円の支払いまで行っている。裁判所はこの和解に当たり「所見」を発表し、「トップが知らなかったとしても内部統制システムを構築すべき義務に違反している以上責任は免れない」むねの見解