平成15年(ワ)第2805号
 原 告 田 中  哲 朗
被 告 東   京   都  

準   備   書   面  ( 原告2 )

2004年8月17日

東 京 地 方 裁 判 所
八  王  子  支  部
  民 事 第 四 部
御 中

原告訴訟代理人

弁護士  大 口  昭 彦

第1 原告が被告より受けた損害。

1,肉体的損害

(1)被告は2002年度沖電気株主総会において、直接には暴力をふるわなかった。しかし、沖電気警備員が原告に対し、暴力を持って排除することを傍観した。
 
(2)このため、別訴被告沖電気工業株式会社、(以下沖電気という)はいわば、警察を後ろ盾として原告に暴力をふるったのである。

(3) 原告は(原告以外の株主にとっても同様であるが)沖電気からその臨席を告げられ、株主が名乗り出るように求めても名乗りでない警察官は沖電気の味方をしており、沖電気の暴力に下手に抵抗すれば警察から逮捕されるかも知れないと言う恐怖心を持った。
   一方、沖電気の方は、警察が黙認し、会社支持の態度を示しているので、株主は強い何も抵抗は出来ず、さらには何かあったときには、直ちに警察権を発動してくれるだろう、という安心感の下に暴力の行使を行ったのである。

(4) この暴力の結果、原告の肩の負傷は悪化し、同年11月まで以後4ヶ月に亘って通院を余儀なくされたのである。

(5)この責任は沖電気のみだけではなく、被告にもあるとことが明らかである。

 2,精神的損害

(1) 原告は、公平であるべき警察が暴力を看過し、名乗り出るように求められても名乗りでないという沖電気に偏った不公平な対応を取ったことにより、絶望感を被った。

(2) 事件現場への警察官の現在の事実について警察に嘘をつかれ、会社に偏った姿勢を見せられたことによって、この件にかぎらず、何らかの不法行為による被害を受けたとき国民として警察から守って貰えるという警察に対する信頼を失い、不信、絶望感を被った。

(3) 次年度以降の株主総会においても、警察が会社の味方をすることにより同様の損害を受ける危険に対する、持続した恐怖心を持った。
 この責任は被告にある。

 3,名誉の毀損

(1)沖電気は原告に対し、法律おいては、犯罪者が現に犯罪を犯しているときのみに処せられる処遇を与えた。すなわち、

@ 本人の意志に反し物理的力を与え続け、身体の自由を拘束し、肉体に苦痛ないし傷害を与えてまで原告を株主総会の会場から引きづり出した。

A 沖電気は原告に対し当事者以外だれも見ていなかったとしてさえ屈辱的なこの処遇を、多数の株主及び被告会社役員、すなわち公衆の面前で与えた。

B このような扱いを受けるものが株主総会会場において合法的に存在するとすれば、違法に株主総会を混乱させることで企業から金品を脅し取ろうとする総会屋のような存在であろうと一般には考えられる。

 C 原告はそのように扱われることでその場において社会的信用を著しく失墜していることは疑いがない。

(2)  また、原告にとって屈辱的な社会的信用失墜の状況は、その場だけで終わるものではない。

@ この状況の目撃者である一般株主及び沖電気関係者は(会社役員、及び社員株主)は、原告等が総会に於いて、何を問題にし、議論しようとしたのか、その経過について一切明らかにせず、排除の事実のみ、これを口外する可能性がある。
   特に、沖電気関係者は日常的に株主総会の状況を口外していると考えられる。

A 原告の運営するインターネットの掲示板及び、原告へのメールで、株主総会に沖電気の社員株主として出席したものからの情報に基づく原告の行動に関する書き込みが複数回あった。(中には原告に好意的なものもあり、原告はそのことを株主総会で示したことがある)

B 原告は総会の翌日、ないし数日後に沖電気八王子工場の門前において沖電気警備員から「田中さん、今年はがんばったそうじゃないか」などと声をかけられ、彼らの言葉からすでに警備員等が株主総会の状況を聞いていることを知ったことが複数回ある。

