平成17年(ネ受)594号
上告受理申立て事件

 申立人  田 中 哲 朗
 相手方  東京都

上告受理申立書

  2005年 9月9日

東京高等裁判所第9民事部
              御中

      申立人 田中哲朗
                

1、原判決は刑事訴訟法に関して

「3 控訴人の当審における訴えの追加的変更について 控訴人は,新たに,沖電気の談合行為を告発したのに,警察は進んで捜査をせず,放置したことを不法行為に当たると主張する。これは控訴審における訴えの追加的変更に当たるというべきであるが,被控訴人は異議なく応訴したので,先に進んで判断するに,告発については,刑訴法が,「何人でも,犯罪があると思料するときは,告発をすることができる。」(239条1項)と規定するところ,これは,告発人に自己の利益のため犯人の処罰を求める個人的権利を付与したものではなく,告発に係る犯罪の存否,犯人及び証拠について必要な捜査を促すという公益上の地位を付与したにすぎないのであって,そのような告発に対する不作為が直ちに告発人の国家賠償法1条1項の法的保護に値する権利又は利益に対する侵害を構成するとは認められないのである。したがって,控訴人の上記主張は,主張自体失当である。」

などとしている。
 
2, すなわち、刑訴法239条1項によれば「告発人が自己の利益のため犯人の処罰を求める」ような場合は警察は犯罪を捜査しなくてもよい、と原判決は判断している。

3,しかし、犯罪が存在する以上、その告発が「告発人の利益」であろうが無かろうが警察は捜査をしなければならないのが刑訴法の趣旨であることは明確であり、この判断は著しく法解釈を誤っている。

4, このような解釈がまかりとおるならば、犯罪の通報、告発に対し、警察は通報者、告発者が犯人とどのような関係であるかを捜査した上で、「通報者や告発人の利益」ではない場合だけ摘発する、などという非現実的な行為が許されてしまうのである。

5,従って原判決は法令に関する重大な判断の過ちを犯しており、差し戻されるべきである。

6, 本件は警察が組織的にかかわった事件であるのに、裁判所は一審では、警察官個人の問題であるかのように判決した。本審では原告は、本件が警察が企業から利益供与を受けており、その利害関係から株主総会において企業に偏った姿勢を取っていることをさらに主張立証したのに、判決はそのことに対する判断を全く回避している。談合を知りながら放置している警察の対応はこの警察の企業と癒着した姿勢を裏付ける重大な事実であるのに本判決は、沖電気による談合の事実の有無についても判断を回避し、さらに警察がそれを告発されてすら放置していることを刑事訴訟法の判断をゆがめてまで正当化するものであり、このような裁判所の姿勢が国内に広く知られるならば、裁判所の信用を失墜するものと言わざるを得ない。

以上