東京地方裁判所∧王子支部民事第3部1A係・御中
乙第15号証
住所 東京都江東区木場2丁目7番23号
株式会社沖電気カスタマアドテック内
氏名 澤井 重徳
1.身上等
私は,昭和46年4月1日,沖電気工業株式会社(以下「当社」といいます。)に入社しました。
現在は,当社を移籍退職し,当社の子会社である株式会社沖電気カスタマアドテックめ執行役員の職にあります。
当社入社以来,主に,営業,人事・総務の部署に配属され,平成12年4月1日から平成16年6月30日までの間,当社のコーポレート総務部長の職にありました。
コーポレート総務部は,当社の株主総会の実務運営を司ることをその職務の重要な一つの柱としています。
そこで,当社株主総会に際しては,平成14年度(第78回)及び同15年度(第79回)の何れもi株主総会事務局の責任者として業務を遂行しました。
何れの総会の日(平成14年6月27日及び平成15年6月27日)も,午前 7時30分までには出社し,事前準備事項の確認等の準備をしながら,午前8時30分には議場内で待機していました。
議場内においては,議長を補佐する責任者として議長席のすぐ後ろに着席し,議長の議事運営について指示を受けたことに対応し,議事運営の補佐を尽しました。
−1−
2.第78回定時総会について
(1) 開会前
平成14年6月27日の午前10時ごろだったと記憶しますが,当社の第78回定時総会が開会される直前のことですから,私は少し緊張気味の時でした。
その時,松野株主がいきなり立上ったと思うと,昨年の株主総会で田中株主を退場させたことについて抗議すると言い出しました。
すると,その抗議に田中株主が加わりまして,2人で大声で騒ぎ始めました。
それから更に,三好株主や上田株主らも席から立ち上がって,松野株主,田中株主に加勢して発言するものですから,議場は騒然上した有様で総会の開会ができな
いようになりました。
責任者である私は勿論のこと,議場内の警備員らは田中株主らを制止し,着席し静粛にするように求めました。
株主総会の事務局長である私は,株主総会を正常に開会し,議事運営や進行に支障がないように措革する立場にありますから,再三に亘って静粛にして着席するように何度も制止しました。
しかし,田中株主及びそれを支援する株主たちは私や警備員の制止には従わず騒ぎを継続し,議場内が騒然とした状態が続きました。
私としてはやむを得ずこれ以上開催を妨害すると退場してもらう旨の警告を発しましたが,それでも騒ぎを止めようとはしません。
そこで,私は警告を何度か発しましてやっと騒ぎは収まりました。
この激しい妨害のために,多く、の出席株主の皆様に対しあってはならないことですが,株主総会の開会が定刻より約5分程遅れてしまいました。
\
(2)田中株主の退場
何人かの株主さんの質問を受け回答を終えた11時45分頃,田中株主が質問を開始しました.田中株主の席は,議長からみて一番右側のブロックの前列から4番目の真中でした。
議長から指名を受けて,マイクを手に取ると, 席から立ったかと思うと,真中のブロックとの間に設けた通路に出てきて発
−2−
言し始めました。
田中株主が発言し始めるとすぐに三好株主が席を立って,会社がビデオ撮影しているのをやめさせるように求めてきました。
すると,三好株主の後ろに座っていた菅野株主が席を立って自分が行っているビデオ撮影を革めてくれと言い出しました。
これに対しまして,議長は当然のこととして,いずれもその行為を制止して着席させました。
田中株主の質問は,質問というよりは演説というようなものでして,当社の職場に人権侵奮があるからやめよというのですが,それは根拠のないものであり,しかもその内容は会議の目的事項には当たらないものでしたから,議長は目的事項にあたる質問をするように求めながら,田中株主の発言を何度か聞きました。
田中株主は質問するのではなく演説するつもりですから,議長に背を向けて後向きになって発言し,議長に対し質問するように議長が注意しましても,その法的な根拠は何だなどと理由にもならない理屈を言い,聞き入れませんでした。