C このことから沖電気内では株主総会の状況に関する関心は高く、短時間で情報が社内に広く伝播され、八王子工場の警備員まで到達しているという状況が推測される。

D  沖電気従業員、及びその関係者の多くの割合が原告が社会的信用を失墜した状況を認識していると考えるのが妥当である。

(3) 既に述べたように

@ 沖電気の暴力行為は警察がこれを黙認することにより 、警察を後ろ盾としてなされた。

A また、警察がそれを黙認したという事実は、原告があたかも総会屋のごとく扱われることが、正当なものであるがごとき認識を社会に与えている。

(4) よって、被告は原告に対する名誉の毀損に大きく加担したと言わざるを得ない。

 4,経済的損害

(1) 原告は株主総会における株主としての正当な権利を守り、かつ警察官による不当逮捕の危険を回避するためには弁護士に保護を依頼せざるを得ない状況に追い込まれた。警察が公平な姿勢を示していれば依頼する必要はなかった。

 原告のみならず、

@ 正当な発言、質問をしているだけの株主が暴力で排除されることを看過し、

A また暴力行為の現場で名乗り出よ言われても警察官として名乗り出ず、

B さらには、後にその事実を指摘されると「その場に警官はいなかった」などという嘘で言い逃れをし、

C 弁護士からの申し入れに対しては警察署長までもが「早合点」などという言い逃れをし

D 本裁判においてさえも「議事に暴力を用いないで欲しい」とする原告等株主の発言を「差別問題があるなどと騒ぎ立てた」などと沖電気の主張そのもののごとくに歪曲して主張するごときの対応を見れば、

@  警察が沖電気に著しく偏った不公正な姿勢を持っており、沖電気を批判する株主は株主総会の会場において、ささいなことを理由に警察官から不当逮捕される危険が非常に高いと考えることは当然である。

A  警察に逮捕されることは、会社から暴力排除を受ける以上に大きな恐怖であることは疑う余地がない。

B  原告はその危険を回避するために、法的権限を持つ弁護士に護衛を依頼せざるを得なかった。その費用は上記警察の行動が原因で発生したものである。

(2) なお

@ 2003年の沖電気株主総会において、不当逮捕を防ぐために、あらかじめ原告が依頼した弁護士より申入書を被告に送付した。(甲第25号証)

A 2003年の株主総会当日は警察の不当逮捕を防ぐために3人の弁護士に護衛を依頼した。
  大口昭彦弁護士、藤田正人弁護士は会場内において状況を監視し、また森川文人弁護士には会場外に待機して頂き、不測の事態の対応に備えていただいた。

B この弁護士費用の出費は被告の責任である

(3) また、この被告の対応、その後の、三田警察署長からの反省のない回答(甲第26号証)また、公安委員会の不誠実な対応(甲第23号証)のゆえに、原告の身の安全を守る目的と、社会的不正義を正す目的から本件訴訟に至らざるを得なかった。

  訴訟に必要な経済的、時間的労力の発生は被告の責任である

(4) 原告は申入書を作成する等、時間と交通費をかけて三田警察署へ出向いたのに、警察官から嘘の説明を受けたため、その費用労力が無駄になった。

 この責任はまさに被告に存在するものである。

5,株主の権利の侵害

   原告は総会会場から排除されたことで総会に於いて株主として質問し、議決に参加する等の権利行使が阻害された。被告はその行為に加担した。

第2 2004年度第80回沖電気株主総会に於ける暴力排除について。

1,  2004年6月29日に開催された沖電気の第80回株主総会に於いて、沖電気はまたもや原告を暴力で排除した。

  この件について原告は沖電気を相手として別訴を予定しているが本裁判においても、沖電気の株主総会に対する不当な姿勢を端的にあらわしており、ひいてはそのような沖電気に肩入れし支持し、あたかも原告の方が違法に株主総会を混乱させているかのごとく主張し、原告に敵対する被告の姿勢が不当なものであることを明らかにする事実として示す。

