平成16年(ヨ)第419号

債権者 沖電気工業株式会社

債務者 田中哲朗


        準備書面(1)


東京地方裁判所八王子支部民事第4部保全係 御中
平成16年12月27日
債権者訴訟代理人弁護士  内  藤  貞  夫
同弁護士  長  家  広  明
同弁護士  渡  部  朋  広


第1保全の必要性について次のとおり補充し陳述する。

  債務者は,ここ20年あまりの長きにわたって,本件土地に無断立入行為を行い,この立入行為に関連して独自の見解をホームページ上で発表する等して,その行為を拡大し続けるまでに至っている。そしてそのホームページ上で参加者の参入を求め,その参加者らと共同して本件土地内に無断立入りする行為を繰返し,債権者の職場に人権侵害が存在するとか差別扱いが存在する等と虚偽の事実を喧伝し、債権者を誹誘中傷するに留まらず,更にその行為を増大且つ拡大していくことを明らかにしている。

  のみならず,本件無断立入行為は,債権者の事業場の正門前という最も目立つ場所において座り込みを行うという異常なものである。このため,そこで行われる債務者の表現行為の内容いかんに関わらず,債務者による座り込み行為自体が,債権者の金融及び業務上の取引先,更には業界,従業員及び付近住民らの不信感を招き,債権者に対する社会的評価を貶めることは間違いない。しかしながら,債権者が法的に債務者を排除することを長期に亘って控えてきたのは,早晩債務者といえども,良識を有する者とすれば,その判断において自粛するものと期待してきたからに他ならない。ところが,債務者は,債権者の期待に反して,多数の参加者を擁して座り込み行為を繰り返す状況となっている。

 また,最近になって判明したことであるが,債務者が座り込みを行っている際に改めて現場を確認したところ,座り込みを行っている債務者及びその同調者並びに債務者らによって持ち込まれたピーチパラソルや看板等が障害物となり,正門から出てくる自動車の運転手の左右の視界が確保できず,道路交通上極めて危険な状態となることが判明した。特に,八王子地区事業場の正門前の公道は,登下校時に多数の小学生が歩行する通学路となっていることから,債務者の無断立入行為が繰り返されると,人命に関わる重大な交通事故が発生する恐れもある。そのような状況にあるにもかかわらず,債権者が法的手段により債務者を強制的に排除することなく債務者らの無断立入行為をこれ以上放置していると,事故が発生した場合,債権者は甚大な損害賠償責任を負うことになってしまう。

 上記のとおり,債務者の本件無断立入行為が原因となって重大な交通事故が発生し,ひいては債権者に重大な損害が発生する危険性が高く,また,上記のような人命に関わる重大な交通事故は,これまで偶々発生しなかっただけであって,来月発生するやも知れない。そこで,本訴による解決を待っていたのでは尊い人命が失われ債権者に重大な損害が発生する危険すらあることから,早急に安全策を講じるべく,本申立に至った次第である。