議長は適正な議事進行を図る上から,質問がないのであれば次の質問者を指名するためマイクを返してもらうことを注意すると,やっと前を向いて,質問を始めました。
一つは総会開催期日を集中日におこなうなというもの,二つ目は招集通知を大幅に早め2カ月,3カ月前に発送せよというもの,最後は議事録の閲覧者にはコピーを交付せよというものでレた。
しかもこの3つの要求に対してもそれぞれ賛否の議決権個数を明らかにして採決せよというものでした。
議長は,これらの要求については採決の必要はないと判断して,質問として回答しました。
第1点の総会開催期日については,決算日以降,商法に規定する必要な手続に要する日数を勘案して決めているものであること,第2点日の招集通知の発送については,既に商法よりも1週間早く発送していること,第3点日の議事録については,商法上違法はないことを議長は回答し
一3−
ました。
しかし,田中株主は議長の回答が終了しても,再度席から立ち上がり,採決の要求を執拗に繰り返し,止めようとはしませんでした。
近くにいた警備員が着席するように注意しましたが,聞き入れられず要求を止めよせんでした。
議長は,議事進行上,次の株主の質問を受けることに、決し,一次の株主を指名しました。
指名を受けた株主がマイクを受け取り,質問を始めましlたがその質問を遮るように田中株主は大声で採決を要求して止めませんでした。
しかしこのとき,松野株主,三好株主らも席を立って,口々に大声で怒鳴り田中株主を応援するものですから,議場内は騒然として,指名を受けた株主は質問することができない状態に至りました。
議長はこれ以上議場の秩序を混乱させ続けしかも議事進行を妨害する行為は許されないということで,退場命令の警告を発しましたが,その警告を無視し採決の要求を執拗に繰り返しました。
そこで,議長はこれまでと判断して退場命令を発しました。
以上の通りのことから,議長は退場命令を発したわけですから,議長の議事整理権,秩序維持権は適切なもので違法性は全くないものと断言できます。
(3) 上田株主の退場
12時35分頃になりまして,上田株主が質問を始めました.上田株主の席は、議長からみて一番右側のブロックの後ろから3列目の右端に座っていました。
上田株主はマイクを受け取りますと,立上って,質問をし始めました。
その内容は,当社の格付けの低下について,次に1000億円の損失の責任について,更には八王子工場門前の田中株主に対する対応について,最後に人権の問題についてでした。
そして、4つの質問が終わると上田株主は着席しマイクを場内係りに返しました。
議長は,最後の2つの質問は会議の目的事項ではないとして,最初の2つ
ー4−
の質問について回答しました。
回答の趣旨は,NTTや金融機関等の需要減少のおそれ及び損失のために自己資本が大幅に減少していることにより格付けの引下げがあったこと,新しいブロードバンドの展開,システムLSIへの転換,海外生産による.コストダウン等々の施策を積極的具体的に行うことにより,収益拡大の経営努力を重ねていくというものでした。
ところが,議長の回答が終わっているにもかかわらず,上田株主は再度席から立ち上がり,4番目の人権問題の質問に答えるように声を張り上げて,しつこくしかも繰り返し発言しやめませんでした。
そして,商法に詳しい弁護士が答えるべきだと言った等と叫んで,議長が幾度も着席するようにとの注意をしたのですが,聞き入れませんでした。
また,近くにいた警備員も着席するように促しましたが,これに対しても聞き入れようとはしませんでした。
議長は,やむを得ず,次の株主の質問を受けることとし,次の株主を指名し,その株主がマイクを受け取り,発言を始めました.
それでも,上田株主はまだ大声で回答を要求し続けていまレた。
このため,次に質問をする株主は質問を妨害され,議場の秩序は混乱しただけでなく,議事の進行が停滞してしまいました.