2, 経過

(1) 原告は2004年6月29日開催の沖電気80回総会に於いて、本書面第3に後述する、沖電気従業員が大分県湯布院町長に対して行った、沖電気公共事業受注に関する贈賄事件(以下湯布院贈賄事件)についての質問を行った。

(2)この質問の内容は、

@ 贈賄を実行した従業員の上司、会社役員は誰があらかじめ承知していたのか。
  
A この事件の為、沖電気は1ヶ月間の電気事業の営業停止という処分を受けたが、このことによる損害額をいくらと算定するか、

というものであった。(甲第30号証 番号8)

(3)議長であった沖電気社長篠塚正勝(以下、社長篠塚)の命を受けた沖電気役員前田某は

@ 贈賄を行った従業員は湯布院町長から金を執拗に要求された。(同
番号19,23)

A この従業員は贈賄に使った金を家族から借りた。(同番号27,29,31)

B この従業員が「その事実を全部飲み込んでやった」(同番号34)

 との答弁を行った。

(4) 原告はAの質問に関する答弁が無かったので、答弁を求めた。(同番号39,41,42,)

(5) 社長篠塚は原告の質問に答えないまま他の株主に発言を許した。(同番号40,44)

(6) 原告は質問に答えていないとして、さらに回答を求めた。(同番号45,47)

(7) 社長篠塚は「すでに回答された」として質問に答えなかった(同番号48)

(8) 他の株主が質問を始めた。(同番号50))

(9) 原告はその株主に、「あなただって質問に答えないと嫌でしょう。」と株主は回答を得るために質問をするのだから、議長が回答するまで、次の質問者は待つよう同意を求めた。(番号51) 

(10) その株主は「いやとくに。」と、回答を得られなくてもかまわないかのような発言を行った。(同番号52)

(11) 原告は回答が必要のない質問ならするべきでないと指摘した。(同番号53)

(12) 社長篠塚は「不規則発言をやめろ」「着席しろ」というだけで全く質問に答えなかった。(同番号54,56,58以下)

(13) 社長篠塚は退場の警告を行った。  (同番号62)

(14) 原告は目的事項について質問しているのだから回答しないで暴力で株主を排除することは不当だ。と指摘した。  (同番号65、70,73)

(15) 警備員が強制排除を始めたので原告は着席した。  (同番号82)

(16) 社長篠塚は議事を中断し、すでに着席している原告を退場させるよう警備員に命じた。  (同番号83)

(17) 他の株主が議長の強権的議事運営に抗議した。  (同番号91、103)

(18) 原告は「暴力をふるうな。」「体に触るな。」と警備員に求めた。  (同番号121,123、127)

(19)  原告は「暴力を振るうのであれば法的手段に訴える。」と警告した。 (同番号125)

(20) 警備員は着席している原告を取り囲み、椅子ごと原告を持ち上げて運び出そうとした。  (同番号132)

(21) 床に座って運び出されることを拒む原告に、警備員は腕を絡ませるなどして持ち上げようとした。   (同番号147,149,153)(甲第33号証 写真1))

(22) 警備員は「触っていません」「力、入れてません」などと言いながら、腕を絡ませ、原告を持ち上げようとするので原告は触って力を入れている事を指摘し、暴力を止めるよう訴え続けた。  (甲第30号証 番号154,158,160,170,171,172,以下)

(23) この様な状況の下、社長篠塚はさらに退場を促した。  ( 同番号187,189)

(24) 原告は警備員の一人の足にしがみついて持ち上げられないよう抵抗した。  (同番号212) 

(25) 警備員達は原告の脇に腕をねじ込み、また足を掴んで原告の体を持ち上げ、原告を会場から運び出した。 (甲第33号証 写真2)(甲第30号証 番号22,226,234,235)

