平成15年(ワ)第2805号
 原 告 田 中  哲 朗
被 告 東   京   都  

準   備   書   面  ( 原告3 )

2004年11月24日

東 京 地 方 裁 判 所
八  王  子  支  部
  民 事 第 四 部
御 中

原告訴訟代理人

弁護士  大 口  昭 彦

第1 被告準備書面2について。

1,被告の裁判に臨む姿勢の不誠実さ

(1)原告は合計50頁に及ぶ準備書面( 原告1 )及び( 原告2 )、また30号を超える書証において被告主張、事実認定の誤りを根拠を示して指摘した。 それに対し、被告はわずか5頁の書面を提出した。

 その量の少なさのみならず、内容たるや原告が証拠や根拠を示して立証したことを、何の根拠も示さず、単に否定する若しくは事実と異なる主張を行っていることの繰り返しであり、さらには重要な主張に対し全く反論さえ行っていないことすら存在するもので、反論の為の準備書面の体をなしていない。

 これは被告の裁判に臨む姿勢が不誠実極まりないと言うばかりでなく、裁判手続きの体をなしていないといわざるを得ないのである。

 またこれは被告に対してのみならず、裁判所をも、公開された裁判という性格上、さらに被告の立場上、東京都民、国民をも愚弄するものと言わざるを得ない。

2,準備書面( 原告T )に対する被告の反論

(1),原告は原告準備書面1において、以下の被告主張は事実と全く異なることを根拠を示して反論した。

 例えば

@ 被告は2002年株主総会の冒頭被告は原告が「沖電気に差別問題があるなどと騒ぎ立てた。」と主張するが事実は全く事っており、原告がこの際行った発言は株主総会の議事に暴力を用いるべきでないという趣旨のものであった。
 
A 被告は原告が目的事項に沿わない発言を繰り返したと主張するが、原告の発言は会議の目的にそった正当なものであった。

B 被告は別訴被告沖電気工業株式会社(以下沖電気)は原告に暴力を振るわなかったと主張するが、沖電気が原告に行ったことは暴力であった。

(2)しかし、被告は現在に至るまで、これらについて根拠を示して反論していない。

(3)それぞれは、沖電気が原告を物理的強制力を持って株主総会会場から排除した際、被告がそれを看過したことの正当性と関係する重要な問題である。

(4)また被告が認める

「新山警部補は、結果的に、早合点をして、事実と異なることを原告に伝えた」

  ことについては、「早合点」などではあり得ず、意図的な嘘であることはすでに準備書面(原告1)において精査した。

  ところがことについて被告、東京都公安委員会は、苦情処理結果通知書という公式な書面において

「三田警察署に対して田中様が申し出られたことにつきましては、当日、同署の担当の捜査員から、警察処置を執らなかった理由等について説明がなされるなど、不適切な対応等は認められませんでした。」

と原告に通知している。(甲第23号証)

(5)すなわち、警察官が暴力行為の行われた現場に居たのに、居なかったと、重大な「事実と違うことを伝え」その他、警察処置を取らなかった理由についてなんら説明がなされなかったのにも関わらず、そのことを「警察処置を執らなかった理由等について説明」が「適正になされた」と、明らかに間違った通知を公式書面において行ったのである。

   言い換えれば、警官が何も説明しないばかりか、重大な「嘘をついた」ことを「説明が適切にされた」と公式書面において通知したのである。

    今に至るまでその訂正すらなされていない。

(6)明らかに違法な被告のこの行為を原告は訴状において指摘しているのに、被告は全く反論をしていない。

(7)また原告は5項目の求釈明を行ったが被告はその釈明すら行っていない。被告は原告の主張を認めないのであれば、それぞれ、その根拠を示すして反論べきである。

3,準備書面( 原告2 )に対する被告の主張

(1)被告準備書面2に於ける被告の主張は以下の如く大別されると考えられる。

@ 「沖電気の警備員が原告に暴行したというのであれば、その賠償責任は、当該警備員ないし沖電気が負うべきものであって、被告が賠償責任を負う理由がない」すなわち、沖電気の行為について被告には責任がない。

1  「肉体的損害」について
3 「名誉の毀損」について
5 「株主の権利の侵害」について

A 「沖電気の警備員が暴力をもって原告を会場外へ退場させた事実はない」


1 「肉体的損害」について
2 「精神的損害」について

B 原告の主観的な思い込みや不満に被告が賠償責任を負う理由がない。


4 「経済的損害」について

C 本訴の請求原因事実と何ら関係のないものである。

第2 原告準備書面2の第2において原告が主張する損害について(2004年株主総会に於いて沖電気が原告を暴力排除したこと)

第3 原告準備書面2の第3及び第4において原告が主張する損害について(「湯布院事件」沖電気に於ける人権侵害の存在)

(2)しかし、原告は準備書面において以下のようにそれぞれ根拠を示して主張している

@ 上記@については準備書面( 原告2 )第1の1の(1)及び(2)

A 上記Aについては準備書面( 原告T )Tの7の(2)

B 上記Bについては準備書面( 原告2 )第1の4の(1)

C 上記Cについては準備書面( 原告2 )のそれぞれ該当部分

(3) 唯一根拠らしいものが示されているのは「2『精神的損害』について」の(2)の

 たとえ、原告が、警察に対して不信や絶望感を抱いたり、警察が沖電気の味方をするのではないかという恐怖心を持ったとしても、それは国家賠償法1条1項に基づいて、被告が賠償責任を負うべき損害に当たるものではない(福岡高裁平成4年2月28日判決・判例タイムズ778号88ページ、大阪高裁平成4年7月30日判決・判例タイムズ789号94ページ)。

  という主張であるが、「判例タイムズ」の該当部分を示すことすらしていない。

該当部分を検証するまでもなく、この主張の前提として主張されている

「原告と警備員との間において、相互に暴行等の事実がなかったから」
「故意に原告に虚偽の事実を告げたものではないから」

 という事実が原告の根拠を示した主張に対し根拠無く述べられているだけのものであり反論の必要を認めない。

(4)以上、これら被告の主張は原告がそれぞれ根拠を示して立証、主張したことを何の根拠も示さず自らの主張を言い立てているだけのものであり、反論の体をなしていないと言わざるを得ないのである。

以上