議長はこれ以上上田株主の言動を容認できないと判断して,妨害行為を続けると,退場してもらう旨の警告を行いました。
更にこのときになると,上田株主の隣に座っていた三好株主も席を立って,大声で答えるように怒鳴っており,更には他の株主も加わって発言が重複して飛び交い,、議場内は全く
騒然と総会の秩序は完全に破壊されました。
そこで、議長はやむなく上田株主に対して退場命令を発しました。
3.第79回定時総会について
(1)議事妨害行為
ー5−
第79回定時総会は平成15年6月27日午前10時から開催されました。
この総会においても,田中株主及び上田株主と田中株主に同調するグループの株主たち7,8名は,多数の株主によって承認された議事運営ルールに反対して,議長の指示に従わず,立ち上がって大声で不規則発言を繰り返し続けました。
議場の秩序を混乱させただけでなく議事進行を停滞させたこのような議事妨害行為は,議長による議事運営ルールの説明直後から開始され,監査役による監査報告,議長による報告事項の報告及び事前質問に対する回答が行われる間,約40分間にわたってほとんど継続的に続けられました。
議長は勿論,議場内の警備員らも,この間,終始静粛にするように,あるいは着席をするように注意し続けましたが,聞き入れず不規則発言を繰返しましました。
このため,特に報告事項に関する説明については騒然とした状態の中で行われるという極めて異常な状況を生じました。
しかも,田中株主に同調するグループの株主の中には,ビデオ撮影を行う株主が数名いまして,議長や警備員らがビデオ撮影を止めるよう注意しましたが,いったんは止める様子を示すのですが,その後も繰り返しビデオ撮影をし続けました。
ですから,議長や警備員らはまたまた撮影の中止を求めることの繰り返しになるということで,田中株主もそのグループの株主も議長の議事運営指揮に従うことはありませんでした。
(2) 上田株主の発言
午前11時ごろだったと思いますがこ 議長の指名を受けて,議長の席から見て真中のブロックのほぼ中央付近に着席していた上田株主が立ち上がり,議場内マイク係からマイクを受け取り,質問を始めました。
その後,・質問とも演説とも取れる形で上田株主は約12分間にもわたって質疑応答を行っています。
上田株主の質問の内容は,要約しますと4点で,具体的には次のとおりです。
@前回の株主総会において自分が受けた退場処分について謝罪要求せよ
A臨場している警察官の氏名と着席位置を明らかにせよ
−6−
B会社の社会的責任投資について
C∧王子工場門前における田中繰主に対する立入禁止について
@,A及びCの質問は,明らかに会議の目的事項外の質問で,しかやBの質問はCの質問を行うためのいわば前提としての質問でした。
つまり,上田株主は,Bの社会的責任を果たす見地から良き会社を目指すのであれば,田中株主が当社八王子工場門前でする活動について立入禁止にすべきでないという持論
を展開していやのです。
この質問に対し,議長はそれぞれ適切に回答しており,違法に亘る行為等は一切ありませんでした。
その回答をもう少し説明しますと,まず,@については,総会の秩序や議事進行に対し妨害したので退場警告の上やむなく退場させた旨回答しています。
Aについては,株主の安全等を図るため,万一に備えて 警察官を臨場させている旨説明しています.Bにつきましては,環境問題及び社会貢献への取り組み,市民との協調関係についても説明し、ました.また,C については本日会議の目的事項ではないとしつつも,会社の敷地内に不法に侵入される場合には,すべての人に対して敷地の外に出ていただくことになると然の回答をしています。
(3) 田中株主の発言
午後0時40分頃,議長の指名を受けて,議長席から見て真申のブロックの前から5列目付近に着席していた田中株主が立ち、上がり,議場内マイク係からマイクを受け取り,発言を始めました.その後,約10分間にもわたって発言していますが,上田株主よりも一層演説のようなもので質問というべきものはなく,会議の目的事項からはずれた発言に終始していました。