3, 上記暴力排除に関する沖電気の違法性

(1) 原告が強制排除された際に行っていた湯布院事件に関する質問は、この総会において原告の質問の前に「報告事項」として一部が報告された、「目的事項」であった。

(2) また、この総会の「招集通知」(甲第32号証 )4pには「沖電気行動規範」に基づく全社員教育を実施すると書かれ、その「沖電気行動規範」(甲第31号証)の4.1には「不正な取引の禁止」について書かれており、この事件はまさに、この規範に違反するものであり、この事件に関する質問はこれらに関する紛れもない「目的事項」であった。

(3) 沖電気は、この事件について通り一遍の、また、従業員が個人として行ったもので、会社には責任が無いかごとくの答弁を行い、事件の詳細、責任の所在、損害額などの説明を行わなかった。

(4) そこで原告は、

@ 沖電気は誰がそのことを承知していたか。

A 上記贈賄事件によって被告が受けた損害額をいくらと算定するか、
という質問を行ったのである。

(5) 贈賄を行った従業員が「その事実を全部飲み込んでやった」という沖電気の答弁は、実際には会社全体で行った犯罪を、その従業員が罪を引き受けたかの印象さえ与えるものである。
   会社の仕事を受注するために従業員が家族から300万円もの金を借りて贈賄という犯罪を犯したとする沖電気の説明は、社会通念からは簡単に納得を得られるものではなく、会社に対する不信を招くものであると言わざるを得ない。

(6)原告は、答弁の中に上記Aについての回答がなかったので回答を求めた。

@ 沖電気はこの事件によって、電気事業に関して1ヶ月の営業停止処分を受けている。

A また岐阜県からは入札停止の処分を受けている。

   これらが、沖電気にとってどれほどの損害であったかを株主に報告する責任が沖電気に存在することは疑う余地がない。

(7) またこれらは上記、報告事項に関するだけではなく経理、営業報告の一部でもあり、当然株主総会の目的事項である。したがって、議長である社長篠塚はこの質問に答える責任が存在する。

(8) にも関わらず、社長篠塚は原告の質問に回答を拒絶した。また回答をしない理由さえ述べなかった。これは明らかに商法に規定された議長の説明責任に違反する違法行為である。

(9) 原告は質問に答えるよう求め続けていただけであり、これは株主として当然の権利であることも疑いがない。

(10) にも関わらず、社長篠塚を退場させることを命じ、警備員等に暴力を行使させた。

(11) 警備員が暴力を行使し始めた際に原告はすでに着席していた。にもかかわらず、社長篠塚は警備員に暴力の継続を命じ、株主の体を抱え上げ、足を持って会場から運び出すという過激な方法で原告を排除したのである。

(12) 原告の回答を求める行為は株主の権利として正当なものであり、社長篠塚の行為は違法なものであることは疑う余地がないのである。

4, 本裁判との関連

(1) 被告は本訴において、2002年78回株主総会において沖電気が原告の質問に答えなかった理由を、それが目的事項以外であるとし、回答に答えないことを抗議する原告を強制排除したことを議長の議事整理権を理由に正当なものとして主張している。

(2)しかし、80回総会においての原告の質問は明らかに目的事項であったのに関わらず、沖電気はその答弁を拒否し、抗議されると強制排除を行ったのである。

(3)このことにより 沖電気は自らの不祥事を指摘されるとその答弁を拒否し、さらに追求されると株主を放り出すことを常習としていると言わざるを得ない。その質問が「目的事項」であってもなくても同様の対応を取ることが80回の総会で明確になったのである。

 5, 被告の違法性

(1) 以上、沖電気は、その質問が目的事項であろうがなかろうが、沖電気の不祥事を指摘する株主を暴力で排除することが明らかになった。

(2) 被告は、あたかも原告の方が、違法に株主総会を混乱させている者であり、沖電気の議事運営が正当であるとし、それを理由に原告の暴力排除を看過し、その後、その事実を「その場に警官がいなかった」などという嘘で言い逃れをし、さらに三田署長までもが「早合点をした」などという言い訳に終始している。

(3) しかし沖電気の行動こそが違法であることが明らかにされたのであり、被告のそれを擁護する偏った姿勢は違法であると言わざるを得ない。

(4) 本書面、第3に改めて示すように沖電気は公共事業に関する贈賄という犯罪を犯しながら反省の姿勢を示していない。このような企業に偏り擁護するのみならず、その不正を指摘し、正そうとする原告等株主と敵対することは、本来の警察の取るべき姿勢とは全く逆行していると言わざるを得ない。

(5) 80回総会において、警察官が臨場していたかどうかは定かではない。しかし臨席していたとすれば上記に明らかにした如く、明らかに沖電気の議事運営に非がある状況でさえも警察官は名乗り出ず、その暴力を看過したことになり、違法と言わざるを得ない。

第3 湯布院贈賄事件について。

1、事件の経過

(1) 沖電気工業株式会社ネットワークシステムカンパニー公共システム事業センター統括マネージャ兼公共営業第2部長 有永 弘 と  沖電気九州支社副支社長 中島 繁 は共謀の上、平成12年11月27日ころ、大分県湯布院町が発注予定の無線放送施設設置工事の指名競争入札参加者として、沖電気工業株式会社九州支社を選定、指名するなどの有利かつ便宜な取り計らいしてもらいたい旨の請託を湯布院町長 吉村 格哉 に対して行い、その報酬として現金300万円を供与し、町長の同町が発注する土木建築工事等の指名競争入札における入札参加者の選定・指名等の職務に関する職務に関し賄賂を供与した。

(2) 2004年3月24日 大分地方裁判所刑事部は本件 平成15年(わ)第365号、第410号 について

@ 被告人有永及び中島は沖電気が前記工事を落札して、自己の営業成績を上げるため、被告人江藤に渡す金銭が賄賂として被告人吉村に渡されることを知りながら江藤に金銭を交付したものであり、江藤は沖電気に落札させることによって、自己の手数料を得ようとして、吉村に賄賂を供与したもので、いずれもその動機に酌むべき事情はない。
 として

A 有永 弘 と 中島 繁 に対し 懲役1年2月 執行猶予3年の有罪判決が出され、この判決は確定された。

(3)この為、沖電気は電気工事の営業につき、2004年6月24日から7月23日までの営業停止、その期間に処分に反する行為があると5年間の免許取り消しという非常に厳しい処分を監督官庁から受けた。 

2、2004年株主総会における本件に関する沖電気の説明

(1)この件に関し、沖電気は収集通知などの書面では株主に一切報告をしなかった。

(2)2004年度株主総会において沖電気は株主からの書面による質問に答える形で。

@ この件は沖電気の社員が湯布院町長からの執拗な要求に抗しきれず贈賄を行ったものである。

A 沖電気はこの社員を解雇した。

B 関係者に減給などの処分を行った。

C 沖電気行動規範に則り、再発防止の教育を行う。

  という非常に簡単な説明のみを行った。因みにこの説明に要した時間は1分30秒にすぎなかった。

(3)原告は上記 第2、3,(4)に示したごとく質問をしたが同、(5)以下に示したように沖電気は回答を拒絶し、回答を求め続けたところ暴力による排除を受けたものである。

4,沖電気の違法性

(1)この事件に関する沖電気の説明は、従業員が個人的に行ったもので沖電気には監督責任のみしか存在しないかのようなものであった。

(2)しかし、本事件の大分県警による中島繁等に対する供述調書(必要に応じ証拠として提出する)によると、沖電気は公共事業に関する「営業」と称して、いわゆる談合行為を少なくとも20年におよぶ長年に亘り同業他社と繰り返していたことが明らかである。

(3)談合行為の成功報酬として「仲介業者」に受注額の3パーセントもの金を支払うことを慣例としているのである。

(4)この成功報酬の一部が「仲介業者」を経て町長などに賄賂として渡る可能性が高いことを被告等、営業に関わる沖電気従業員は十分認識している。

(5)この決済は沖電気の経理で行われているところから、紛れもなく沖電気として独占禁止法に違反する不正を行っているのである。

(6)本件贈賄事件もそのような違法な慣例の中から必然的に発生したものであり、沖電気に責任があることは疑う余地がない。

5,本件との関連

(1)被告は原告が沖電気の人権侵害を改めさせる為に株主総会に出席して発言していることに対し、人権侵害などは存在せず、原告は総会を違法に妨害しているならず者であるがごとき主張を行っている。