つまり,田中株主の発言の内容は,前置きや自己の独自の考え方を長々と話した上,わざわざこれから質問だとことわりを述べて質問したのは次のとおりでしたが,いずれもそれは,明らかに会議の目的事項外の発言でした。
@前年の株主総会で田中株主,自分に退場命令を発したことを妥当と考えるか
−7−
A当社の職場に差別があるから是正せよ
議長は再三に亘り,会議の目的事項に沿った質問を行うように田中株主に注意しましたが,頭から聞き入れようとはしませんで,相変わらず約10分に
も及ぶ発言に終姑しました。
そこで,議長は会議の月的外の発言,いわば演説を続けるならば次の株主から質問を受けることもやむなしと判断してその旨警告した上で,次の株主を指名しました。
しかし田中株主は,これに従わず,更に発言を続けようとしました。
この田中株主の言動に田中株主に同調するグループの株主たちも数名が立ち上がり,口々に田中株主を応援し始めたものですから,議場は騒然上した状態に陥りました。
議長はこれを制止し,議場内警備員らも再三着席を求めましたが,田中株主をはじめそのグループの株主は,全く聞き入れませんでした。
議長は更に静粛にすること及び着席を何回も亘り注意し,もしこの注意に反するのであれば,退場になる旨警告をしました。
指名を受けた株主はマイクを受け取り質問をはじめましたが,この状態で質問ができず立往生のような形になりましたので,我慢ができず田中株主らに自分の質問を妨害しないでほしいと要求しましたが,田中株主らはその要求も無視して騒ぎを止めようとはしませんでした。
結局,・騒ぎは議長が回答をは.じめてようやく落ち着いた状態にな.りましたが,それは,議長が次の株主を指名してから,またまた約10分も継続して行っていた訳です。
(4) 議事の打切り動議
午後1時5分頃に至りまして,株主から質疑打切り動議が出されました。
この時まで既に,19名に及ぶ株主が質疑を行いまして,審議は十分に尽されている状態でした。
しかも,総会開始から約3時間が経過していました。
そこで,議長としても採決のために十分な審議が行われたものと判断し,議場に動議の賛否を諮りました.前記のような状況に達していましたから,株主の絶対多数の賛成をもって質疑打切りの動議が可決されましたので,審議
一8−
は終了し,議案の採決に入りました。
以上の通りですから,議長の議事運営には違法な点など一切ありません。
しかし,質疑打切り動議の採決の間は勿論のこと,議案の採決を行う間も,やむことなく田中株主や田中株主に同調するグループの株主は立ち上がって口々に野次を飛ばし,当社の総会の議事運営を妨害しつづけました。
(5) 閉会後
午後1時10分過ぎごろに総会は閉会しました.しかし,田中株主や上田株主を含む田中株主に同調するグループの株主は議場から立ち去る様子を見せずそのまま居座りました。
私は,総会場の責任者という立場で株主総会が終了したので,退場するように再三に亘り要求し,ようやくその後約5分に退去してもらいました。
、
4・ この陳述書作成に当たりまして,敢えて一言申上げたいことがあります。
それは,田中株主及び上田株主を含む田中株主に同調するグループの株主は, 6,7年前から継続して株主総会に出席しまして,田中株主の事実上の復職等の目的達成を狙って,会議の目的事項とは無関係の質問を繰り返し行った上,議長の指示を無視して不規則発言を繰り返すなど,総会の議場を混乱させ著しい議事妨害行為を行っています。
しかもその行為は毎年年を追って同調者の人数を増やしエスカレートしてきています。
そして,田中株主はそのホームページにおいて,当社を中傷誹誇し,総会が長時間化したことを袴り,第79回定時総会が3時間11分かかったことをもつて大成功と宣伝する有様です。
このことからしても田中株主らが株主総会を混乱させることを目的として出席していることははっきりしています。
田中株主は,株主であることを利用し,その権利を濫用して,当社に対する嫌がらせ行為を毎年当社の線主総会において繰り返しているものです。
以上
−9−