(2)しかし現実は沖電気のほうこそが、その職場の人権侵害のみならず、贈賄事件、談合という刑事事件にすら関わる企業であることが明らかになった。

(3) 被告が原告や一般株主と敵対してまで擁護している沖電気が犯罪を犯したという事実は重く受け止められなければならない。
  警察が犯罪を犯す企業を擁護することがあってはならないことは言うまでもない。

(4) 被告は、このような体質を持つ沖電気から、何らかの利益供与を受けているから嘘を付いてまで、沖電気に偏った姿勢を取るのではないかと疑われてしかるべき状況があると言わざるを得ない。

第4 主張の補足

1,沖電気の人権侵害について。

(1) 沖電気は別訴の中において2004年7月6日付け被告第2準備書面の中で、原告準備書面により原告が指摘した、沖電気の人権侵害の例についてその事実を認めた。すなわち。

@ 1981年 沖電気争議団代表中山森夫氏の妻洋子さん、沖電気争議を支援していた浅利さんが、仕事を取り上げられた事など差別を受けたことを理由に沖電気を労働委員会に提訴した。

A 1993年 指名解雇争議の和解により職場に戻った秦さんがリフレッシュ休暇を与えられないなどの差別を受けたとして沖電気を東京地裁に提訴した。

これらはすでに甲第2号証により証明したところの

B 浦和地裁による仮処分決定の出された真喜志さん差別事件

  とあわせ沖電気に差別が存在することの例である。

(2)沖電気は各事件が10年以上以前のことであるから、あるいは和解したことを理由に「差別が存在しなかった」などと主張するが、事実には時効はないし、和解したからという理由で指摘された差別の事実が消滅するわけでもない。

(3) 沖電気は3件もの人権侵害を理由とした提訴(原告の地位保全訴訟を含めれば4件)をうけており、「従業員から苦情を受けたことがない。」などとの沖電気の主張が全くの虚偽で有ることが明確になったのである。

2、原告の支援者について。

(1)被告は原告が、支援者とともにありもしない人権侵害の話を言いがかりにして沖電気の株主総会を混乱させている、ならず者の集団であるかのような主張をしている。

(2)甲第28号証についてはすでに説明したように松野氏の活動を示す新聞記事である。甲第29号証は松野氏の設立したチマチョゴリ友の会に関する雑誌の記事である。これらの証拠により松野氏は

@ いじめホットラインを設立し、学校や職場でのいじめに関する苦情を市民、弁護士などの協力を得ながら電話で受付け、そこ改善の為に努力されている。

A またチマチョゴリ友の会は韓国、朝鮮人に対する差別を軽減するために、在日のこれらの人々と日本人が交流し、相互の理解を深めるための活動を続け、大きな効果を上げている。
 
  ことが明らかになる。

(3) このように、被告は原告の支援者を株主総会を沖電気の混乱させる、あたかも、ならず者の集団であるかのような主張をしているが、実際には松野氏のみならず、その多くが、人権の侵害など社会の不正と何らかの形で向き合い、その改善の為に努力されている人物なのである。
   原告の支援者各自はそれぞれの活動の観点から原告の行動に賛同され、株主として沖電気の株主総会に出席することで、今も続く沖電気の人権侵害を改めさせようとしておられるのである。
 
(4), そして被告が擁護している沖電気こそが、人権侵害のみならず 犯罪まで犯す企業であり、それらの事実を株主総会で指摘されると、答弁を拒否し株主を暴力で排除する違法な企業なのである。

第5 結語

 以上、人権侵害のみならず、贈賄という犯罪まで犯す企業を擁護し、沖電気の人権侵害を改めさせようとする原告等に敵対する被告の不当性が明らかになったのである。

以上